雛人形を作っている江戸木目込人形職人  ~伝統工芸士 新井久夫~

人形のまち岩槻で、おひなさまや、贈答用の木目込人形をつくっている職人のブログです。

木目込人形のえと

2010-06-03 10:06:26 | 人形業界情報
        昨日に続いてもう一つ、私の作った木目込人形のえと、「うさぎ」をご紹介致します。


うさぎは長い耳が特徴の動物です。
この耳をどう表現するかが難しい部分だと思います。

雛人形でも言える事ですが、木目込人形は型から抜いて作るので、複雑な形状は物理的に抜く事が無理なのです。

そんな制約の中、形状をどのように表現するかが職人の個性の現れるところです。

私は後から耳を取り付ける方法を考えました。
画像のうさぎの耳はフエルトで作ったものです。

さて、いかがでしょうか?

伝統工芸士 新井久夫のホームページ

来年の干支(えと) うさぎ

2010-06-02 21:04:57 | 木目込人形職人
        来年の干支(えと)は「うさぎ」です。

        私も「うさぎ」を作ってみました。


雛人形は作りなれているのですが、干支は独特の世界ですので、表現方法が実は難しいのです。

ご覧の画像は、もちろん桐の粉を糊で練った「桐塑(とうそ)」で出来た木目込人形です。
衣裳(?)は正絹の龍村織です。

目はウサギですから赤い目の方がいいのでしょうか?
また色々作ってみたいと思います。


伝統工芸士 新井久夫のホームページ

雛人形に付き物の「屏風」

2010-06-01 22:55:10 | 人形業界情報
      私の工房のワンシーンをご紹介します。


新井人形店は「江戸木目込人形」の製作工房でありますが、私どもは雛人形に付き物の「屏風」製作の技術も持っています。


画像は「本仕立て」の枠を組んだ屏風の下張(したばり)をしているところです。




この上に金紙や和紙を張り、屏風が完成します。



ここで私たちは新たな屏風を作る技法を確立(大げさですが)しました。

人形を引き立てるのは、屏風のなせる演出です。
今後は雛人形と屏風の調和を考え、私なりの表現方法を考えて行きたいと思います。

伝統工芸士 新井久夫のホームページ