くらしのうつわ

信楽焼の窯元に生まれた娘の日記

100年窯

2012年04月10日 00時28分56秒 | 日記
先日のJCでの例会で、厳選スポットとして上程させていただいた「100年窯」

今日は「100年窯」をもう少し詳しく説明します



この「100年窯」は灰塚窯の木戸さんが作られました。

木戸さんは、もともと大阪で会社を経営してらっしゃたのですが、陶芸の趣味が高じて、会社をご子息に託され、ついには信楽の地へと移り住まれた信楽ラバーズです。









数ある焼物産地の中でも、信楽の土地に魅せられ、空気や水に魅せられたそうです。

信楽の魅力、土地が持つ財産を地元の人間より理解し、教えてくださった方です。

そんな木戸さんが、「100年窯」を作ったと・・・。

何のことかよく分からないので、詳しく聞きに行きました。

「この窯は焚き上がっても、窯出しはしない。100年間このままにしておく。」

陶器を作る者にとっては、「窯出し」が一番の楽しみです。

自分が作ったものが形になって色づけられ、焼きあがってくる。

いつまでたっても、どんなベテランでも、窯の扉を開ける瞬間は緊張します。

そんな楽しみを100年先までとっておく・・・。

想像をはるかに超えています。

自分は決して見れない、手に取って触ることのないその作品を、100年後の誰かに託す。

本当の意味での、物の継承、想いの継承。

これほど深いことはないと思いました。

100年間語り繋いで、やっと作品に光があたります。

これを守るということ、その土地を守るということ、信楽を守るということ、日本を守るということ、地球を守るということ・・・。

自分の生きた証が語り継がれることによって、それぞれの行動に少しでも変化がおこれば、守られるべきたくさんのことが救われます。

「100年窯」これを成し遂げることには、すごく意味があるのだなと思いました。

もうすぐこの窯に火が入るそうです。

私もちょこっと入れておいてもらおうかな・・・

100年先のまだ見ぬ未来へ。

人の体は朽ちても、陶器は朽ちることはありません。

うつわによって未来と繋がる・・・素敵です




本日のくらしのうつわ

パリパリサラダ







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