カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

十七冊目・『去りゆく親子の悔恨』

2018-04-03 19:46:04 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『去りゆく親子の悔恨』事件を解説してください。

 私をベンチに座らせてジュースを渡してきた母は、ここで待っていなさいと言ったきり戻ってこなかった。母が戻る気が無いのを薄々判っていながら、私は母の背中を無言で見送った。やがて大人になった私の前に、すっかり年老いてみすぼらしくなった母が現れて許してくれと泣いたが、私は憎いとも可哀想だとも、何一つ感じなかった。

 一体、いつ頃から母に対する私の心が死んでしまったのかは、もう判らない。
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