さそりのらびりんす~ヅカへのつぶやき~

気が向いたときにヅカのことを書いてます。
劇団に物申したいことはたくさんありますが、宝塚ファンは今後も続けます。

宙組『大江山花伝』『Apasionado(アパショナード)!! II』

2009-08-10 17:21:07 | 宙組
「大江山花伝」ー燃え尽きてこそー

とけてはかなきうす紫の夢の狭間にたゆたいて~

20年以上前、ファンになったばかりの頃にはまった「大江山花伝」
(博多座HPはこちら
ビデオを何度も何度もすり切れるように見ました。
時は経ち、生で主題歌を聞いた瞬間、
ヅカファンになった頃の思いや、当時のわくわくした気持ちや、色んなものがあふれ出してきて
また、まさに「劇画から抜け出したような」茨木童子のゆうひくん(大空祐飛)を見て
涙が出てきそうなほど、感動しちゃいました。
こういう感動を宝塚で味わったのは、久しぶりです。

初演に強い思い入れがある作品は、再演するとどうしても「こうじゃない」と感じる部分があるのだけど
今回に限っては初演をと勝るとも劣らない出来だったと思います。
特に茨木童子のゆうひちゃんに関しては、今までの色んなキャリアが一気に花咲いた感じで、
まず、センターに立っている時のきらきら感にびっくり。
お披露目公演での新トップさんは
センターに立っているのに精一杯な印象を受けるものなのですが、
ゆうひちゃんは堂々。
そしてスターオーラ、きらきら。
こんなにセンターが似合う人だったんだ、とビックリ。
というか、センターに立ってこそ、更に花開くタイプの人だったのね。
何故、この人がトップ路線をばく進出来なかったのかと今更ながらに首を傾げつつ
それでも最終的にトップの座をつかめたのは、彼女の人気があってこそなのだろうと納得。
(宝塚には裏事情が色々あるけどね)

ゆうひくんの独特のアンニョイな雰囲気と両性具有的な独特の色気に、茨木の孤独や複雑な心理状況がうまくあわさり、
また、今のキャリアならではの風格も備わり、鬼と人間の間で悩み苦しむ茨木童子が見事にはまり役になっていました。
初演当時、カリンチョさん(杜けあきさん)が1人でおいしいところを持って行ってしまったような印象を受けたのですが
あれはカリンチョさんのずば抜けた力量あってのことだったのですね。
(しかも、当時まだ研7)
再演を見てみると、茨木がちゃんと主役でした。(当たり前)
ブロンドのカツラに、独特な和物のお衣装もぴったり。
妖しくて美しい、苦悩する鬼そのものでした。

藤子のすみ花ちゃん。
藤子があうだろうなと思っていたけど、やはりその通り。
洋物より、和物化粧のほうがかわいいですね。
茨木との絡みはそんなに多くないのに、
どれだけ藤子が茨木のことを思っているか
茨木が藤子を大切に思っているか
それが痛いほどに伝わってきます。
火傷で見にくくなった自分の身を恥じて、身をあかさない切ない女心。
そして、最後の鬼と人間に関わる独白シーンでは、女優魂炸裂。
もう、涙なしには見られません。

綱のほくしょー(北翔海莉)
彼女も上手い人なんですけど、カリンチョさんの記憶と比べるのは酷というものかしら。
初演よりは印象の薄い綱になった感じがしましたが、
これは綱の印象が薄くなったというよりは、茨木の存在感が増したというほうが正しいのかな。
歌はさすがで聞き応え十分でした。

胡蝶のアリスちゃん(花影アリス)
そうそう、初演で鳩笛真希さんがやった、すごくおいしい役です。
このころの柴田先生は、二番手娘役格に大人のいい女を出してくることが多くて
鳩笛さんはトップのモサクさんより上級生だったこともあって
いかにもいい女を見事に演じてらっしゃいました。
アリスちゃんはゆうひくんより随分下級生だからどうなるのかしら、と思ったけど
なんのなんの、見事な姉さんっぷり。
今回の最大の功労者といっても過言ではないのではないでしょうか。
アリスちゃんは歌もうまいし、かわいいし、このまま路線を外れちゃうのは惜しいなあ。

酒呑童子の大輝いりす。
身長があることもあり、迫力十分。
茨木のゆうひくんよりかなり下級生なのに、それを感じさせない堂々とした立ち居振る舞い。
しっかり鬼の王者&お父さんでした。

『Apasionado(アパショナード)!! II』

月組で上演されたものは、入院中だったので見られなかったのですが。
同行の友人によると
「いかにもあさこちゃんのためのラテンショー」
とのこと。
でも、演出は大ちゃんだし、『JOYFULⅡ』の時のように、ゆうひちゃんにあわせて変えてくるのでは?と思ったら。
結局、ほぼ一緒だったらしい。
ショースターのあさこちゃんのものを、ほぼそのままやるのはちょっと辛いよね。
一部、「ゆうひちゃん、がんばれ!」と思った部分もありましたが。
あさこバージョンを見ていない私には、十分楽しめました。
ショーのゆうひくんもトップオーラ、きらきら。
スターさんを見たなあという気分にさせて貰える。
トップ娘役のいない月組のものだから、お披露目なのにトップコンビの絡みが少なくなってしまうのは仕方ないのかな。
すみ花ちゃんはダンスも歌もそこそこレベルだけど
いかんせん、スタイルにちょっと難あり。
ショーはできるだけスカートふんわりの、体型補正のできる衣装にしてあげてほしいな。
ヴァレンチノのゆうひくんは、これまた孤独な雰囲気がよくお似合いでした。
「ヴァレンチノ」ってカリンチョさん以外では再演されていないよね。
すみ花ちゃんなら出来そうだし、このコンビで見てみたいわ。

というわけで。
元々作品に思い入れが深かったこともあって、
近かったら何度でも通いたい!
と思ってしまうほど、楽しい公演でした。
終演後も高揚感が続くような公演は本当にひさしぶり。
宙組のみなさん、ありがとう。

帰りに博多駅でゆかた姿の宙組の生徒さんを何人か見かけて
これまたちょっと幸せな気分になって帰途についたのでした。

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