6日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)のコメンテーターは、元経産官僚の古賀茂明氏だった。官邸からの圧力があったのか、「I am not Abe」など安倍政権に批判的な発言が影響し、3月末で事実上、コメンテーターを降板させられる見通しだが、6日の出演を巡っても、ひと悶着あったらしい。
5日、古賀氏が次のようなツイートをした。
<明日6日(金)報道ステーションに出演します。3月は、27日も出演します。この二回で最後です。4月以降は、篠塚報道局長が出すなと言ったので出られなくなりました。最後の二回、古舘さんにも番組でいろいろ聞いてみたいと思います>
これにテレ朝は大慌て。
「古賀氏が降板の経緯などを古舘氏に聞くのではないかと恐れ、古賀氏の出演キャンセルも検討されたそうです。ただ、ドタキャンすれば、逆にいろいろ勘ぐられる。それで、古賀氏に『変な質問はしない』という条件をつけたようです」(関係者)
それでなのか、放送では「安全保障法制」についてのニュース後に古賀氏が8分弱、ひとりしゃべり。「こういうことを言うと官邸に怒られるかもしれませんが」と前置きした上で、「日本の目指す道が『列強』だと思うなら『I am Abe』、平和大国なら『I am not Abe』と世界に発信しなければいけない」と改めて主張した。古賀氏と古舘氏の絡みはほとんどなかった。
「現場は続投を望んでいるが、局の上層部が許さない」(前出の関係者)という。テレ朝も安倍政権に“ひれ伏す”ようだ。(日刊ゲンダイ)
27日放送の報ステ。
中東情勢の解説を求められた古賀氏は、「ちょっとその話をする前に」と前置きし、「テレビ朝日の早河(洋)会長と古舘プロジェクトの会長の意向で今日が最後ということになりました」と発言。古舘は顔をこわばらせ、「ちょっと待ってください。今の話は承服できません」「古賀さんには、機会があればまた出ていただきたいと相変わらず思っている」などと反論した。
「でも古舘さん言われましたよね。自分は何も出来なかった。本当に申し訳ないと。わたしは全部録音させていただきましたので、もしそういう風に言われるんだったら全部出させていただきますけれども。」
さらに古賀氏が「素晴らしい映像を作っていた番組プロデューサーが更迭されると言うのも事実で…」と再び番組に関する話を始めたため、古舘氏が「更迭ではないと思いますよ。私は人事のことはわかりませんが…もうこれやめましょう、見ている方がよくわからなくなると思いますので」と遮った。
古賀氏はこれまで同番組にコメンテーターとして出演し、安倍政権に批判的な発言をしていた。この日の番組では「菅(義偉)官房長官をはじめ、官邸のみなさんからバッシングを受けてきた」と話した。
「安倍さんが目指してる国っていうのが、原発輸出大国、武器輸出大国、そして、ギャンブル大国。2月の施政方針演説でも列強という言葉が飛び出した。
<明治国家の礎を築いた岩倉具視は、近代化が進んだ欧米列強の姿を目の当たりにした後、このように述べています。「日本は小さい国かもしれないが、国民みんなが心を一つにして、国力を盛んにするならば、世界で活躍する国になることも決して困難ではない。」
明治の日本人に出来て、今の日本人に出来ないわけはありません。皆さん、「戦後以来の大改革」に、力強く踏み出そうではありませんか。>
列強っていう言葉を使ったんで本当に私、驚きましたけど。まあ安倍さんの側近と話をした時にあれは、完全なミスだったと、いうことをお認めになってましたけれども。」
「これはもちろん私の考え方ですけれども、多くの日本人と共通してるんじゃないかと思うんですが、原発輸出大国じゃなくて自然エネルギー大国。武器輸出大国じゃなくて平和大国。ギャンブル大国じゃなくて文化大国。そういう国を目指してほしいなあというふうに、思うんですよ。やっぱり安倍さんと我々は考え方違う。それは『I am not ABE』ということで・・・・ものすごい批判を受けました。ちょっとテレビ朝日で作っていただくのは非常に申し訳ないと思ったんで自分で作ってきました(I am not ABEの手製のフリップを出す)。」
26日には自身のTwitterで「恵村さんに続き、番組チーフプロデューサーM氏も明日で更迭。」などとツイートしていた。
また、コメントの時間があまり無いと古舘氏が促す中、古賀氏は「これを是非古舘さんにお送りしたい」と、マハトマ・ガンジーの言葉を記したフリップを取り出し「圧力や自粛に慣れてしまって、知らないうちに自分が変わってしまって、本当の大きな問題が起きているのに気が付かないということにになってしまうんですよ。」と訴えた。
ガンジ-の名言{「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」
先日、国会中継で民主党細野豪志が安倍の報道機関への圧力について質問していた時、安倍は「私の言葉を圧力と感じる方がだらしない」と答弁した。露骨な圧力をかけているくせに、こんなことを言う安倍も厚かましいが、報道機関が圧力で自粛して、大事なことを報道しないのは確かにだらしがない。
それにしてもガンジーの名言は真実を突いている。繰り返し、軍事大国への道を聞かされているうちに、何も感じなくなっていく国民がいる。経済政策や成長戦略のための規制改革や農協改革はどんどん尻すぼみになっていく中、軍事大国への道だけはしっかりと進んでいる。自衛隊の後方支援、海外派遣は視野に入り、そのうち、憲法改正しなくても海外派兵する珍政策を口走る日も近いのではないか?
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