goo blog サービス終了のお知らせ 

優緋のブログ

HN変えましたので、ブログ名も変えました。

『日韓、愛の幻想』

2007-05-10 22:03:11 | 読書
読まなければいけない、積み上げている本を尻目に、久しぶりに図書館に行って本を借りてきた。
読書意欲が衰えているので、読みたいと思う本を読んで元気を出そうというわけで…(一日で読んでしまった。爆)


呉善花著 文藝春秋社 2006年2月25日発行

著者は最初のBS2での放送時に断続的に『冬のソナタ』を見たけれども、格別興味を惹かれずに途中で見るのを止めてしまったという。
その後、BS2での再放送、地上波での再々放送と続くにつれて「冬ソナ」ファンヨン様ファンがまわりに増えていき、見ないでは話ができない状況になってやむなく全編を視聴。
しかし、「私好みの作品ではなかったし、作品としても優れたものとも思えなかったが、人気の理由にいくつかの『なるほど』と感じさせられたこともあ」ったようだ。

そこで、なぜ日本女性(特に高学歴、高教養と思われる中高年の)がヨンジュンssiに代表される韓国男性に惹かれるのかを解き明かしたのが本書といえるかもしれない。

本を読むと、確かに私達が見ている韓国ドラマ、ヨンジュンssiに対する想いは『愛の幻想』なのかもしれないと思った。
でも、それはそれでいい。
確かに現実とはかけ離れているかもしれないが、呉さんの本を読むようになったのも韓国に興味を持つようになったのも『冬ソナ』があったればこそだし、今でも『冬のソナタ』が好きなことには変わりはない。


おもしろいと思ったのは、日本人と韓国人の人生観、恋愛観の違いを「流れのままに」と「流れを泳ぎ渡る」と表現しているところ。
日本人は自然の流れを容認しようとする傾向が強いのに対して、韓国人にとっては運命は人の力で変えられるものであり、特に韓国の男達は「なせば成る」という格言をことのほか大切にしている。
「だから、好きな相手に対しては粘り強く口説く。」というのは当たり前のことであり、サンヒョクの行動もなるほどと思った。

韓国に「君を恋する」という言い方はあるけれども「君に恋する」という言い方はないという。
「君を恋する」というのは異性を能動的に求める言い方であるのに対し、「君に恋する」というのは、自分ではどうすることもできずに異性に惹かれる心の働きだからだ。


とすると、『冬のソナタ』のユジンとジュンサンの恋のあり方は優れて日本的なのではないかと思った。
ユジンはジュンサンに猛烈にアタックされたから恋したわけではない。
また、ジュンサンもミニョンもユジンの思いに関係なく自分の気持ちを押し付けたりはしない。