優緋のブログ

HN変えましたので、ブログ名も変えました。

新しい朝

2006-11-30 17:29:38 | 日々の歌
雲間から のぞく青空 透き通る
        七色の橋 山を彩る

今からは 新たな想い 空見上げ 
       その心をば 諸天も寿ぐ

ともかくも 今を大事に そうすれば
        新たな道も きっと開ける

強くなりたい

2006-11-28 21:23:52 | 日々の歌
裏切りに 心も身(からだ)も 疲れ果て
        何もしたくない 布団に包(くる)まる

悪いのは ほんとは母さん わかってる
        でも、君を責め 情けない親

疲れたら 休めば元気 でるだろか
        鬱々として 時間が過ぎる

うたた寝の 夢に出てきた その人は
         心優しき 気配りの青年(ひと)

洗い物 汚れと共に 落ち込んだ
       気持ちも洗い 流れていったか

落ちたなら 這い上がるしか ないのだと
         諦めること できはしないから

「韓国を震撼させた十一日間」

2006-11-27 09:33:17 | 読書
1979年秋、釜山と馬山で民衆が蜂起してからちょうど11日目の10月26日。独裁者・朴正煕大統領は、腹心の部下、金載圭中央情報部長に暗殺され、不動の維新体制は数発の銃弾によってあっけなく崩壊した。7年の歳月と500名をこえる関係者への取材によって、いま初めて激動の11日間から光州事件にいたる全貌が明らかにされる。韓国でベストセラー中の衝撃のノンフィクション。韓国ジャーナリズムのひとつの達成。 (Amazonの商品説明より)


「第五共和国」を見たので、名前から顔(俳優さんの)をイメージできたので、なんとか四分の一ぐらいは読みましたが、ドラマを見ていなければ“はじめに”のところで挫折していたでしょう。
細かい活字でぎっしり383ページ。
しかもたくさんの漢字の人名がふりがななしで出てくる(初出と、時々ふってはあるのだが)ので、誰が誰やらわからなくなってくる。
かなり読むのがきつかったです。(読了した方は偉い!)


「朴正煕政権の崩壊過程は、他のあらゆる組織の没落を彷彿させてくれる。政権の中心人物がまず精神的な破綻をきたしたのちに、その組織の内部秩序が崩れ始めたのであり、……組織は内側から先に亡び始めることを常とする。」

どんなに堅固に見える体制でも、内部が腐敗することによって崩れ去る。
朴正煕という人は「飢餓からの解放」を目指し、それが達成され維新体制が確立し競争相手がいなくなると目標を失い、疲れ果てた人間になってしまった。
人間が「食べて暮らすだけでなく、何のために存在するか」考える生物であることを彼は考えようとしなかったからだ。

彼は、最後には自分の気分を害するものを遠ざけ、機嫌よくさせてくれるものだけを周りにおいて寵愛するようになる。
そうなれば、側近は朴正煕の機嫌だけをとるようになり、寵愛競争に走り、国民をなおざりにし、抑圧することをなんとも思わなくなってくる。


どんな組織でも、結局は人だ。
すばらしい組織を作り上げても、そこにいる人が腐敗すれば組織は崩れてしまう。
自由と正義のために、人々のためにと奮闘した人も、自分がいったん権力の座に着き甘い汁を吸ってしまうと堕落してしまうことが多い。
保身のために自分が今度は人々を抑圧し、虐殺する側になってしまうのだ。

人間とは弱いものだ。
現状に安住しようとした時に、後退は始まる。
そうならないためにはどうしたらよいか。

自分が「何のために」これまでやってきたのか、頑張ってきたのか。
「何のために」今ここにいるのか。
それを常に忘れず、前進することを止めない、これしか方法はないのだろう。

ところがこれが難しい。
私などつい弱気になり、「もう歳だから」「これだけ頑張ったんだからもういいでしょ」と引いてしまいがちだ。

一生勉強。
常に学ぶことを忘れない。
「何のために」ということを忘れてはいけない。
今回も「反省」の一書でした。

別れの後 番外編 「サンヒョクの後悔」

2006-11-23 12:33:49 | 別れの後
第1話 「ユジンのつぶやき」 から続く


ユジン…、君はフランスへと旅立ってしまった。
僕にも仲間にも何も告げずに…。

ニューヨーク行きへのチケットを、何も言わずに受け取ってくれたのは、僕への思いやりだったんだね。
君はいつもそうして、周りの人間へ気を使ってばかりで、ばかだよ。
ジュンサンを追いかけて、彼の胸に飛び込んでしまえばいいものを。

もう、誰も君達を責めやしない。僕だって…。
いや、責めるどころか謝らなければいけないくらいなんだ。
だからこそ、チケットを渡したのに。

ユジン、僕は誰よりも君を愛していた。
愛していると思っていた。
君を守りたかった。

君と僕は、生まれた時からいつも一緒だったから、誰よりも君の事を理解しているし、君のことを分かっていると思っていた。
でも、それは思い込みだったんだ。

守りたいと思っていた君を、僕は結局苦しめるばかりだった。
君の心に僕がいないのを分かっていながら、君を縛りつけようとしてしまった。
本当に愛しているのなら、君の幸せをこそ願うべきなのに…。
ほんとうに、ごめん。

ジンスクから聞いたよ。
僕に申し訳なくて、ユジンはジュンサンのことを忘れようとばかりしていたこと。
ユジンを苦しめていたのは、死んだジュンサンではなくて僕だったんだね。
あの10年間も。

もしも…
高校2年生の冬、山荘でのキャンプの帰り道、君が僕にはっきりと「私がジュンサンのことを好きなの…」と僕に告げたとき、君の心を信じてジュンサンへの誤解をといていたら、その後の僕たちは変わったろうか…。

確かに、あの時はまだ僕達も若くてそこまで理解しあうのは無理だったかもしれない。
でも、その後、もう少し大人になったときに、君のほんとうの気持ちを分かってあげて、ジュンサンとの思い出を語り合うことができていたら、僕たちはほんとうの恋人同士になれた、と思うのは僕の思い過ごしだろうか…。


僕は結局、ユジンのほんとうの淋しさ、辛さ、父親がいないということ、家族を守っていかなければいけないということ、そのことを心からわかってはいなかった。
分かっているつもりで、だからユジンを守りたかったし僕にできるだけのことはしているつもりだったけれど、それはやはり同情でしかなく同苦ではなかった。

ユジン、君とジュンサンは、あの日、二人で自習をサボって罰掃除をするようになって以来親しくなっていったよね。
あの時、君はジュンサンが私生児で父親を探していることを知ったのかい?
きっとそうだよね。
それで、お互いが同じ苦しみを持つもの同士心を開きあったんだね。

それなに僕は君の心を分かろうとしなかった。
ジュンサンが僕への嫌がらせで君を騙していると思い込んでいた。
いや、そう思い込みたかったんだ。
二人が本気で好き合っているなんて、認めたくなかった。


もしも…
僕がもっと大きな愛情で君を包み込んで、ジュンサンがなぜ僕に嫌がらせをしたか…「ジュンサンはお父さんを知らなかったのよ。だから優しいお父さんと温かい家庭で育ったあなたが羨ましかっただけなの。私を騙したわけじゃないの。だから許してあげて。」…そう言えるようにしてあげていたら…。


もしも…
僕がジュンサンの話題を避けずに「サンヒョク、ごめん。私まだジュンサンのことを忘れられないの。ううん、忘れたくないの。私が忘れてしまったら、ジュンサンは一人で淋しい思いをしなくちゃならないわ。だから、もう少し待って、ジュンサンのことが思い出になるまで。」そう二人で笑って語り合えるようにしていたら…。

たとえ、イ・ミニョンとしてジュンサンが僕達の前に現れようとも僕たちは変わらずに婚約者でいられたかもしれない…。


…いや、もう止めよう。
いまさらそんなことを考えたところでどうしようもない…。
ユジンはフランスへ、ジュンサンはアメリカへ、二人は自分の意思で旅立ってしまったんだ。
僕にはもうどうすることもできやしない。
僕にできることは祈ることだけ…。


ジュンサン、死ぬな。僕のたった一人の兄さん…。
ユジンにはジュンサンが必要なんだ。
手術の成功を祈っているよ…。
そして、また会おう、必ず…。


ユジン、今でも愛しているよ。
でも、もう君を苦しめはしない。
君は自分の道を自分で選んで歩みだした。
僕も僕の道を歩いていくよ。

まだ、君無しでやっていく自信も、君より愛することが出来る人を見つけられるかどうかも分からないけれど、頑張ってみる。

ユジン…
元気でいて、早く幸せになってほしい、ジュンサンと…。


もしも、もしも あの日に戻れる ものならば
           君苦しめず 愛せるだろうか

今はもう 振り返らずに 前を向き
       歩き始める 君に負けずに

友として 異母兄弟(おとうと)として ただ祈る
          どうか生きて 行きぬいてくれ

苦しめた 長い月日を 許してと
       幸せ祈る 愛するがゆえ

あの日から 序章その3 「ジュンサンの言いたかったこと」

2006-11-14 15:22:24 | あの日から
「好きだった。 ありがとう、もう 会えないが
          僕は忘れない 君は忘れて」

「なぜなの」と きっと君を 泣かすから
         何も告げずに ミトン返そう

「ユジナア」と 呼ぶ声君に 届かない
          やはり君とは もう会えないか 


ユジンの家でその写真を見たとき、僕は愕然とした。
ポケットからあの写真を取り出し、その写真と比べてみる。

〈同じだ…。焼け落ちた部分は、ユジンのお父さんだったんだ。
しかも母さんはユジンのお父さんと腕を組んで微笑んでいる…。
いったいこれはどういうことなんだ…〉

僕はジャンパーを掴むと、何も告げずにユジンの家を出た。
〈キム教授に会って確かめなければ…〉

寒さで凍った道路を滑りそうになりながら僕は大学に向かって走った。
僕は怖かった。
間違いであって欲しい…。
そう願いながら、それでも確かめずにはいられなかった。


「カン・ミヒさんとユジンのお父さんは恋人同士だったんですか?」
「…、そうだな、ヒョンスが結婚すると、ミヒはすぐにこの地を去ったからな。」
「それで、教授とミヒさんとは…」
「私の片思いだったよ。…みんな昔のことだ…」
教授は遠い目をして言った。

そうじゃない。
昔のことなんかじゃないんだ。
僕にとって、僕達にとって…。


ユジン、ごめんよ。
もう君と会うことは出来ない。
僕はアメリカへ行く、君に黙って。
こんなことになるなんて…
春川になんて来るんじゃなかった…


12月31日。
僕は君との約束を破ってこの春川を去ろうとしている。
君はきっと待っていることだろう。
ごめん。でもこうするしかないんだ。

車に乗り込む。
街を抜け、車はどんどん春川から遠ざかってゆく。
その時、ジャンパーのポケットの中にあるミトンに手が触れた。

〈ユジンに今日これを返すはずだった…
このまま行ってしまって本当にいいのか…
ユジンはこれがないと手が寒いだろうに…〉

もう、理由はどうでもよかった。
気がついたときは母の制止を振り切って、無理やり車を降り、タクシーに乗っていた。

大晦日の道路は混んでいた。
街に入るとタクシーは遅々として進まない。
僕はいらいらとして、タクシーを降り街を走った。

〈ユジンごめんよ。
きっとずっとあの場所で待っているんだろう。
今行くからね。〉

〈でも、ユジンになんと言おう〉
走りながら僕は考えた。

〈本当のことなど言えやしない。
ただ、ミトンをありがとう。
母の仕事の都合で急にアメリカへ行くことになった。
もう韓国には帰らない、会うことはない、と。

ユジンのこと好きだったけれど、僕の事は忘れて。
あぁ、そうだ、サンヒョクに僕が謝っていたと伝えてもらおう。
ユジンと仲の良い、優しいお父さんがいるサンヒョクが妬ましくて嫌がらせをしたこと。
サンヒョクは本当にいい奴だ。僕もわかっていたんだ。
でも素直になれなかった。

だから、僕がいなくなったら、元どおりサンヒョクと仲直りしてほしい、と〉


あぁ、もう少しだ。
もう少しで約束の場所に着く。
もう少しだけ、ユジン待っていて。
そして僕の言うことを泣かずに信じて聞いてくれますように。

僕はあせって、大通りを横切ろうとした。
その時…

「ユジナァ…」
〈ごめん、やっぱり君にはもう会えないみたいだ…、許して…〉