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 何年か前の新聞記事 070110

080215 肝臓、胃からも万能細胞

2012-11-01 21:33:51 | 技術

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’08/02/15の朝刊記事から

肝臓、胃からも万能細胞 京大・山中教授らマウスで成功
がん化の危険低く


さまざまな組織に成長できる万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、マウスの肝臓と胃粘膜の細胞からつくることに京都大の山中伸弥教授らが成功し、14日の米科学誌サイエンス電子版に発表した。

iPS細胞の作製には、発がん性が否定できない特殊なウイルスを使うが、肝臓や胃からできたiPS細胞は、皮膚由来のiPS細胞よりがん化の危険が低いことが判明。細胞の種類や手法の工夫によってこのウイルスを使わない道も可能になりそうで、山中教授は「臨床応用に向けて前進した」と話している。

山中教授らは、これまで人やマウスの皮膚から作製に成功。今回は肝臓や胃粘膜の細胞に4種類の遺伝子をウイルスで組み込み、iPS細胞をつくった。

これらは皮膚由来のiPS細胞と比べると、ウイルスが細胞の染色体に入り込む個所が少なかった。またiPS細胞をマウスの受精卵に混ぜて成長させる実験で、皮膚由来のものは約4割に腫瘍ができたが、肝臓と胃のiPS細胞ではほとんどできなかった。

iPS細胞をめぐっては、ウイルスがもとの細胞が持つ特定のがん遺伝子を刺激しているとの仮説があった。山中教授はデータを分析してこの説も否定。「今後は血球細胞などでも試し、安全性を高めたい」と話している。

安全な細胞作製に意義
国立成育医療センター研究所の阿久津英憲室長の話

肝臓や胃粘膜などの上皮細胞は分化が進んでいて、iPS細胞などをつくるのに不向きだと考えられていたので驚きだ。肝臓と胃、皮膚由来のiPS細胞に、発がん性など性質の違いがあることが分かったのも興味深い。ウイルスの挙動にも大きな違いがあり、詳しく調べることで、より安全で治療目的に近い万能細胞をつくるのに役立つだろう。




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