というわけで、花組公演を見てまいりました。
うたかたは長らく、宝塚オリジナルの中で私の一番好きな作品だったのですが
昨今は全ツ用に安易に使われ、名作が軽く扱われ過ぎている感があって
個人的にいただけないと感じていたのです。
今回、小柳先生が潤色するということで、初演になかった役も色々と増え
元の香りがなくなったらどうしようかと心配していました。
が、さすがは原作ありにハズレなしの小柳先生。
見事に名作を令和の時代に蘇らせてくれました。
ターコさんが初演で演じられた頃は、ルドルフって誰?
ハプスブルクってアントワネット以外にいるの??
という世間の理解だったでしょうけど、
エリザがヒットしたおかげで、観客もルドルフの背景がよくわかるようになりましたよね。
今回のルドルフは実在の人物に近く、
頭も良く時代の先も読め、でも神経症で女性にだらしない面もある皇太子が
観客が感情移入できるできるような流れで理解できるようになっていたと思います。
発表当初は今更うたかた?と思ったけれど、再演に大納得。
ウエクミの霧深き・・・同様、女性作家には、
名作を時代に合わせてリメイクする力があるのでしょうか。
さっしーや栗田先生にもぜひ、
柴田作品(なんならベルばらも)をリメイクしていただきたいです。
ルドルフは再演でも、カレーちゃんの代表作になりますね。
まどかちゃんも元々の可愛らしさが存分に生きた役で、
再演だけれども当てがきのようなマリーでした。
今回、お衣装が本当に素敵で。
カレーちゃんの軍服は言うに及ばず、マリーのドレスに舞踏会の娘役さんたちのドレスに
ほぼ新調でしたよね?
たとえ生地がペラペラでも、新調祭りにはびっくりです。
私自身、うたかたといえば、麻路白城コンビの星組公演で、
どうしてもその当時の声で脳内再生されるんです。
そうすると、今回一番に思ったのが
タキちゃん(出雲綾)ってめちゃくちゃ歌がお上手だったよね、ということ。
タキちゃんが一人で歌った役を今回はマリンカ(咲乃深音)と
ミッツイ(詩希すみれ)に分けてありました。
タキちゃんと比べちゃいけないけれども、
特にミッツイさんはもう少し頑張ってくださいませ。
(誰目線やねん、えらそうですみません。💦)
そして、お芝居でもショーでも
やけにひとこちゃんに託すセリフが多いのが気になりました。
これって、あえて入れているのでしょうね。
ハプスブルクの船に乗るしかない、とか。
ハプスブルクはお前に任す(ニュアンス)とか。
ショーでは、大海原に漕ぎ出そう、とか。
(その横には星空美咲ちゃんと聖乃あすかちゃんがいるし)
そんなこともあって。
お芝居、ショーともに素晴らしい作品だったのに、
ついつい観劇中に、ヤンさんのトップ就任が決まった時のことを思い出しました。
ヤンさんはトップ路線として育てられたわけでもないのに
二番手だった朝香じゅんさんが大浦みずきさんの1作前に退団し(させられ)
そして、宝塚の至宝ともいうべき大浦さんをたった1作だけの二番手で見送って、
自分自身、花組が潰れるんじゃ無いかという不安の中でトップになられました。
その当時のことを思えば、ひとこちゃんも今は大逆風が吹いているかもしれないけど
先人たちが辿ってきた道でもあります。
大変だろうけど、頑張れ、とも思ったのでした。
音月桂ちゃんの時と同じ失敗をするつもりかという見方もあるようですが、
桂ちゃんの失敗は、二番手切りよりも、96期問題だったと思うので
全く同じわけではない気がします。
何より、ひとこちゃんにはセンターに立つ風格も実力も備わってます。
私はカレーちゃんがやめた後は、貴女を目当てに観に生きますよ。
最後は人事の話ばかりになってしまいました。
あの劇団は昔からある意味、なんでもあり、なので、
前例は気にしなくてもいいと私は思っているのです。
マイティのトップだって、すぐにとは言えませんが
いつかどこかであるかもしれません。
ジェンヌさんが辞めるその日まで、ファンは応援するのみです。
あとは願わくば、早くお茶会と出待ち入り待ちを再開させてほしいです。
箱根駅伝であれだけ人がいたのに、出待ち入り待ちがダメという理論がわからん。
春にようやく五類になりそうだから、
そうなったら劇団さん、よろしくお願いします。
最後はお芝居の感想ではなくなってしまった。(笑)
また時間があればショーの感想をアップしますが、
野口くんの最高傑作と言って間違いないと思います。
カレーちゃんと野口くんは相性がいいのでしょうね。