ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 蛇行する月 」   桜木 紫乃 

2016-08-17 11:57:26 | 
      「 蛇行する月 」  桜木 紫乃

       

「 1984 清美 」「 1990 桃子」 「 1993 弥生 」「 2000 美菜恵 」 「 2005 静江」 「 2009 直子 」

清美・桃子・美菜恵・直子・順子の5人は、道立湿原高校の同級生で、図書部員でした。
高校を卒業してからの5人の生活を年代を追って書いています。 福吉弥生は順子の勤め先の老舗菓子屋「 幸福堂 」の女主人です。
順子は自分より20歳以上年上の、弥生の婿養子の夫との間に子供ができ駆け落ちします。 静江は順子の母親の話です。
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戸田清美は、割烹ホテルかぐらで営業社員をしていたが、昼間は制服で、夜は酔い客に触られながらお酌をする毎日。
おしりを撫でられる毎日にうんざりして仕事を辞め、職安で見つけた「 北海中央電力株式会社 」に再就職。
恋人の田島は手紙で仕事の愚痴ばかり、会えばホテルに直行、清美の再就職が決まると俺よりいいところに就職したと嫉妬する。
そんな恋人とも別れ、心機一転で一歩一歩前進。

藤原桃子はカーフェリー「 シーラブ号 」の乗務員。 1年の3分の2は海の上。 乗船中は、妻子ある38歳の北村直樹と不倫している。
思い立ち、東京の順子に会いにいくと、順子は小さな男の子を連れ会いに来てくれ、駆け落ちしたお父ちゃんとやっている「 ラーメン屋に案内してくれた。

福吉弥生は、夫が駆け落ちした後、無我夢中で店を守っている。 百貨店の地下に店を移すことになり準備中。
そんな時、順子を紹介した父の古い友人から手紙が来て順子と夫の居場所を知らせて来た。 弥生はけじめをつけるため2人に会いに行く。

小川美菜恵は高校時代に淡い恋心を抱いていた国語教師に、時を経て同じ高校の教員として再会する。
交際を始め結婚が決まった。高校時代、順子が谷川のことが好きだったことがあり悩むが、谷川は温かく支えてくれた。

須賀静江は「 スーパーしんとみ 」で働く順子の母親。 60歳になろうとしている今、レジから辛い惣菜部に回された。
静江は若い頃から男が次々と変わり、子供の順子が駆け落ちしてから会っていなかったが、ふと会いたくなり東京に会いに行く。

角田直子は北海道で看護師長をしている。
可愛がっている後輩の村下美野里から沖縄の病院に一緒に行かないかと誘われるが、一人身で給料や今後の生活の事を考え思案中。
病気だと連絡があった東京の順子に会いに行ったが、順子は看護師の直子から見ても死期が迫っている。
それでも、順子は人生を後悔することなく、お父ちゃんも元気で息子が大学生になり、小さいころから眼の病気をしている息子に角膜を移植出来るのが幸せだと言う。
直子は自身の身の振り方を決心する。
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40代になった高校の同級生達のその後を順子を間に年代別に追っています。
それぞれ結婚したり、仕事に頑張っていますが、幸せとは何かと問いかけています。
順子は子供ができ20歳以上も年上の男と駆け落ちして籍は入れられず、お父ちゃんと息子の輝とラーメン屋で貧しい生活をしています。
それでも、友人が訪ねてくるたびに、いつも幸せだと言います。
衣食住満たされていても、心にぽっかり穴の開いている人もいるし、幸せとは各人が感じるものであり、これが幸せとは答えがないものなのですね。
私は、、、まずまず幸せかな 


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