ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 重力ピエロ 」   伊坂 幸太郎

2017-05-19 23:12:17 | 
    「 重力ピエロ 」  伊坂 幸太郎

      

「 春が二階から落ちてきた 」の一行から始まり、興味を誘い、読み終わりに「 春は二階から落ちてきた 」で締めくくられています。
面白い作品でした。 観ていませんが映画にもなっています。
~~~~~~
兄の泉水と2歳違いの弟の春。 高校生の春と大学生の泉水の回想から始まっている。
仲のいい夫婦と親子の間には過去に辛い出来事があった。

現在、泉水は「 ジーンコーポレーション 」という遺伝子情報を扱う企業に勤めている。
春は落書きされたグラフィティアートを消す仕事をしている。 父親はがんで入院中。 母はすでに亡くなっている。

仙台の町に連続放火事件が発生する。 そばにはグラフィックアートが書かれていた。 兄は犯人を捜すため謎解きを始める。
兄がたどり着いた真実は?
~~~~~~ネタバレ
弟・春の出生の秘密は、母親の梨江子が未成年の連続レイプ魔にレイプされ出来た子だと分かりました。
しかし、子供に罪はないと産む決心をします。母は強いなと感心しました。 私にはとても真似ができません。
父親は立派でした。 それを受け入れ、兄と分け隔てなく我が子として育てます。 
兄も弟を可愛がります。 素晴らしい家族愛。

血すなわち、遺伝子が大事なのか一緒に生活することが大事なのか問うています。
ただし、私は父親が承知しているのが必須だと思います。
この頃は妻が違う男性の子供を産んで、夫の子として育てている場合が何割かあるそうで、親子鑑定も増えているとか。妻自身もどちらの子か分からないのかも。
子供に罪はないし、今さら知ってもどうしようもなく、また、知らぬが仏ですが、同じ女性としては、いただけませんね。

春の父親の葛城は出所後も反省することなく、売春の斡旋を仕事にしています。
先日、テレビで、刑務所を出てきた青年が真面目に生きようとするのに社会に受け入れてもらえず悩むドラマを観て、
更生できればいいなと思う反面、殺人を犯した人が近くにいたら普通に受け入れられるか考えました。
また、実際に葛城のように根っからの悪人がいて、反省するどころかまた同じような罪を犯す奴がいることも確かで、怒りを感じます。
犬や猫を殺生する奴はろくな人間にならないし、いずれ殺人を犯すでしょう。

父親が春に「 お前は俺に似て、嘘が下手だ 」と言うセリフが心に響きました。
染色体であるとか、遺伝子であるとか、血の繋がりであるとか、軽々と超えていったと、泉水も感心していました。

今回も脇役として私の好きなキャラクターの、探偵で元泥棒の黒沢さんが登場しています。
伊坂さんの作品は面白くて楽しみです。
 


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     ありがとうございます。
コメント
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