Three frogs which smile.

酒飲みは奴豆腐にさも似たり
初め四角であとは ぐずぐず

何かが足りないそんな日は

2004-09-29 | 落語
月末は結構忙しいっす。
あわただしさと、むなしさと、苛立ちとが混ざる中にたまたまココロが和む人と話が出来るとそれが緊張のほつれとなってうれしい。
にっこり笑う。
ほんのつかの間、会えてうれしい。

あ、最近げらげら笑ってないなぁ。
どっちに行こうか迷ったが、どうせだったら腹から笑おうってことで終業と同時に会社を飛び出した。

池袋演芸場へ。

第150回 二ツ目勉強会
柳家小たま 「道灌」(間にあわず!)

鈴々舎わか馬 「黄金の大黒」
柳家さん光  「付き馬」
三遊亭歌彦  「子は鎹」
    お仲入り
柳家三三   「化け物使い」
五街道喜助  「八五郎出世」

18:30ちょい前でしたか、もう満員御礼です。
ちょうど空いていた下手のパイプ椅子に座る。
尻が痛くなりそうな噺の長さだろうなぁとは予感しておりました・・・

道灌は「くれぇから提灯かりぃきたぁ」しか聞けず。
小たまさん・・・もうちっと聞きたかった。
道灌は好きな噺なの。

「黄金の大黒」:
間合いも声もいいのに、なんか話が朗読口調で紙芝居を見てる感じ。
今風のくすぐりを入れるんだけど話し方が一通だからどうもくすぐれてない気がするなぁ。
それが彼の味なのかなぁ。
羽織を着て大家さんへ口上を述べるんだけど、お邪魔することが出来ない、家にはあがれない。
その訳は話せないんだけどうやむやに・・・の気持ちが伝わらない。
馬鹿馬鹿しい面々がそろってるって言うのが分からないと噺を下げるとき下がらないと思うのよぅ。
下げは大黒様があんまりにもこの面子がにぎやかで楽しいから誰か連れてくるっていうのね。

楽しいのか逃げたいのかが分からなかったの。

動作がきれいで好きなんだけどなぁ。

「付き馬」:
たたみ掛けるように話すタイミングが絶妙。
ただちょっと灰汁が強くてしつこいかなぁ。
こういうおぢさんいるのよ、中小企業の部長さんクラスでもうその話はええっちゅうねん!
って思っていても何度も同意を求めるような雰囲気。
エネルギッシュさは好き。
悲しかったのは最初から男がずる賢そうに感じたこと。
妓夫太郎、だまされないように必死なところ、でも納得しちゃうところもなんかあっさりめ。
そうすると男のエネルギッシュさに隠されちゃって笑えないの。
力強さがいい味なのに、その味が噺に乗ればもっといいのになぁなんて思っちゃいました。

「子は鎹」:
とにかく歌彦さんの面立ちの神々しさに和む。
なんか・・・阿弥陀如来さまのように優しい感じ。
声もガタイも間合いもいいっすねぇ。
仕草がたまに想像できなくなっちゃいましたが噺は好きでちょと「じんっ」とくる。

この噺、おとうちゃんが博打に走って奥さんと子供が出て行っちゃう。
そのあと女郎のおかみさんを引っ張り込んできたりするがいろいろあって改心。
偶然(?)子供にあってもとの奥さんと復縁するって噺。
気になったのは子供の亀吉にあったとき、うれしい気持ちと驚きの気持ち。
話したい、話せない。見ていたい。どうしよう。って感じの気持ちが伝わらなかったの。
自分は酒で失敗していて良い父親ではなかったわけで、後妻のおかみさんも女郎でそれもまた失敗なわけで、それを亀吉に指摘され謝る父親のすまない!って言う気持ち。
その気持ちもね・・・なんか薄い感じ。

きれいなまじめな感じのお父さんは昔悪かったようには見えない。
ずっとまぢめて実直そう。それがいいのか悪いのかはわからないけどちょっと感動してみたり。

「化け物使い」:
どうしたのさ、三三さん。
もう、痩せすぎで頼りない。もうすこし貫禄があると化け物使いで人づかいの荒い「吉田の隠居」が見えてくるのに。
だけど、うまいなぁ。うん。うまいのよ。
噺の流し方、もっていきかた、目線仕草、いいなぁ。
声もはるしねぇ。
なんとなく自分のキャラクター設定が違う気がしてしこりにはなってるけど。
化け物を脅かすときの「くわっ」って顔もあの表情は小三治師匠だから笑えて化け物も震えるんだと思うんだけどなぁ。
飄々としているけど、意外!でちょっとおっかなかわいい感じ。
隠居の設定としては身振り手振りが若いの。
品川の郡山 剛蔵にお使いに行く杢助さん(笑)
なんとなく昨日はくすぐりに無理が合った気がしてならない。
ひっかかるけどさぁ・・・うまいよなぁ。

「八五郎出世」:
喜助さん、やっぱり眼鏡の線が耳の横に(笑)
とにかく出てくる人がみんな素直でいい人に感じてくるから不思議。
がらっぱちの八五郎もいい人に見える。
残念。
八五郎がガラでちゃきちゃきの江戸っ子で、がんがん物怖じせずに言いまくる。
だけど正直者なわけさ。
妹のお鶴とおかあちゃんの話になって殿様のお世継ぎぢゃ初孫の顔も見れないし、
抱くことなんて出来ない。
そんな気持ちを吐くからがつんと胸に響く。
きれいで口は悪いが正直者のいい人の八五郎だとそれが薄くてなぁ。
しもネタを言うときに声小さくなっちゃってるし。

だけどさぁ・・・・

むっちゃ面白いわけよ。
げらげら笑ってしまいましたよ。
また三太夫と八五郎、殿様。この三人の掛け合いの旨い事!
たたみかけとくすぐりの間合いがきれいにはまるんだわ。
この殿様も上品でいい人でが伝わる。
仕草がきれいだから嫌味が出ないん。

もう、いろいろ取れば出てくるんですよ。
だけどそんなんかんけぇないよ。
あたしは笑いに来たんだよ!って思えるのよ。
笑えないと「何で笑えないんだろう」が出てきちゃうんだけど、
びったしはまると「おもしろーい!」しか出てこない。

でも久しぶりだよぅ、大満足満喫の落語でございました。

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2 コメント

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Unknown (LOVIN)
2004-10-01 00:06:18
志の輔さんの『八五郎~』を聞いたことあるよー。志のさんは酔っ払い役うまいからお殿様にささを進められて段々態度がでかくなっていく八五郎がサイコーだった!
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うぁぁ (aquaqua)
2004-10-01 09:30:28
ろびろびぃ

いいなぁ。

だんだん態度がでかくなるんだけどすごく妹思いで優しさがあって、泣けるんだよねぇ。

それはラッキーだなぁ。



うらやましー!

いいな、いいな!
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