イギリス生活 写真でつづる英国

イギリスでの生活を写真を交えながら
2年間お付き合いありがとうございました。一旦ブログを閉じさせていただきます。

③河港都市グリニッジ その3 「経度への挑戦」 John Harrison

2006-04-15 05:05:06 | 世界遺産プロジェクト
イギリスにジョン・ハリソンという腕のいい時計職人がいた。彼は正確に時を告げる機械作りに初めて科学的な立場から取り組み、経度測定というテーマに生涯の情熱をささげた先駆者だ。ニュートンが不可能だと思っていたことを、ハリソンはやりとげた。燃え尽きることのない炎のように、世界のどこでも母港の時刻を正確に刻みつづける時計を発明したのである。

(中略)

国王ジョージ三世の庇護のもと、ハリソンがようやく金銭的な見返りを主張したのは1773年のことだった。四〇年以上の歳月の間に、政治的な陰謀や戦争、学会からの中傷、科学の進歩、経済の大変動を経験したハリソンは、既に年老いて、つかれ切っていた。

「経度への挑戦」デーヴァ・ソベル P16




グリニッジにちなんでジョン・ハリソンの物語 「経度への挑戦 (Longitude)」 を読みましたが、内容はちょっと技術的なものも多くて自分の理解度は低いんですが、ストーリーは面白い。

イギリスのグリニッジが世界標準時になったのは、ジョン・ハリソンという時計職人が作った正確な時計の功績が大きかったようです。

とにかくこのおじさんは 「しつこい!」 のです。ものすごい執念で正確な時計を生み出します。

1714に発令された「経度法」は、経度誤差が0.5度以内の精度で経度を決定する方法にたいして2万ポンドの賞金を支払うことになっていたそうです。ジョン・ハリソンはこの2万ポンドを目指してがんばったのですが、賞金だけのためにこんなにしつこくやれるものなのでしょうか?

ちなみに0.5度とは、地球が1日に1回自転するので、360度で24時間、15度で1時間。1度4分、0.5度は時間にして2分、つまり120秒。

テスト航海が6週間くらいだったので120秒を42日で割ると1日約3秒のズレしか許容できない計算です。なにせクォーツなんてまだ発明されていない時代ですし、一日に15分遅れる時計もざらだったそうですから、本当に画期的だったんですね。

考えてみると「経度(Longitude)」と「緯度(Latitude)」は左右、上下と同じです。上下というのは明確な基準があり絶対的なもの。緯度は北極と南極という絶対的なものだけれど、左右はあくまでも相対的なものでしかない。ここに基準をつくったというのはすごいことですね。

これがひいては現代のカーナビについているGPSの基本的なものとなっているのも面白いことです。



(トップの写真)

グリニッジ天文台についたのは丁度12時。

12時00分00秒写真を撮ろうとしたら同じようなことを考えていた日本人ビジネスマンが・・・。

さて、イースターの休みは3つほど世界遺産巡りを予定しています。いったん決めると休みにどこに行こうか悩まなくていいですね。

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4 コメント

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不思議です (yuta)
2006-04-15 22:19:17
ASIS2005さん,うまくことばにならないのですが,不思議な写真ですよねぇ~。たとえば、100年後ぐらいに,21世紀回顧展なんていうイベントにこの写真を発見したら,12時を写そうとしている被写体の人と,それを含めて映し出しているASISさんが,みている人には,ますます融合してしまうのかなぁ,とか。おんなじことを考えたり思ったりしている他者が,未来の人には,限りなく他者ではない存在に映りそうだというかなんというか。うまくいえなくてすみません。でも,何かふしぎだなーと。
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◆Yutaさん (ASIS2005)
2006-04-18 06:03:23
自分がうまく理解できているのかわからないですが、両側に鏡があって自分を映し出すと無限に自分が移っているようなイメージでしょうか?(これは自分自身なので時間のズレはありませんが、これに時間軸を加えたようなもの?)



自分でもわからなくなってきました。



実は写真に写っている彼自身も過去の自分なのですよ・・・・。
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両側の鏡 (yuta)
2006-04-19 19:09:24
ASIS2005さん,両側の鏡のイメージ,ありがとうございます。この議論をするにはまだちょいと力不足の私です。またすこし考えて見ますね。無限に映る自分を他者に語ろうとしたら,ものすごく抽象化されてしまうのかもしれないとちょっと思いました。
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◆Yutaさん (ASIS2005)
2006-04-20 06:09:13
まとまったら、また教えてくださいね。
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