季節を感じながら歩く soraの季節散歩

花や空や木や太陽 季節を感じ 気ままに歩くお散歩日記

2009.6.29 夏めぐり

2009-07-02 | 鎌倉
目覚めたら金ピカの太陽が顔を出していて
きっとノウゼンカズラも咲いているに違いないと思い
久しぶりに一人で鎌倉歩きをしてきました。

駅を降りると笹の葉がお出迎え
そうだもうすぐ七夕だ。
小町通りも八幡宮の二の鳥居も
そして鳩サブレの本店・豊島屋さんも
笹の葉が飾られていました。
今では忘れられてしまった風情が残る街。
幼き頃を思い出したりして…



さてまずは腹ごしらえということで
いつも行くインドカレー屋「T-SIDE」へ。
以前に小町通りにあった頃から通っているのですが
移転してからは試行錯誤を繰り返しているのか
行くたびにメニューが変わり値段も変わり…
私としては以前のランチセットが
味もボリュームもビジュアルも好きだったので
いつか復活してくれないかな~と願いつつ
こうして何度も足を運んでしまうのですが…



そして改めてスタート。
若宮大路をひたすら海まで歩きます。
結局太陽は雲に隠れ
湿度がまとわりつき息苦しい暑さに包まれてしまいました。

この若宮大路は京都の朱雀大路にならい
源頼朝が作ったものと言われています。
当時の鎌倉は湿地帯だったので
整備のされた主要道路を作ることにより
鎌倉の地が発展をとげていったのでしょうね。

そして視界がグッと開けて海が広がります。
海からのべたつく潮風が不快指数を上げますが
なぜか嬉しく気持ちよい気分になるから不思議です。
海開き寸前の海岸。
早くも真っ黒になり砂遊びをする子供たちや家族連れ
水着姿で昼寝をする人など夏を先取りです。



材木座海岸を逗子方面にキラキラの海と戯れながら
ファインダーを覗いてはシャッターを押し…。



この先には国史跡にも指定されている日本最古の築港跡「和賀江島」があるのですが
鎌倉時代の材木座海岸は商工業・物資集散地として賑わっていたので
今でも海岸には中国の青磁などの破片が眠っていたりします。
それ以外にもビックリするようなお宝もいっぱいあったりして
最近ではこの宝探し「ビーチコーミング」を楽しむ方も増えているみたいです。

貝殻や色んな物?の破片が波に砕かれビーチに散在
そしてその破片と砂と波が織り成す模様が…
何とも言えない不思議なアート。
大切な時間がそこには流れているような気がしました。



さてさてそんな感じで海岸を歩きながらたまに降り返り
由比ガ浜やその先の稲村ヶ崎を確認しながら先へ進んでいたのですが
和賀江島が近づくにつれて
あらまぁ稲村ヶ崎の先に江ノ島が見えるではないですか!
なんだかわけもなく嬉しくなってみたりして。
東京タワーやランドマークタワーそして江ノ島展望台
シンボルタワーをみつけるとやけにテンションが上がってしまいます。



それからは江ノ島の位置を確認しながら和賀江島を目指します。
現在は見る影もなく砂利の島なのですが
ここまで来る観光客はあまりいないようで
昭和初期に町の青年団が建てた和賀江島の碑が妙に不気味に佇んでいます。
ここで引き返そうと思ったのですが
なにやら先へと続く階段が…住宅地へと続いているようで…
もちろん登ってみました。

あらあらそしたらまた視界がグッと開けて
江ノ島もよく見えるわ和賀江島なんか上からのほうがよくわかるわ。
まさに由比ガ浜を一望ですよ。
きっと天気がいい日(特に冬なんか)は富士山も見えるんだろうな~。
江ノ島に富士山
シンボルが二つで相当テンション上がっちゃうよ。
歩いたからこそ見つけた絶景。



そしてこのちょっと先には「六角の井」がありました。
鎌倉十井のひとつで住宅地の片隅にひっそりと…。
こんなところに井戸が出るの?
というくらい不思議なところに今でも大切に残されています。



ここからちょっと歩けばもう逗子マリーナ。
そして私はR134沿いを引き返し少し高い位置から再び海を楽しみます。
少し陽も差してきました。

そして「光明寺」へ向かいます。
総門では光明寺に隣接している材木座幼稚園の園児たちが園バスを待っていました。
とてもかわいらしく微笑ましい様子に思わず顔がほころびます。
『バス来て~』『バスまだかな~』
黄色い帽子が雛のようです。



海に近い静かなお寺。
春には桜が咲き本堂右手にある石庭ではサツキが楽しませてくれます。
また反対の本堂左手には蓮池があり
まさにこれからといった感じで出迎えてくれました。



そしてこのお寺にも猫ちゃんがたくさん暮らしていて…
本堂の手前に一匹お昼寝
その奥にももう一匹同じ姿でお昼寝
そして本堂に上がって振り返ってみたらもう一匹もお昼寝。



起しちゃならぬと遠目から写真に納め
お参りと蓮池を見物して戻ってみると…
あらまぁ三匹集まっちゃった。
今日はお昼寝日和だよね。
気持ちよさそう。
私もちょっと休憩。



帰りがけに三門の脇にもお昼寝猫ちゃんを二匹発見。
のんびりと開放的なお寺です。

そしてお次はミモザで有名な「来迎寺」を目指します。
ミモザは2月のお花。今は夏。なぜここ?
ここに毎年たわわなノウゼンカズラが咲くんですよ。
境内にではなく入口近くの駐車場に。
蔓があまり高くまで伸びていないので
私の目線で心行くまでノウゼンカズラと戯れることができるのです。
しかし風などあまり吹いていないのに
ボタッ! ボタッ! と
あのラッパの花ごと地面に散乱していて…
曇ってしまったのが残念。
やっぱりノウゼンカズラには青空と太陽の光が似合うので
また近いうちにノウゼンカズラと戯れる旅に出ようと思います。





そして「長勝寺」に軽く寄って日蓮上人の像をパシャッと撮って
そそくさと帰ろうと思っていたら
まさにファインダーを覗いているときに背後でガサゴソと音がして…
やばいこの不届きな気持ちがお寺の方に伝わってしまったのかも
きっと注意されるに違いないと降り返ると…
目の前の木にリスがいました。
あ~びっくりした。



鎌倉ではいたるところでこの台湾リスと遭遇することができます。
なぜ鎌倉に台湾リス?
以前江ノ島にミニ動物園があったのですが
そこから逃亡したリスが繁殖したという説が強いそうです。
でもそんな繁殖って言ったって…
以前暮らしていた大船にもたくさんいましたし
すごい生命力ですね…。
かわいいというよりもちょっと不気味。
以前大群でいたのを目撃したときはホントに鳥肌ものでした。

でも今ではこの台湾リスも鎌倉の醍醐味のひとつになっていますよね。
警戒心がないのか人の多い観光地にもよく出没しますので
ぜひ探してみてくださいね。

そしてお次は「妙本寺」へと向かいます。
下校中の小学生とぶつかりそうになりながらいっぱいすれ違い
駅へと近づいて行きます。
この大町から材木座にかけては
観光地鎌倉というよりも地元鎌倉が色濃く
自然に暮らす地元の生活が垣間見れて楽しいです。

鎌倉はホントに奥が深く不思議な街のような気がします。

私の大好きな妙本寺も駅からすぐだというのに
うっそうとした木々に囲まれ、まるで異空間。
静かで心が安らぎ、ここに来るとなんだか落ち着きます。

二天門をくぐると両脇にノウゼンカズラがお出迎え…のはずなのですが
やはりちょっと早かったのか少ししか咲いていませんでした。
木立ちに囲まれているせいか
桜や海棠も少しずれて咲いているような気がするのです。
ノウゼンカズラだってあんなに花がボタボタ落ちるほど咲いていたのに
ここでは右手側の蔓にいたってはまったく咲いておらず
いつ来たら見頃なのか不明…。





そして大きな屋根の祖師堂ではいつもの猫ちゃんがいつもの場所で
お行儀よく眠っていました。
かなり昔からいつ来てもいつもいる猫。
ある意味この寺の主。



ここで少し一休み。
ボーッと風を感じ今日の散歩をカメラを見ながらおさらい。
恋人を見つけられないウグイスがまだ鳴き続けていました。

帰りがけにお隣の「本覚寺」にも寄ってみました。
実はノウゼンカズラの穴場スポットなのですよ。
仁王門から本堂に向かって抜けていく方が多いのですが
実はお手洗いの脇に咲いているんです。
お手洗いに行かないと気づかないかも。





そんなわけで今回は海めぐり
そしてノウゼンカズラと戯れる散策となりました。
お寺の由緒などまたいつかの機会にお伝えできればと思います。

自然と共存する鎌倉。
いろんな楽しみ方があってホントに素敵な街です。