オータムリーフの部屋

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トランプの異常なメディア攻撃

2018-11-04 | 政治
史上最悪のアメリカ大統領トランプ。開発途上国なら、影響も少なく見過ごすこともできようが、アメリカ大統領ともなれば、影響が大きすぎて鳥肌が立つ。しかも安倍首相は彼と親友だというのだ。
2年前、早くも日刊ゲンダイがその危惧をぶち上げていた。
 
 ホワイトハウスでの首脳会談をわずか40分間で終え、フロリダに飛んでゴルフを堪能した安倍首相と米国のトランプ大統領。2つのクラブをハシゴし、27ホールも回った。会談の“成果”は何もなく、親密ぶりを世界に向けてアピールしただけだったが、日本のメディアは「百点満点」と大絶賛だ。 自民党内から聞こえてくるのも、「極めてうまくいった」(高村副総裁)、「歴史的快挙」(下村幹事長代行)、「最高の成果」(茂木政調会長)などと浮かれた声ばかり。大統領の専用機に乗せてもらい、一緒にラウンドしてもらったことがそんなにうれしいのか。属国根性丸出しではないか。
 米国では、ギャラップ社による最新世論調査の結果が大きく報じられた。
「トランプ大統領は世界の首脳から尊敬されていると思うか」という質問に対し、「尊敬されていると思う」は29%で、「尊敬されていると思わない」が67%に上った。
 
「主要国の首脳が距離を置く中で、無条件に追従してくれる日本の首相は、トランプ大統領にとって貴重な存在です。就任前に馳せ参じて高級ゴルフクラブをプレゼントし、ちょっと脅せば米国のための雇用策まで考えてくれる。トランプ大統領に取り入るためなら、日本国民の虎の子である年金資金まで差し出しかねない勢いです。首脳会談で、貿易摩擦や為替操作についての苦言がなかったことで、日本側は『無理難題を吹っかけられずに済んだ』と胸を撫で下ろしているのでしょうが、それを“成功”と言うのは間違っている。米国に見捨てられては困ると、すがりついただけでしょう。それなのに、共同会見で、トランプ大統領は『米国と中国の良好な関係がアジア太平洋地域のすべての国々にとって良い結果となる』と明言した。安倍首相が妄執する中国包囲網がくじかれたのです。これまで中国封じ込めのためにアジアやアフリカ諸国にカネをバラまいてきたのに、水泡に帰してしまった。対中国政策でトランプ大統領を味方につけることに失敗したということです」(政治評論家・本澤二郎氏)
 
「私は朝日新聞に勝った」「俺も勝った!」と意気投合
朝日新聞では、アメリカ総局長がこう書いていた。
〈トランプ氏の自己愛・ナルシシズムの度合いが極端に強いことは、選挙戦の序盤から伝えられてきた。ささいなことでも批判されると、相手をツイートなどで攻撃するなど、非常に衝動的〉
〈米国の心理学者ジョン・ガートナー氏は、トランプ氏の行動を分析し、「加虐性、偏執性なども含まれる悪性ナルシシズムを持つ初の米国大統領で、極めて危険だ」と警鐘を鳴らす〉
〈共同記者会見で、用意された原稿を棒読みに近い形で読み上げたトランプ氏と、奔放で乱暴な言動を繰り返すトランプ氏。その二面性は気になる〉
 
 原稿棒読みだけではない。共同会見で、日米同盟の強化で同意したと誇示する安倍の冒頭発言を聞きながら、トランプは時折もっともらしい表情でうなずいたり、笑みを浮かべたりしていたが、同時通訳用のイヤホンをしていなかった。記者との質疑応答になってイヤホンを装着したが、米メディアには、「大統領はいつから日本語を理解できるようになったのか」と皮肉られていた。
 元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。
「トランプ大統領がイヤホンを着けることも忘れていたのは、忠実なポチの安倍首相が自分を怒らせるようなことを言うはずがないと安心しきっていることの表れです。日本側が切望した尖閣諸島への米国の防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用に関しては、安倍首相が『確認した』と会見で言及しましたが、トランプ大統領にとっては、どうでもいい話でしょう。歴代米政権の見解を踏襲しただけで、何も進展はなく、日本のメディアが大成功だと持ち上げるほどのことではない。それよりも、なぜ、トランプ大統領が安倍首相をここまで歓待したのか。2人が互いにシンパシーを感じているとすれば、その理由がどこにあるのかを考えるべきです」
 
産経新聞に看過できない記事が載っていた。トランプタワーでの初会談で、軽くゴルフ談議をした後、安倍はこう切り出した。
「実はあなたと私には共通点がある」
 怪訝な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。
「あなたはニューヨーク・タイムズ(NYT)に徹底的にたたかれた。私もNYTと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った……」
 これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。「俺も勝った!」
 
 これが本当なら、異常な事態だ。仮にも民主主義を標榜する国のトップ同士が、自身に批判的なメディアを敵視し、懲らしめたことを自慢し合い、「勝った」「勝った」と浮かれている。まるで幼児だ。
 
 幼児性と加虐性、敵と見なしたら絶対に許さない偏執性。異なる文化や意見を認めない排他性と、自分は正しいというナルシシズム。気味の悪いほど2人は似ている。
 
トランプの異常なほどのメディアに対する敵視は今もエスカレ-トし続けている。
メディアには権力を監視するという役割が求められるため、もともと権力者との間には緊張関係があるのが普通だ。歴代政権はメディアのそうした役割を理解し、時にはメディアの力を利用することで政権の実績アピールに努めてきた。トランプ政権のように徹底したメディア批判を繰り広げ、政権発足後もそうした姿勢をエスカレートさせる政権は、米国政治において例がない。
 
 ツイッターのフォロワーが2600万人を数え、トランプ氏自身が巨大なメディア並みの影響力を持っている。そこに政権とロシアの不透明な関係が影を落とし、真相を追及しようとするメディアとの間で対立が生まれている。メディアを介さず自ら支持者にメッセージを発信するというトランプ氏の姿勢は、大統領に就任する前から顕著だった。歴代大統領は当選から数日後に記者会見を行うのが慣例だったが、トランプ氏の場合、メディアとの会見の場に初めて姿を見せたのは、選挙から2か月以上がたった後。就任9日前のことだった。
 この間、政権人事や目玉となる政策についてはツイッターで次々と発表している。トランプ大統領はツイッターの約2600万人のほか、フェイスブックに約2100万人と、合計4700万人のフォロワーがいる。メディアを介さず自らの考えを直接かつ瞬時に発信できるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)という「武器」を手にしているのだ。たとえメディアと対立しても、自分の「武器」をうまく使って反撃すればいいのである。
 
 次期大統領当選後初の記者会見で焦点となったのがロシア問題だった。会見直前に、英国の情報機関「MI6」の元職員が作成したトランプ陣営とロシアとの関係に焦点を当てた35ページに及ぶ調査報告書のコピーをオンラインメディア「BuzzFeed」が掲載し、CNNなども大々的に報じていた。ロシアとの関係を問いただす質問が相次ぐ中、トランプ氏はCNNの記者からの質問を一切受け付けなかったばかりか、「偽ニュースを報道するメディア」とCNNを再三非難した。メディアが示す「事実」を「フェイク」として封印するトランプ政権の戦略だ。
 
トランプの支援者の集会に潜入する大手メディアの記者はボディガ-ドを雇うという。それでも、支援者に取り囲まれて非難される記者の表情に恐怖が浮かんでいた。
何の具体的な政策も示さず、強いアメリカを取り戻すと気炎を吐き、唯一の政策はメディア批判と言論の自由の圧殺、トランプは世界を地獄に導こうとしているように見える。
時代を逆行させることなどできないのだ。ゾンビ企業をよみがえらせることなどできないのだ。政治家のできることは滅びゆく産業の痛みをいかに緩和するか、新しい産業へのシフトをいかに円滑に進めるか、その手立てを提供することだけだと思う。資本主義でも社会主義でもない高度な福祉を提供する産業国家----未来を託すべき政治家の劣化が止まらない。

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