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カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第四十三夜・菫の花咲く頃

2017-08-02 20:36:16 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『花の散るらむ』と『菫色』を使って創作してください。

 ニオイスミレと呼ばれる菫の花は外見が地味ながらも芳香がとても強いので、しばらく嗅いでいるとその香りを感じなくなる。そして目立たない野の菫のようだった彼女の匂うような魅力を当然のものとして貪りつつけた僕は、やがて疲れ果てた彼女から別れを告げられた。
 悪いのは自分だと充分に承知しつつ、それでも彼女が魅力に見合う華やかな姿をしていたならと良かったのにと考えてしまう卑怯な僕がいる。
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