ローマの噴水 ボルゲーゼ
リルケ
古びた まるい大理石の水盤のなかから
二つの皿が 一つは他の上に聳え
上の皿から水が静かに流れ落ちる
それを待ち受けている下の水は
静かにつぶやいている上の水に 黙って
言わば掌をまるめて杯にしたように
そっと緑の苔と暗い底に映っている青空を
未知のものであるかのように さし示す
そして静かに その美しい皿のなかで
なんの郷愁もなく 幾重にも波紋を描いて ひろがりながら
ただ、時おり夢見てでもいるように 一滴ずつ
垂れ下がっている苔を伝ってしたたり落ちる
移ろってゆくその皿の姿をそっと
下から微笑ませている最後の水鏡のうえに
(堀口大學訳)
ブロ友さんが、リルケの詩集を探したと仰ったので、私も探してみた。
好きな詩の一つで、付箋が貼ってあった。
リルケが見たであろうボルゲーゼの噴水の写真、ネットより借用。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/bd/dabf4af1c5020a6c18ae66442484edca.png)
そこで、噴水の形から思い出したのが、トリクルダウンという言葉。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/9f/abe368e589f2487638359a0abc8f09d0.jpg)
無粋ながら、経済界で使われているようで、富裕層が富めば、滴は下へ降りていくはず。
なのに、上部が内部留保でがっちりため込んでいるので、下へは降りてきていないというお話。
リルケ
古びた まるい大理石の水盤のなかから
二つの皿が 一つは他の上に聳え
上の皿から水が静かに流れ落ちる
それを待ち受けている下の水は
静かにつぶやいている上の水に 黙って
言わば掌をまるめて杯にしたように
そっと緑の苔と暗い底に映っている青空を
未知のものであるかのように さし示す
そして静かに その美しい皿のなかで
なんの郷愁もなく 幾重にも波紋を描いて ひろがりながら
ただ、時おり夢見てでもいるように 一滴ずつ
垂れ下がっている苔を伝ってしたたり落ちる
移ろってゆくその皿の姿をそっと
下から微笑ませている最後の水鏡のうえに
(堀口大學訳)
ブロ友さんが、リルケの詩集を探したと仰ったので、私も探してみた。
好きな詩の一つで、付箋が貼ってあった。
リルケが見たであろうボルゲーゼの噴水の写真、ネットより借用。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/bd/dabf4af1c5020a6c18ae66442484edca.png)
そこで、噴水の形から思い出したのが、トリクルダウンという言葉。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/9f/abe368e589f2487638359a0abc8f09d0.jpg)
無粋ながら、経済界で使われているようで、富裕層が富めば、滴は下へ降りていくはず。
なのに、上部が内部留保でがっちりため込んでいるので、下へは降りてきていないというお話。