蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

ふるさとの風(つづき)

2021年04月18日 | 満洲

 (長春(旧新京)からハルビンへ行く途中の景色)

 60年安保世代よりも、70年安保世代は行動も過激であったが、考え方も硬直したところがある。戦後、満洲という言葉すら使えない時期があったらしい。郷愁を感じるようでは、まだ判っていない、と非難した人のように。

 戦前の辛い記録を見ながら、確かに私たちは、

・繙(ひもと)けば史実厳然マイナスを重ねし昭和知りて傷つく

 しかし……

 広島大学から名誉博士号を贈られたヘルムート・シュミット元西ドイツ首相が、記念講演で話したという言葉がある。

「若い皆さんは、自国の歴史を理解しなければいけません。誇らしいこと、悲しむべき悪いことも見つけるでしょう。しかし、あなたたちには、過去に対する責任はありません。明日と、それに続く日々に責任を負うことになるのです」      朝日新聞”天声人語”より

 郷愁を感じたとしても、親の世代がしたことに責任をもつ必要はない。簡単に行けないから、よけい切なかったのかもしれないし。

 いまコロナ禍で簡単に帰郷できない人たちと同じである。

 おまけ、元ハルビン学院。

 満洲国時代は特務機関員を養成していたとか。

 なぜかこの角度からしか見られなかったのは、今は中国の大学だか大学院として機能しているからだろう。