山本馬骨:たそがれジジイの呟きブログ

タイトルを変更して、これからは自分勝手なジジイの独り言を書くことにしました。

ダメ経営者の見本を見た

2019-07-23 01:25:50 | 宵宵妄話

 芸能界のことにあまり関心はないのだが、どのTVを見てもいわゆるタレントと称される人たちで画面が溢れているので、多少は気にならざるを得ない。傘寿を迎えようとしている老人が、彼らに対してつべこべ言う筋合いなど全くないのだが、これら芸能タレントを輩出している中では最大手ではないかと思われる、関西お笑い界の吉本興業の、この度の所属芸能タレントの不祥事に対する社長対応を見ていると、どうしても一言言いたくなってしまう。今日開かれたというだらだら記者会見というのをほんの一部見ただけで、うんざりしてしまった。

 この記者会見も、得意のお笑い興行の一つなのだろうかと思ってしまう。涙を流しての弁明は、一つの真実も映されていない茶番演技に見えてしまう。これがあの世に名の高い吉本の経営トップなのかと。自分も元サラリーマンとして、何人かの経営トップを見て来たが、二流子会社勤めで、トップの多くは親会社からのなり下がり人物が多かったので、トップなどいなくても会社の経営は何とでもなると思ってやって来たのだが、今回の涙を流す社長のような人物にはお目にかかることはなかった。

 この社長は根が優しい人物なのであろう。馘首(クビ)だ!などという人物は優しさ弱さの反動で妙に強い態度で出ることがある。自分もクビだ!といわれた経験があるけど、その人物も根は優しかったのだと思う。要するに脅し方が下手なのだ。権力を振り撒いて相手を脅すというのは弱者の特徴の一つなのであろう。しかし、相手を間違えたり、その場の状況を読み違えると結果は逆転してしまう。今回は読みの中に社会の芸能人に対する目というものがどんなものなのかを間違えた嫌いが大だったのだと思う。そしてその読み違いは、根本において経営というものを理解も実践もしていないという所から発生しているのではないか。そう思った。

 経営というのは組織を預かって舵を取ってゆく役割を担っているのだから、涙を流すなどして個人感情をむき出しにして行うようなものではない。組織全体の生死に関わる事項に関しては、冷静な判断に基づく断固たる決断を持って臨まなければならないのだ。組織を守ることと組織を構成している個人を守ることとが相矛盾しないような不断の経営理念が必要だし、その実践が大事なのだと思う。ラグビーの「ワン・フォア・オール、オール・フォア・ワン」という理念を敢行するのが経営者の使命というものであろう。

 吉本興業というのは、経営で会社を成長させてきたのかと思っていたのだが、実態は所属する芸能タレントでもって、成り行きで成長してきたようである。今どきこのような会社があるとは何だか奇跡のような存在である。それともこの特殊な業界は、皆似たり寄ったりの状況なのだろうか。良く判らない。

 そもそもの発端は、所属タレントが反社会勢力から金を受け取ったということにあるらしいけど、このような事件に対する会社としての覚悟が何も定まっていないようだ。部屋の中でグズグズと対応を遅らせている内に、いつの間にか反社会的勢力とやらとの付き合いの話の是々非々の問題すらもうやむやになってしまっている感じがする。思うにこの会社は、人間関係の複雑なしがらみで社内がぐちゃぐちゃになっているのではないか。これを整理するのは容易なことではないのだと思うけど、それをやらなければ経営は遠からず破綻に向かうのではないか。

 経営者は涙など流している場合ではない。質の良い笑いを世に提供するためにも、メリハリの利いた経営を確立して貰いたいものだ。それができないのなら、退陣すべきであろう。給料を半分にするなどというのは見せかけの愚行であることをよくよく承知すべきであろう。経営トップの責任というのは、常にいざという時に誤らない判断と決断によって舵を切ることにあるのである


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