勝手にお喋りーSanctuaryー

マニアックな趣味のお喋りを勝手につらつらと語っていますー聖域と言うより、隠れ家ー

B'z LIVE-GYM 2010 "AIN'T NO MAGIC" -8-

2010-03-08 | B'zのお喋り
日本では古来から「掛け言葉」という手法が和歌に用いられている。
一つの言葉に2つの意味を持たせる、言わばダブルミーミングだ。

KOSHIもよくこの手法を用いる。
全体の詞に、二つのストーリーを入れ込んでしまう。
long time no seeは、その典型的な曲だ。

 久しぶりだね 元気にしてたかい? ちょいとはずかしい それがまた刺激
 ズバッと顔を 見つめられない (でもね) もう1回 1から 始められてうれしい
 いつだって long time no seeってなもんで 再会に感謝
 昨日の今日でも 10年ぶりでも 初心を忘れず この一瞬[ひととき]に燃えつきる

 ハンパに自信がついてきたとこで ゼンギ運動もすっぽかしだした
 たいして何もわかっちゃいないのに (うっかり) 自惚れてると大ケガして泣くよ
 いつだって long time no seeってなもんで 謙虚にふるまえ
 あくまで ビギナーでいるくらいの 心意気です この一瞬[ひととき]に燃えつきる

 もう会えないかもしれないよ
 もうヤレないかもしれないよ

 いつだって long time no seeってなもんで 再会に感謝
 毎日会えるなら なおさらに はじらい忘れず 明日に向かって燃えつきる
                          ℂKOSHI INABA

一方で男女関係を歌い、一方でLIVE-GYMでのB'zとファンの関係を歌っている。
ライブの時は、もちろんエロ優先だけどね。

そしてこの大詰めで、「今日はやらないの?」と思っていた掛け合いに持っていく。
 Yeah Yeah Yeah↓ Yeah Yeah Yeah↑
音痴の人にはかなりきつい、上げたり下げたりの掛け合いが続く。
最後は高速の「Yeah!」(Yeah!)「Yeah!」(Yeah!)・・・・・・・・
決まった!

満面笑みのKOSHI。
「どうしよう。気持ちよくなってきちゃった」
どうしようたって…。
「どうする?もう1回やろうか?」
そう来るか。
無論、もう1回やりました。
(これも考えようによっては、かなりエロい会話だ)

そしてステージに跪いて、ロングトーンのシャウト。
跪かないとやれない。
立ったままだと、貧血を起こしかねない。

「もし、あと1音歌ったら真っ白になるってわかっていても、歌ってしまう」
そう言っていたことがある。
真っ白な灰になるまで、KOSHIはシャウトを続ける。
そして、明日に向かって燃え尽きる。
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B'z LIVE-GYM 2010 "AIN'T NO MAGIC" -7-

2010-03-08 | B'zのお喋り
私は文を書く人間で、音楽人間ではないので、つい詞を分析してしまう。
TAK、ごめんなさい…。
あなたの弾くギターの音が、人の心を癒すってこと知ってますか?
上手いとか下手とかわからないけど、それだけは確かに言える。
その優しいトーンこそが、TAKの人間性そのものだと私は思ってる。

東京ドームはスポーツ施設で、音楽を聴くのに向いている環境ではない。
天井に跳ね返った音が割れて聞こえる。
それでも私の耳は痛まない。
たぶん「うるさい」と思われがちなロックのギターが、こんなに耳に心地よい。
そして、心にも。

ある時、少しだけギターをサボるようになっていた。
お母様に「あんた、ギター下手になってんじゃないの?」と言われたそうだ。
それからこの日まで、どれだけ練習したんだろう。
体力的な衰えはないとは言えない。
だけど時の流れは努力で遡れる。

それはKOSHIも同じだ。
今、正直に言ってしまえば、この数年間の声はベタベタしてて、ちょっと辛かった。
20周年のGDでも、その名残はあった。
だけど今回、そのベタつきはまったくなくなっていた。

コーヒーやワインの味と同じで、単にまろやかと言ってもわかりづらいだろう。
発声法がまるで変わっている。
ここへ辿り着くまで、やっぱり試行錯誤したんだろうと思う。
もうこのままかな、って諦めていた自分が恥ずかしくなる。
KOSHIは「このまま」で終わる人間じゃなかったんだ。

 時とともに人は 何にでもすっかり慣れてきて
 驚きが途絶えると 次の誰かを品定めする

MAGICの出だしだ。
ライブ会場の入り口でもらった小冊子に、「恋愛がマンネリ化状態になった時からが勝負」
そういうインタヴューが載っていたけど、どうしてもこれは音楽界のことに思える。
次々と出てきては、時代の寵児になる。
そして次々と消えていき、話題にも上らなくなる。
B'zは、すでにその切磋琢磨を越えたバンドになってしまった。
いつでも「まだいる」バンドだ。

だけどそれは、そんなに難しいことじゃないんだとKOSHIは言う。
目の前に転がっていた、小さなチャンスを掴んだだけだと。
「日常にチャンスはいくらでもあります。そのチャンスを掴んでください」
これがラス前のMCだ。

「掴めるか?掴めよ!掴んで幸せになれよ!幸せになってくれ!!」
KOSHIの優しい言葉に、少しだけ涙ぐんだ。

#21 long time no see
 「MAGIC」から。完全なダブルミーミングの詞が印象的。
 
 いよいよ本編ラストの曲になってしまった。
 この曲をラストに持ってきたか~
 間くらいに挟む、軽い歌だと思ってたけど。
 まさかタイアップがついた曲だからってわけじゃないよね?
 やはりダブルミーミングの、あっちの方のあの部分が、メッセージになるからかな。

実はこの曲の、あの部分に急かされて、私はどうしてもこのライブに来なければと思った。

 もう会えないかもしれないよ
 もうヤレないかもしれないよ

22年目を迎える、B'zの本音の叫びだ。
今来なければ、二度とLIVE-GYMが見られないかもしれないよ。
まさに「脅迫」だった。
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