古本屋さんで、何の気なしにカフェつながりで手にとった1冊。
100円コーナーです。
古本ですから帯などはなく、画像を検索した時にはじめて「へぇ、こういう煽り文句だったのか」と。
これがついていたら手にしたかどうかは疑問です。
照れくさいから。
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ハートブレイク・カフェ
著者:ビリー・レッツ
訳者:松本 剛史
発行:文藝春秋
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アメリカの片田舎のドライブインが舞台。
店のオーナーはベトナム帰り。下半身不随で、店開店以来、外へ出たことがないという男。
そのオーナーをまるで息子のように思っている店のウェイトレス。彼女には家出同然で、家に寄り付かない娘がひとりいます。
そのドライブインに転がり込んでくるのが、旅の途中のワケアリの女性と、ベトナム人の男。
自分を受け入れてくれる場所、愛してくれる人を渇望しながらも、それを隠して生きている心優しい人々の関わりあいと、静かな町で起こる事件が描かれます。
なんということもない物語なのですが、いい話。
途中、馬が出てきます。
そして、その馬は足に傷を負い、獣医は辛いだけだからと、馬を殺すことを勧めます。いままでもそうしてきた、と。
けれども、この物語では、馬は生かされます。
それを読んだ時、ああ、これはそういう物語なのだと、なんとなく納得してしまいました。
足を痛めた馬も牧場を走り、三本足の犬も跳ね回る。
世間の基準からみればマイノリティの登場人物たちもいつしか心を通わせ、それぞれに居場所をみつけていきます。
不器用にいたわりあう、その優しさがしみこんでくるようで、なるほど、これが癒しというものかと思います。
文章も平易で素朴な印象。
著者は50歳を過ぎてから作家になった方で、これが2作目だそうです。
「夕食には家族の好きなチキンを揚げ、クラッピーを釣りにいくのを楽しみつづける毎日」は変わらないのだとか。
そういう人だからこそ書けるような作品なのかもしれません。
訳はあまりお名前に覚えのない方でしたが、略歴のところをみたら、クーンツの『ウォッチャーズ』がありました。
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ウォッチャーズ
著者:ディーン・R. クーンツ
訳者:松本 剛史
発行:文藝春秋
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泣いたなぁ、これは。
生体実験によって高い知能を持つことになった犬・アインシュタイン。
そして、同様の実験から生まれたクリーチャー。
失敗作とされるクリーチャーがDisneyと思しきアニメに見入るシーンで泣きました。
クーンツの作品としては古いもののほうになるのかもしれませんが、これはオススメです。
人間もでてきます。ちゃんと。
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