カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

名探偵の解答その79・恋は盲目

2021-05-31 22:42:11 | 名探偵の解答
街ではよく知られた探偵であるたかあきに、伯母から『高貴なる血脈』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に無駄骨のようです。

 見境なしに浮名を流す伯母が、珍しく神妙な表情で今度こそは本気の恋だと言い出した。相手は格式の高い家柄の嫡子という辺りから胡散臭さ全開だったので、言われるままに身上調査を行って庶民でしかない正体を報告してやったら、それなら逆に何の憂いも無いと猛アタックを始めたので放置する事にした。
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名探偵の解答その78・甲斐性と、酔狂と、

2021-05-30 23:41:00 | 名探偵の解答
女性に大人気の探偵であるたかあきに、祖父から『高貴なる正義』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に平凡のようです。

 この界隈では別に珍しくないが祖父は複数の妾を囲っている。そんな訳で、たまに祖父の落胤だという子供を連れた輩が現れ、俺に身上調査依頼が入ってくる。元々から祖父が情を掛けた女を捨てる事は無いので落胤は偽物なのだが、見所がある子供は赤の他人でも金を出して学ばせる、甲斐性持ちと言うか酔狂な人でもある。
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骨董品に関する物語・天使のポージーホルダーブローチ

2021-05-27 23:47:23 | 突発お題

 ある偉大な女性は、天使とは花を振り撒く存在ではなく弱きものの為に戦う存在の事だと言葉を残した。だから自分は、多分天使とは弱きものの為に戦いながらも花の美しさを愛でることを忘れず、その美しさを世界に振り撒く程には心に余裕のある存在なのだろうと勝手に思っている。
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骨董品に関する物語・蔦の彫られたポージーホルダーブローチ

2021-05-27 23:44:23 | 突発お題

 本当なら絡み付く蔦のように、いつだって貴方を私の元に留め置きたいのに、空と土から切り離された貴方はたちまち種も実も結ぶことなく萎れ果て、私の指の隙間から零れ落ちてしまうだろう。だから私は貴方の代わりに切り取った小さな花を胸に飾り、私の元で萎れるに任せるのだ。

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骨董品に関する物語・オリジナルケース付きのメカニカルペンシル

2021-05-27 23:42:46 | 突発お題

 常に何かを書いていないと死ぬのではないかと心配するレベルの友人の誕生日に細かい細工が入ったケース入りのメカニカルペンシルと手帳を贈った。後日、相変わらず手帳片手にペンを動かす友人に何を書いているのかと尋ねると手帳を見せてくれたが、とても判読出来る字ではなかった。
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名探偵の解答その77・先祖代々の証

2021-05-26 22:36:34 | 名探偵の解答
食うや食わずの貧乏探偵であるたかあきに、隣のおじさんから『高貴なる記録』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に無駄骨のようです。

 娘の縁談話に箔を付けたいからと依頼された家系図は、物自体は本物だった。ただし、恐らくは江戸時代末期辺りに食うに困った武士が町人に売りつけたか、或いは持ち主が家系図ごと富豪に身売りしたか、いずれにしろ『正当な血統』とやらを示すものでは有りえなかったが、その辺は黙っていることにした。
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名探偵の解答その76・好敵手に最後の花束を

2021-05-24 23:27:03 | 名探偵の解答
男性に大人気の探偵であるたかあきに、仇敵から『紅き強奪』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に残酷のようです。

 私と長年の戦いを繰り広げてきた怪盗は今まで頑なに自分なりの掟を守るところがあって、私はそれ故に何度も勝利を収めてきたのだが、今回に限っては手段を選ばす私を追い詰めてきた。そして私は病に蝕まれた奴が死神に己が命を刈り取られる前に、最後の生を振り絞って私に戦いを挑んできた事を知った。
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名探偵の解答その75・化物退治は命懸け

2021-05-23 22:26:31 | 名探偵の解答
全く無名の探偵であるたかあきに、不思議な婦人から『幻惑の凶行』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に単純のようです。

 不思議な夫人が有名な探偵になる気はありませんかと持ちかけて来た依頼は、最近街を騒がせている吸血鬼退治に関するものだった。直接対峙する必要は無く、昼間の隠れ場所を見付けて欲しいと言って渡してきた大粒のルビーに目が眩んで依頼を受けた俺は、最後の犠牲者になりかけて確かに有名になった。
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名探偵の解答その74・老いらくの純愛

2021-05-22 22:48:43 | 名探偵の解答
食うや食わずの貧乏探偵であるたかあきに、母親から『冷たい小夜曲』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に難解のようです。

 普段から仲が良いとは言えない母が持ち込んできたのは、父に対するお定まりの浮気調査だった。恐らくは対面上、部外者に任せたくなかったのだろうと納得して極めて内密に調査したら、あのバカ親父は明らかに引っ掛かってはいけない相手と密会を重ねていて、はっきり言ってしまうと、この国の未来が物凄く不安になってきた。
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骨董品に関する物語・ピーコックグリーンのモルフォ蝶のブローチ

2021-05-21 18:23:17 | 突発お題

 あなたは冷たいという花言葉の青い花が好きだった高慢な姉に恋人が送ったのは、角度によって如何様にも色彩を変えてみせる蝶の羽根を使ったブローチだった。そして、姉との恋に疲れ果てた恋人が姉に贈ったプレゼントはそれが最後となったが、姉だけがその理由に気付こうとしない。
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