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ヘーゲル『哲学入門』 中級  第二段  自己意識  第三十八節  [自己意識の普遍性1]

2024年05月30日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

ヘーゲル『哲学入門』 中級  第二段  自己意識  第三十八節  [自己意識の普遍性1]

C. Allgemeinheit des Selbstbewusstseins

§38

Das allgemeine Selbstbewusstsein ist die Anschauung seiner als eines nicht besondern, von andern unterschiedenen, sondern des an sich seienden, allgemeinen Selbsts.(※1) So anerkennt es sich selbst und die andern Selbstbewusstsein in sich und wird von ihnen anerkannt.(※2)

C.自己意識の普遍性

§38[自己意識の普遍性1]
  
 普遍的な自己意識とは、他と区別された特殊な自己としてではなくて、本来的に存在している普遍的な自己 として、自己自身を直観することである。そのようにして普遍的な自己意識は自己自身を認めるし、また自己のうちに他の自己意識をも認め、自らもそのようにして他の自己意識から認められる。

 

※1
自己も他人もそれぞれが「自己意識」である点では何ら変わりがない。それゆえに「自己意識」は、「普遍的」である。この普遍性は自己意識にとってan sich(本来的)なものであり、類的なものである。
すべての概念は、個別性、特殊性と普遍性の三つの契機をもつが、この「自己意識」についても例外ではない。ただ、この第三十八節においては「自己意識」の「普遍性」が強調される。
「自己意識」と「他の自己意識」とに普遍性を認めることから、家族や故郷、同胞、祖国などの認識が生まれてくる。

※2
この「哲学入門」の対象は「人間の意志」である。この意志は自己意識から生まれてくるがその「普遍性」についても、これまでにも繰り返し論及されている。たとえば、ある黄檗宗のお坊さんが「己と他の己」と言ったことにも触れた。

ヘーゲル『哲学入門』第一章 法 第三節 [個人の自由意志と法の普遍性] - 夕暮れのフクロウ https://tinyurl.com/27gyy6ts

 

 


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