ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 人魚の眠る家 」  東野 圭吾

2016-05-04 00:57:43 | 
  「 人魚の眠る家 」   東野 圭吾

       

東野圭吾さんのデビュー30周年記念作品です。
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娘の小学校入試が終われば離婚することになっていた播磨和昌と薫子夫婦の長女がプールでの事故で脳死状態に陥ります。 
医者からは臓器提供を打診され、一度は了承しますが、弟・生人の最後の呼びかけで、娘・瑞穂の手が反応したしたように感じた2人は断ります。
2人は瑞穂の看護のため離婚を思いとどまり、医者からは脳死から数日、数か月で心臓が止まると言われていたのを、
自発呼吸をさせるための最新の手術をし、筋肉を動かすための装置を付け、あらゆる手段を使って瑞穂を眠った状態のままで数年介護し続けます。
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果たして、脳死状態の人が意識を取り戻した例はないと言われているのに瑞穂は回復するのか、どうなっていくのか、また読みふけりました。
たまたま、播磨家は介護機械の研究をしている会社で財力もあり、協力してくれる研究者も得て、数年介護出来ましたが、普通の家庭ではとても無理だったでしょう。
周りの人々の人生をも変える薫子さんの執念には狂気さえ感じました。 両親や妹親子、特に生人君には同情しました。
本の最後が穏やかに終わっているので少しホッとしました。
 
脳死判定や臓器移植は新聞や本で見知っていましたが、身近に深く考えたことはありませんでした。
自分の子供が脳死判定されれば、心臓が動いていて体温がある体の脳が死んでいるのを受け入れられるか考えましたが判断が付きません。
まして、臓器移植を考えられるかどうか。 反対に、もし我が子が心臓移植しか方法がなければドナーを待ち望むでしょうか? とても難しい問題です。
ドナー登録されている方の感想も読みましたが、この本を読んで、脳死や脳死判定のこと、臓器移植や、救う会のボランティア活動の詳しいことがわかり勉強になりました。

本を読み終わって、今日の新聞を読んでいると、「 明石の美遥ちゃん、国内で移植手術 」の記事が目に入りました。
突発性拡張型心筋症で渡航費用2億4千万円の募金活動をしていましたが、2日に国内で提供者が見つかり手術を終えましたと書いています。
美遥ちゃんは本当に良かったですが、提供されたドナーのご家族のことを思うとご冥福をお祈りすることしかできません。
ここ最近読んだ本が、自殺、いじめ、事故死など人の死についての本ばかりになって、いろいろ考えさせられました。



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