「蹴りたい背中」 綿矢 りさ
2004年、芥川賞を史上最年少の19歳で受賞。
高校一年生の長谷川初実と中学の友人絹代、
ふとした事で話すことになったクラスメートの少年、にな川の三人。
絹代は、高校生になってグループで友達と付き合っているが、
長谷川とにな川はクラスで浮いている。
「余り者」 理科実験の班づくりであぶれ、お弁当も一人、陸上部でも
話し相手すらいない。 にな川はモデルのオリチャンに夢中。
クラスの余り者同士の奇妙な関係。
一緒にいても、いつも背中を向けているにな川。
青春小説だが、恋愛や、友情、スポーツなどでなく
インストール同様、彼女の書く小説の主人公は、
ちょっと孤立して陰りがある。