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カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・深いブルーの美しい祈祷書

2019-12-31 14:03:35 | 突発お題

 スペイン風邪と呼ばれたインフルエンザ・パンデミックに人類の三割ほどが罹患して、下手すれば一億の人間が病死したのはたかだか百年くらい前だし、現在だって天災や大事故で人間が亡くなるのはそれほど珍しい事じゃない、ただ…。

 繰り返される従兄の言葉は、幸い何時も其処で止まる。
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骨董品に関する物語・かぎ針編みの見本帳

2019-12-31 14:01:02 | 突発お題

 曾祖母が遺したかぎ針編みの見本帳があまりに優雅なので、一体どれだけ素晴らしい人だったのだろうと祖母に尋ねてみると何故か微妙に歯切れが悪く、母に尋ねてみると神経質な人だったのよと苦笑いされた。
 きっと貴女にもいつか解るわと続く言葉の真の重みに、その時の私は気付くことが出来なかったのだ。
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物語その43・野良犬には届かなかった幸せ

2019-12-31 10:42:06 | 不等号の関係性
たかあきは、お嬢様と野良犬に関する誘拐の物語を創作してください。
 
 俺を裏切って他の男と一緒になった女の子供を誘拐したが、子供は俺の事を疑いもせず「お母さんと新しいお父さん」の話を何度も嬉しそうに話してきた。いたたまれなくなって別れる時、子供は「おじちゃんも幸せになってね」と自分の髪飾りを外して渡してきて、結局はそれが俺にとって何よりの断罪となった。
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物語その42・孫達の時代

2019-12-30 22:40:02 | 不等号の関係性
たかあきは、黒の妖術師と執事に関する邂逅の物語を創作してください。

 先代だった祖父が十分稼いだと言う理由で隠棲したので黒の妖術師を襲名した僕は術式以外のアレコレを任せられる執事を募集したのだが、なかなかコレだと思える相手が現れずに悩んでいたら、祖父から連れて行った老執事の孫が都に憧れてそちらに向かったので色々頼むと手紙が届き、それが始まりだった。
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物語その41・英雄と呼ばれた老騎士の肖像

2019-12-28 10:45:30 | 不等号の関係性
たかあきは、老騎士と貧乏楽師に関する友愛の物語を創作してください。

 高名な楽師が貧乏だった若い頃、とある老騎士の体験を基に書き上げたという一大叙事詩及び組曲の内容は、現在の歴史学者からは完全な創作と断定され、老騎士のモデルも複数存在したとされている。だが今もなお人々は老騎士の偉業を讃え、彼の墓所とされる場所は常に掃除が行き届き花と供物が絶えない。  
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物語その40・偉大なる王に捧げる詩

2019-12-27 21:15:12 | 不等号の関係性
たかあきは、妖精王と貧乏詩人に関する日常の物語を創作してください。

 暇を持て余した妖精王は貧乏な詩人を専属で雇い、王としての自分を称える詩を創らせていたが、最近は詩人も手抜きを覚えたのか○○より更に偉大なる王よと言う常套句が目立つようになったので○○とは聞き慣れない名前だが一体誰のことだと質問したところ、大事なのは偉大な○○より我が王が更に偉大であるという事実であると強弁された。
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物語その39・詐欺師は坊ちゃまを誘拐する

2019-12-24 22:36:18 | 不等号の関係性
たかあきは、坊ちゃまと詐欺師に関する誘拐の物語を創作してください。

 嘗てお嬢様だった詐欺師は彼女の両親を陥れ財産を奪った男の一人息子を誘拐して復讐を目論んだが、自分の父親を信じられない坊ちゃまは詐欺師に協力して父親から大金を奪おうと提案した。騒動の末に大金強奪は失敗したが、父親の宝物だった坊ちゃんは詐欺師と共に逐電してしまい、詐欺師の復讐は完遂された。
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物語その38・チェンジリング~妖精の取り換え子

2019-12-22 22:27:37 | 不等号の関係性
たかあきは、妖精王と孤児院の幼女に関する非日常の物語を創作してください。
 
妖精王は若い頃に人間の世界で自分の姿が見える少女と出会ったことがある。両親を亡くし孤児院で暮らしていた少女は妖精王と仲良くなったが、それ故に他の子供たちに嘘吐きだと苛められた。ある日妖精王は彼に家族が欲しいと願った少女の前から姿を消し、妖精が見えなくなった少女は優しい夫妻に引き取られた。
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物語その37・謳われる大魔王

2019-12-21 21:11:44 | 不等号の関係性
たかあきは、大魔王と貧乏楽師に関する友愛の物語を創作してください。

 大魔王の凱旋を目にした貧乏楽師がその行列の勇壮さを称える歌を作り、広場で披露していると金貨を投げてきた客がいた。
 祝儀だと言う相手に楽師は出来れば同じ価値の銀貨と銅貨を混ぜてくれた方が有難いと両替を依頼し、その銅貨で客に食事を奢った。当然ながら、その時点で楽師はその客が当の大魔王だとは全く気づかなかった。
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物語その36・孤独と解放と呪縛と

2019-12-20 21:18:50 | 不等号の関係性
たかあきは、剣の姫と呼ばれた王女と一人ぼっちの少年に関する別離の物語を創作してください。

 少年は剣の姫と周囲に呼ばれた美しく強いだけでなく賢く優しい異母姉が大好きだった。
 しかし、彼の母は彼女を息子である少年の王位継承の障害としか認識していなかった。
 やがて母と姉、どちらの味方をすることも出来ないままでいた少年の元から剣の姫は去っていき、彼は決して癒せぬ孤独を抱いたまま冷たい玉座に着いた。
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