明日の葉っぱ(8×8)=69

思いつくまま 気のむくまま書いてます。

アルバム 情熱 吉田拓郎

2020-03-23 12:21:00 | 僕の音楽日記


1983年11月5日発売
その半年前に
アルバム 「マラソン」をリリースしたばかり、
前作同様
全 作詞作曲
吉田拓郎で仕上げた
アルバム。
1983年6月には私生活で
現夫人森下愛子さんとの熱愛を取り上げられて、
吉田拓郎さんの83年は
10年前の1973年同様 マスコミに晒されるという時代の同時性の繰り返しがありつつも、

(時代は吉田拓郎を体験した)70年代は時代の寵児だった吉田拓郎も、80年代に入り
時代にしがみ付いていく感じが
否めなくなってきていた。

それを見せまいと
表現する場はステージであり、
アルバムであり
ラジオであった。
彼の放つ言葉、歌のひとつひとつに
突き動かされ
ファンと時代は動いてきた。
80年代の彼はどう立ち振る舞うのか?
圧倒的説得力威圧感で説き伏せてきた
70年代
80年代は70年代の上書きではないことは吉田拓郎さん自身充分理解して
いた所。
彼の放つメッセージは今回の
アルバム「情熱」にみると
等身大吉田拓郎
進行形大人の恋愛
というコンセプトが垣間見える。

M-1 
Woo Baby
シンプルなギターリフで始まる
ミドルテンポのロック。
全体的に
シンプルなアレンジ
シンプルな楽器編成になってる
音圧でガンガン攻め立ててきた
王様達のハイキングtourの時のような
威圧感すら感じた音楽性は影を潜め
シンプルな形で音と、歌詞を届けようとする雰囲気。
アルバムイメージを印象つける
一曲目
ならば…
まずまずといったところか…

M-2
何処へ

このアルバムのキモ的な意味と位置のこの作品。
吉田拓郎の等身大をメッセージしている。当時の彼の呟きがのった楽曲。

♪誰かのために何か出来るなどと思わない
ただ自分の中のひとつを書き綴っただけなのに

♪僕が多くの言葉をメロディにのせて
いくたび唄ったところで
ひとつのエピソード
だけど長い年月をかけて唄が歩きだす
僕の想いをよそにひとりで歩きだす


肥大化する吉田拓郎のイメージ
期待化と偶像化される狭間の声に反論するかのように
呟く。

M-3
男と女の関係は

ストレートなロックンロール
♪男と女の関係はその時まかせの風まかせ
全ては俺たち二人の問題さ

と吐き捨てるように歌う。


M-4
I'm in Love

ギターアレンジ青山徹さんの
イントロの素晴らしさ
柔らかいLove songに仕上がってる

恋は素敵だね
何も考えず
ただこうして時に
身を委ねていればいい

自然な言葉として
力の抜いた
等身大の吉田拓郎37歳のLove song


M-5
情熱

タイトルチューンでもあるこの歌
82年のtourでもう、歌っていたこの歌は
ステージでのアレンジはスローバラード
アルバム収録になると間延びする関係
アレンジではテンポを上げて
作り直しているが…

ライブでの
情熱 の方が
味があってよかった。


M-6
SCANDAL

これもロックンロールで
現在進行形の恋模様を歌う。

M-7
風の時代

風=流行

70年代を回顧するとき、
醒めた時代だったのか?自分だけが熱かったのか?
何かが変わったのか?
変わってないままなのか?

♪あの頃の流行歌は
心もよう 神田川
若さだけは大事だね そんな風景

と最後のフレーズでしめている。

何処へ
風の時代
若い人
この3作品が
アーティスト吉田拓郎の83年の尺度になる。

M-8
チェックインブルース

この歌も恋愛模様を歌った楽曲

全体的にみて
ここまで来ると
現在進行形の恋模様を歌った楽曲がアルバム10曲中6曲もある

Woo Baby
男と女の関係は
I'm in Love
情熱
SCANDAL
チェックインブルース

それなりに聞けるけれど
ほぼほぼお腹いっぱいな気持ちになる
恋愛メッセージをこれだけ繰り広げるとお腹いっぱいご馳走様になる。

M-9 別離 わかれ

♪サヨナラ my Love
サヨナラ in the rain

簡単な英語のフレーズでお茶を濁す

アルバムの中には
駄作は一曲二曲存在するが
これはそれなのかな。

M-10 
若い人

アルバムラストの曲
ギターアレンジ青山徹さんの素晴らしいイントロのギターメッセージ
エンディングもギターで終わる
久々のリードギターが決める、締める清々しい楽曲。

このアルバムを締めた楽曲だと思う。

若さが
成就しない恋愛
世代の壁に悩み葛藤して
前へ進んでいく若い人を
何かとダブらせた歌


きっと自身の経験も何処かに入れつつ
若い頃の強さとしなやかさに
憧れつつも
大人の恋愛にのめり込んでゆく
83年当時の等身大吉田拓郎が充分表現されたアルバムだと思う。

その後森下愛子さんと結婚されていく訳なので
いわばその記念碑的アルバムでもある訳だ。

ストレートすぎるものに価値があった20代とちがい30代の恋愛に
ストレートすぎる表現や、想いは
どうなのか?
吉田拓郎としての
Love songは
成立するのか?
という疑問。

速球派から
技巧派への転身の時期に
差し掛かった
そんなポイント的なアルバムでもあるように思う。

作品と、表現者としての
アーティスト吉田拓郎
80年代は70年代の上書きではない
そんなことを痛切に感じさせた
アルバム
「情熱」






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。