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DAZN観戦 2024年J2リーグ第33節 ヴァンフォーレ甲府vsモンテディオ山形

2024-09-30 16:00:17 | サッカー視聴記(J2)

※前回の甲府の記事はこちら(29節・鹿児島戦、1-0)
※前回の山形の記事はこちら(28節・藤枝戦、1-0)

<甲府スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 水曜に、ルヴァン杯勝ち残りのため順延となった30節(熊本戦、2-4)が挟まる。そこから中2日のため、スタメンはGK以外全員入れ替えに。
  • 林田が累積警告により出場停止。

<山形スタメン>

前の試合から、スタメン全員入れ替え(GK以外)vsスタメン変更無しというコンセプトマッチ。
といっても日程の違いが招いたもので、完全ターンオーバーという形になった甲府。

その甲府の水曜の試合は、前半だけで4失点する手酷い敗戦となってしまい。
相手が変幻自在の攻撃を繰り広げる熊本で、根底の部分が丸ごとひっくり返された格好でしょうか。
フォーメーションも4バックへ変更と、あらゆる所を変える事で修正を図りに来た感があり。

入りのボール争いを制した山形が、前半1分にはや(川井が右から)ロングスローを投げ入れる体制に持ち込み。
激しい昇格争いの真っ只中であり、「どんな手を使ってでも……」という思惑が表れたかと思いきや、その後は持ち味のパスワークの本領を発揮。
ハイプレスに出たいもののウタカの1トップ故にままならない甲府ディフェンスに対し、サイドチェンジの多様で揺さぶりに掛かる、相手の出方を見ての崩しはこの日も健在でした。

甲府が唯一勝利のチャンスを見出すとすれば、この山形の出方を窺う時間だったでしょうか。
5分、最初の好機が途切れたのちに山形のクリアボールを荒木が直接スルーパス、アダイウトンが左ポケット奥でそれを受けて継続しに掛かり。
ここはフィニッシュに繋がらずも、相手の陣形が整う前にゴールを狙いたい思惑はその後も表れ。
7分に木村縦パス→ウタカで間を通して素早く運んだ末に、中央ペナルティアーク付近から木村がミドルシュート。
ブロックされるも左で拾ったアダイウトンがカットインを経てさらにミドルシュート(枠外)と、中距離からの主砲に繋げる攻撃を繰り広げ。

しかし徐々に山形の攻撃に晒されていくと、好機に持ち込む事すら難しくなり。
小西が最終ライン左に降りる事で甲府の前線の守備を無効化する形を貫く、この日の山形のビルドアップ。
それにより、しっかり構えるというよりはプレスに出れずに構えさせられている絵図が強く。
14分に最終ラインでの保持を経て右から高江が一気にロングパス、裏を取って受けたディサロが中央からエリア内を突くも、ヘナトのカバーで何とか撃たせず。
自身で道筋を作れずに、山形のサッカーを軌道に乗らせてしまった立ち上がり。
得点は出来ずとも、攻勢の流れをしっかりと築ければその後の展開も違った可能性は大きかったでしょうが……。

19分の山形、甲府の攻撃を切ったのち速攻に入るも、実らずクリアされたボールを確保すると遅攻に切り替え。
降りるディサロのポストワークを挟みながら人数を掛けて細かく繋ぎ、山田の前進が阻まれた所を高江がこぼれ球をミドルシュート(ブロック)と、判断も精度も良好の流れとなってきた山形の攻め。
迎えた21分、GK後藤雅から地上でのパスワーク、ハイプレスに出て来た甲府を冷静に右サイド→中央→左への繋ぎでいなし。
そして山田縦パス→土居ポストプレイ→國分スルーパスで一気に左ポケットを突くと、走り込んだディサロのシュートで、綺麗にGK渋谷の股を抜きゴールに流し込みます。
構築した攻めの流れを、見事に先制点という結果に繋げました。

その後もこの流れを保たんとする山形、27分に再びGK後藤雅からの組み立てで、安部縦パス→ディサロフリックで前線へ運び。
そしてドリブルに入った土居がミドルシュート(孫がブロック)と、前に出て来る甲府サイドの裏を取っての攻めは脅威となり得。

一方の甲府、敵陣でアダイウトンやウタカがボール奪取する場面を作るものの、前線の守備はそうした彼らが機能すれば……という気まぐれの面が強く。
期せずして、ピッチサイドの大塚真司監督の檄も強まりを見せ、時にはテクニカルエリアを越えてピッチ内に足を踏み入れる場面(誰も気づかず)も生まれます。
ただし聞き取れるその内容は、ウタカに対してもっと走る事を求めたりと、精神論に偏りがちなものが目立ちましたが……

それでもビハインド故の必然性か、ボール保持の時間が多くなった甲府。
その中で崩しを図らなければならないなかで、31分に山形のプレゼントボールに対し、受けたGK渋谷は直接裏へロングフィード。
一気に左サイド奥を突くボールとなり、走り込んで確保した三平から攻撃を展開(パスワークの末に戻して作り直し)と、やや狡猾な姿勢での好機で流れを変えに掛かったでしょうか。
38分の左スローインでは、佐藤和が受けにいく前に高江が倒されるという絵図になるも笛は鳴らず、そのまま佐藤和がカットインからミドルシュートを放つもゴール右へと外れ。

その間に山形は35分に決定機を迎え、土居のスルーパスでまたも完全に抜け出したディサロ、今度はGKと一対一の局面に。
しかし右にかわさんとした所をGK渋谷が足で阻み、モノに出来ず。
これを最後に、甲府のボール保持の姿勢もあり山形は攻撃機会を得る事が出来なくなります。

甲府は42分、ここもヘナトの反則気味のボール奪取から前進し、中央バイタルを突いたアダイウトンがボールキープしながらそのままエリア内へ進入。
そして右へ横パス→三平クロス→ウタカヘディングシュートがゴールマウスを捉えるも、西村のブロックに跳ね返され。
尚も右ポケットで持った三平のクロスが、ブロックに当たりゴールに向かう(左へ逸れてコーナーに)という分厚い攻めを繰り出し。
この流れのうちに決めきりたい甲府は45分、木村縦パス→三平ポストプレイを経て、三沢がドリブルで再び中央バイタルを取ってミドルシュート。
GK後藤雅のセーブに阻まれるも、判断良く詰めたウタカが右ポケットでボール確保し、戻しを受けた飯田がシュート。
山形の戻りのために狭い所と化しながらも、そのニアサイドをぶち抜いてゴールに突き刺します。
良い時間帯でしっかり決めきり、同点とした甲府。

+4分と長くなったアディショナルタイムですが、選手の交錯で痛むシーンが長くなる消化不良の時間と化し。
1-1のまま前半終了となり、勝負の後半戦へ。

万全なはずの流れを堰き止められ、スコアも追い付かれた山形。
そのため後半も、前半の立ち上がり同様自分達の流れを構築する時間となります。
そのために最終ラインで繋ぐ山形に対し、甲府サイドも前線から規制を掛ける体制に。
ウタカが高江を切りながら構えるのを軸とし、他のメンバーでプレッシャーにいく姿勢を主とし、山形にペースを握らせない時間を保たんとします。

何度か山形がサイド奥からのクロスに辿り着くも、基本はこの両者のぶつかり合いによる睨み合いとなった後半立ち上がり。
当然フィニッシュも生まれずに時間が進み、その均衡を破るのはどちらかという展開に。

11分の甲府、ゴールキックからのロングフィード→ターゲットの三平を越えてアダイウトンという流れで確保すると、すかさず入れられたアーリークロスにウタカが走り込み。
跳ね返されるも尚も左サイドで繋ぎ、一旦遮断されるも奪い返した佐藤のクロスが直接ゴールに向かうボールに。
GK後藤雅がセーブと、際どいフィニッシュを生み出しましたが、やや偶発性に頼ったものであり流れを得るには至りません。

その後も一進一退の攻防で、その流れに乗るかのように交代策も両者同時となり。
18分で甲府はウタカ→マクーラへ交代、山形は土居・國分→高橋・坂本亘へと2枚替え。
どちらも采配で局面を動かしに掛かったのは明白でしたが、結果甲府は以降尻すぼみとなってしまいます。
結果論ですが、大ベテラン・ウタカの前半の動かなさ故に、ある程度時間が経ったら交代すると決めていたかのような采配に映った大塚監督。
しかし後半のウタカは動く機会は少ないながらも、その守備姿勢(他選手がウタカを巧く守備に組み込んでいたともいう)は山形のペースを巧く乱していた風でもあったので、正直この交代は疑問符が付くものでした。
スタミナに不安な選手にありがちな「行ける所まで行く」というタイプでは無いウタカ故に、90分近くまで任せても良かったと思います。

そのウタカに代わって投入されたマクーラは、直後の19分こそ荒木の左からのクロスをニアで合わせる(眼前でブロックされCKに)という場面を作りますが、以降活躍機会は殆ど無く。
前線の守備は迷いが目立ち、山形のボール保持を遮断できる機会は大きく萎み。
攻撃では中央に張る時間が長くなるもボールに触れる機会が訪れず、リズムに乗れないなかでのポストワークも精度を欠くという悪循環に陥ります。

よって必然的に山形の攻撃機会が膨らむ展開に。
プレッシングに迷うようになった甲府の裏を突くように、一転アーリークロスが多めとなるも、その跳ね返りを拾う事で深さを取って押し込み。
守勢を強いられる甲府は、27分に敵陣で三平がボール奪取するも、すかさずのロングシュートを選択。
フィニッシュ自体はゴール上を襲い、外れるも際どいものでしたが、苦し紛れの一手の感は拭えません。

そして甲府が苦境を打破せんと次の交代を用意する最中、山形はポゼッションを続けた末に迎えた31分。
GK後藤雅への戻しからのフィードを、左サイドで降りて受けたディサロから攻めを展開。
敵陣でサイドを移しながら繋いでいき、左からの崩しを選択すると、ディサロの前進からのアーリークロスがファーサイド奥へ。
走り込んだイサカが足で折り返すと、高橋がディフェンスと縺れながらもレイオフした所に、詰めてシュートしたのは山田。
ディサロの尚も後方から一気に走り込んで来た存在に甲府サイドも成す術無く、ゴールネットが揺れて勝ち越し点が齎されました。

善戦空しくリードを許した格好の甲府、キックオフ前にヘナト・三平→井上樹・鳥海へと2枚替え。
その後も山形の攻撃に晒されるなか、何とか同点を目指す状況へ突入します。

33分、左サイドで縦パスを受けたマクーラのポストワークを経て、アダイウトンがドリブルに持ち込みカットインからミドルシュート。(GK後藤雅キャッチ)
劣勢ななか助っ人の一撃に賭ける、というこの流れも、35分にアダイウトンが退いた(村上と交代、同時に佐藤和→中山へと交代)事で途切れ。

何とか敵陣に持ち込んで攻撃を展開させるも、何処かで無理をしなければ崩せない状況で、(ウタカ・アダイウトンが退いた事で)その無理が出来る人材に欠ければ得点の機運は高まらず。
40分アタッキングサードでの繋ぎから、最後方中央から孫がパス&ゴーでエリア内に入り込みその役目を果たさんとし。
そして荒木のクロスをニアサイドで合わせるという、流れの中でセンターバックのフィニッシュと変わり種を齎した孫でしたが、枠には飛ばず実りません。

一方前半とは違い、相手が好循環を得れずにいる中でのリードと余裕が生まれた山形。
冷静に甲府の攻撃に対処し、マイボールの際は保持の姿勢を強める逃げきりも視野に入れた立ち回り。
44分に高江が足を攣らせてしまうも、すかさず最後のカードを切り(山田・高江→坂本稀・南)盤石の体制を築きます。

AT突入後もそれは変わらず、右サイド奥でサッカーを展開する山形、相手の時間を着実に奪っていき。
甲府にとっては、徐々に胸が締め付けられるというような感覚だったでしょうか。
何とかゴールキックによるマイボールになると、山形サイドが判定に異議を示した事で隙が生まれ。
ロングフィードを収めた鳥海から右サイドを前進、スルーパスに走り込んだ飯田から上がったクロス。
最後の好機といったこの絵図、ファーサイドで村上が折り返し中央にマクーラ……という絶好の流れを築きましたが、マクーラは反応できずボールは無情にもバウンド。
そしてGK後藤雅が抑えた事で潰え、最後まで試合に乗れないマクーラ、といった絵図を示してしまいました。

試合はそのまま1-2で終了。
波に乗れない甲府を振りきる形で、昇格戦線への歩みを続ける山形。
毎年恒例となってきたそのシチュエーションですが、まずは3年連続となるプレーオフ出場の立場を固めたい所でしょう。

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