未だ人気の、というか、既に定番の番組になった感のある『開運!なんでも鑑定団』に出演している中島誠之助氏の本。
ずっと以前に『和(なごみ)』という茶の雑誌に連載しているころは面白いと思って読んでいたが、その後は、すっかり興味を失っていた。
すばらしく自信に満ちた本だ。
自画自賛?
目利きと自らを称する著者に圧倒されつつ読了。
![【ニセモノ師たち】clickでAmazonへ。 【ニセモノ師たち】clickでAmazonへ。](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EJVPCFMGL._SL160_.jpg)
ニセモノ師たち
著者:中島誠之助
発行:講談社
Amazonで書評を読む
2001年単行本発行。
文庫版2005年第3刷。
ナントカ師、という言葉や、北森鴻氏の『冬孤堂シリーズ』、波津彬子氏の『雨柳堂シリーズ』などが好きな私にはおもしろく読めた。
真贋についての事件や、ニセモノづくりに関しても書いてある。
四半世紀以上前のことに絞って題材にしているとはあるが、書いちゃっていいのだろうかと思う。
それこそ、仲間を売ったとか、言われないのだろうか。
凡人である身としては、キツネとタヌキの化かし合いを、傍から見られるので楽しい限りだが。
それはもちろん、自分がキツネやタヌキどころか、カモにもなり得ないという自信があるから。
いわゆる骨董に手を出せるようなお金は全くない。
今のところ、喉から出るほど欲しくてたまらないものにも出会ったことがない。
買えないとわかっているもの以外では。
以前見た漆芸。
幾重にも重ねたものを彫りだして、というより研ぎ出して、グラデーションをみせている文箱。
あんまり綺麗なので、へばりつくようにしてみていた。
参考までに…と思ったが、特別展示の品で、当然のごとく値段はついていなかった。
売り物なら、見ていても迷惑そうにしない店員さんたちも、まさか触りはしないだろうなと監視の目付き。
触りゃしません。いくら、私でも。
そりゃあ、触りたかったが、指紋がついたところなんて見たくないし…。
今となっては、作家もなくなってしまったし、手っ取り早いのは博物館だが、売り物に交じっているときと違って、ガラスケースに入っているからつまらない。
さて、徹頭徹尾、強気と思われる著者だが、あとがきがやや言い訳じみている。
書いていることは正しいことであり、本心だろうと思うし、「いいの?書いても?」という疑問にも答えてくれるのだが。
最後がすごい。
『無断でのシナリオ執筆によるドラマ化等は、切につつしまれたい。』
思わずこっちに目がいって・・・よみたいな。
後のものはコミックですよね?
中島氏の恐るべき自信・・・それがないとあの商売はやっていけないのでえようか。第一、生活に役立って「よかったぁ」と思わないものを売り、満足させる、これってすごい。
そういう自信はないむぎこ・・・そして骨董も手は出せません
書きやすいボールペンでしょうかZEVRAのSALASAの0.5mmがお気に入りです
小市民
>北森鴻氏の『冬孤堂シリーズ』、波津彬子氏の『雨柳堂シリーズ』
どちらもオススメです。
『冬孤堂』はココでは『緋友禅』しかあげてませんが、長編に『狐闇』『狐罠』があります。マスター工藤もちょっとだけ出ます。
『雨柳堂』。古い物にまつわる不思議話ですね。ちょっと他にはない感じで、私は好きです。
本物の骨董にはちょっと手が出せませんが、読むぶんには楽しいですよね
この作者を全く知らなかったので きしさんには本当に感謝。
この冬狐堂のかた、蓮丈那智にもでてきますよね・・・。
今日は有馬次郎シリーズ「ぶぶずけのなぞ」読みましたが、そうですね、ちょっと軽すぎるというか、個人的には
北森さんの作品は軽いよりちょっとしっとりした物が好みです、
今、「古物屋」の孔雀狂想曲をよんでます。
これも短編ですが、ときおり見える闇がすきです
それにしても読みたい本があるって何て素敵なことでしょう。
気にいっていただけて嬉しいです
それにしても、連作短篇のシリーズの多い方。それぞれカラーも違うというのが、器用。
私も、むぎこさんと同じくちょっとしっとり、重めが好きです
>それにしても読みたい本があるって何て素敵なことでしょう。
ホントに。あれも読みたい、これも読みたいで、仕事する暇がありません。…あれ?