ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 風の中のマリア 」 百田 尚樹

2021-02-21 19:20:54 | 
           「 風の中のマリア 」  百田 尚樹

               

息子に貰った本です。オオスズメバチのマリアの一生を描いています。
~~~~~ネタバレあり
オオスズメバチの帝国は、選ばれし女王バチが雄バチと交尾して最初に巣を作ります。
「 偉大なる母 」が生む卵から、順次、雌バチが誕生して、ワーカー( 働きバチ )となり、次々生まれる妹たちを育てます。
ワーカーの仕事は狩り・巣作り・巣の清掃・女王バチの世話・巣の見張りなど。
マリアは勇敢な戦士。 彼女の視点で一生を擬人法で描いています。

命はたったの30日。 
蝉は地中に7~8年いて地上に出て1週間で死んでいく。カゲロウも数年後に地上に出て数時間の儚い命。 
他の昆虫もシーズンが過ぎると卵を産み落とし、死んでいく。犬猫は人間の4倍で年老いていく。
人間だって80年は永いようでも宇宙的に見れば一瞬。 長いか短いかは人間の感覚では計り知れない。

マリアの姉妹たちは、巣から飛び立って最初の1週間で1/3。 2週間で1/2。 3週間で生き延びるのは1割もいない。30日生き伸びるのはわずか。
それでも、帝国の為、母と妹たちの為、命をかけ必死で働く。 なんと健気な。胸に迫る。

オオスズメバチは巣が大きくて、刺されると怖いという程度の知識しかありませんでしたが、マリアの姉妹になった気持ちで夢中で読みました。
狩りの場面では、他の昆虫が「 殺さないで! 」「 助けて! 」と懇願するも、自分たちの生存のため、弱肉強食で容赦なくかみ殺す。
二ホンミツバチ、セイヨウミツバチ、キイロスズメバチとの死闘はお互い必死の戦いで壮絶でした。
戦いに負けたら、巣を乗っ取られ、女王バチは殺され幼虫と蛹は肉団子にされ勝利した蜂の妹たちの餌になります。

二ホンミツバチの蜂球は以前テレビ番組で見て知っていましたが、盗蜂は初めて知りました。
虫嫌いの人には読めないだろうな。 どの虫にも、一生の物語があります。 虫好きの私は、どの虫たちも愛おしい。
病原菌やウイルスは絶えて欲しいけれど、その他の生き物は永遠に命を育んでほしいです。


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