過ぎゆく時の中で・・・

自分を見つめ、一歩前に進みたくて始めたブログです。

うつ病についての講演会。

2010年12月11日 | 日記
先日 茅野市の保健補導員全員を対象に

「よりよく生きる為に」の学習会としての講演会がありました。

講師は 八ヶ岳メンタルサポート院長の戸田真先生。

先生は精神神経科の医師ですが ちょっと変わった経歴なんです。


東京藝術大学美術学部芸術学科卒業後 

4年間のフリーター生活を経て

信州大学医学部医学科に入学し 

卒業後は駒ヶ根病院精神神経科、

富士見高原病院心療科で医長を務め

現在は茅野駅前のビル内に 八ヶ岳メンタルサポートを開業しています。

セイコー.エプソンなど諏訪地域の産業医も努めている

若い素敵な先生でした。


講演会のテーマは「うつ病ってご存知ですか ?」

ちょっと重いテーマで しかも1時間半の講演。

1時間半では 深い部分までの内容ではなかったけれど

とても分かり易く 説明して下さいました。


心の病気って 特別な病気ではなく 誰にでもあり得る事なんですね。

100人に6人が うつ病と聞き 驚きました。

特に几帳面で真面目で 人に気を使う人に多いそうです。

「憂鬱で元気が出ない」

「好きだった事が面白くない」

そんな事の始まりから 心身ともに精神的にも追い込まれ

身体に異常が出たりする人もいるそうです。

身体に異常を感じると、誰もが まずは内科に行くそうです。

内科で検査してもらっても 異常が見つからない・・・

そんな事態になった時には 精神科に行く事が必要なんですね。


今は、うつ病に効く とても良いお薬があるそうです。

お薬と 専門家のカウンセラーで治療する事が大事だそうです。

そして一番大切なのは 周りで支えてあげる事。



支える側として 決してやってはいけない事・・・

気晴らしに 外に誘いだす事は避けた方が良いそうです。

私は 元気を出してもらう為に 

ドライブや食事に誘う事が良いと信じていました。

でもそれは本人にとって とても苦痛で辛い事だったんですね。



傾聴・・・耳を傾けて熱心に聞いてあげる事。

相手の目線になってあげる事。

共感してあげる事。



心の病は誰にでも起こりうる事・・・

事実 戸田先生の精神科の恩師も 酷い躁鬱病であり

戸田先生ご自身も 高校生の時に 精神的に追い込まれ

グレて母親と上手く接する事が出来なかったそうです。


それぞれに生きて行く上で 悩んだり プレッシャーに負けたり

色々な葛藤の中で 苦しい日々を過ごすって 

とても辛い事なんだろうと想像します。



最後に先生は こうおっしゃいました。

「何でも100点を望まずに まずは60点を目指しましょう」

「決して焦らず ゆっくりと そして 楽観的に過ごす事」 

そしてまわりの人には 暖かさと 優しさで接して

気長に 見守ってあげて下さいと・・・。 



講演会が終わり 私はふと妹の事を思い浮かべました。


私の妹は20年もの間 病と闘っていました。

妹と私はよく喧嘩をしました。

それは妹が我が儘だと思っていました。

妹は病気と闘っている内に 病気にも詳しくなって行きました。

そんなある日「私がイライラするのは ステロイド剤のせいなんだよ」と・・・


うつ病であったのか分かりませんが

随分 心も病んでいたような気がしました。

嫌な事を言うのは病気のせいなんだ・・・

二人っきりの姉妹なんだから もう喧嘩なんてするのは嫌 !!

だから いつの日か 妹からどんな事を言われても

私は ただただ我慢することに決めていました。


妹が亡くなってから もう4年が過ぎました。

最後の一年間は 車椅子で バリアフリーの新居に住み

妹はとても穏やかに過ごす事が出来ました。

妹の旦那様には感謝の言葉しか思い当たりません。


今回の講演会を 当時聞いていたら 

もっと違う形で妹と向き合えたんだろうか。


私は傾聴する事が出来たんだろうか ?

妹の目線で話す事が出来たんだろうか ?

妹と共感出来たんだろうか ?

最後の一年は 少しだけ妹に近づけたかな ?


何もできなくて ごめんね。





ブログを始めて 覗いた沢山のページにも 

心の病と戦っている人がいる事を知りました。

私のブログを通しても 辛い時期を過ごした人達もいました。

苦しい思いをしながらも 周りの人達に支えられ

今では元気で 普通に過ごしている仲間を

私はすごく尊敬しています。


辛い思いをしたからこそ

誰に対しても優しく暖かい気持が持てるのかな ?

そして誰よりも人との関わりを大切に

しっかり生きているような気がします。


講演会を通し ブログを通し

色々考えさせられた私でした。


ちょっと長過ぎちゃった記事でごめんなさい。

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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ポラリス)
2010-12-12 14:56:34
この先生。もしかして、同じ年のような~

今は「心療内科」って、あちこちの病院で標榜されていますよね。
実母を亡くした時、食べることも眠ることも出来なくなって
体調が悪くて、体重は減るばかり、泣いてばかり…
私も内科を受診しました。

内科の主治医は、初診の私の話をよく聞いて下さって
「そうなんだ。お母さんが亡くなって、体調が悪くなったんだね。
それなら、大丈夫だから…」と
主人と受診した2回目は
「理由がハッキリ判っているので、私が責任を持って
必ず治しますから…」
ただ主人に「今まで出来ていたことが出来なくて
それは、誰よりもご本人が一番辛いんです。
いつか必ず以前の様に、キチンと家の事が出来るようになりますから
温かく見守って上げて下さい。」
今でも、主治医の言葉。覚えています。
専門は、脳神経外科だったんですよ(笑)

若くて、患者と向き合う熱血漢溢れる医師でした。
9ヶ月のお付き合いでした(笑)

「もう来なくてもいいよ。」そう言われて
不安そうな顔を、きっと私がしたのでしょう。
「あっ。でも、何か話したくなったら、いつでも来て下さいね。」
その言葉があったからこそ、何かあれば、また 先生に言えば
私は救われる。そう思ったんですよね。
それ以来、受診することもなく、その先生は他の病院に行ってしまったけど
今でも、その先生への感謝の気持ちは忘れません。

実母も闘病23年。最後はちょっぴり我儘になったけど
それは、実母が言っているのではなく、病気が言わせているだけ
そう思って、何度も泣いたけど
自分が病気になって、どうしようもない感情を
夫のぶつけてしまったことも申し訳ないと思いました。

うつ病は、現代病でもありますね。
ストレスの多い社会。
人との関係の希薄さもあるかもしれませんが
私は、一人では決してないと、もう判っているから
もう、なることはないでしょう。

病気に飲み込まれると、うつ病にもなってしまうこと
誰にでも、なりうること。

優しい心でいたい。

コメントなのに、長文になってしまって、
ホント、御免なさい
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Unknown (長崎沙織)
2010-12-12 15:15:54
喧嘩も生きてればこそだったんですよね。

妹さんは
ベルママさんの知らないところで
「ありがとう・・」と
何度もつぶやいていたと思いますよ。
甘えられる人にに気持をぶつけることで
病気と闘う自分の心を
保っていたんでしょうね。
人知れず流した涙を想像すると
胸が熱くなります。

妹さんが
車椅子から見上げた風景・・。
その中に妹さんのご主人や
娘さんや そして
たった一人のお姉さんの
ベルママさんがいてくれたことは
穏やかで幸せな
毎日だったと思います。

今 生きていること
それは もしかしたら
どんな奇跡よりも
凄いことかもしれませんね。






返信する
あっ (ポラリス)
2010-12-12 17:22:16
↑ 自分のことばかり書いてゴメンなさい

妹さんも、きっと一人じゃないと
気付いていたと思います。
ただ、辛かったんだと思います。
長い闘病は、本当に辛い。
側に見守る家族も辛かったと思います。

ベルママさんやご主人には
すごく感謝していたと思います。
返信する
生きていればこそ・・ (koumama)
2010-12-12 17:34:36
ベルママさんの記事・・何度も読み返しています。リッスのコメントも沙織さんのコメントもやっぱり何度も読み返しています。
私の後輩で 妹のように可愛がっていた後輩が今 家にとじこもって うつ状態なのか・・ 一向に外に出て来ない状態が続いています。
原因はなんなのか
いろいろあったんでしょう でも一度 1年間のうつ状態の後 後輩は外に出てきて 笑顔を見せてくれました。
私も ただただ待っていただけだけど
待っててくれた先輩の気持ち嬉しかったっていってくれて 私も喜んでいたのですが・・
また 繰り返すのでしょうか。
その笑顔もつかの間・・またひきこもってしまったのです。
またいつ復帰してくれるかわからないけれど
たぶん 私はこれからもただ待っているしかないけれど 
彼女が返ってきた時に戻ってくる場所はそのまま守っていてあげたいと思っています。

ベルママさんの妹さんも ベルママがお姉さんで幸せだった と思いますよ。
理解してくれる人がそばにいた・・それだけで妹さんは救われたと思います。

私も
大病してから・・いつも思っています。

生きているからこそ 辛いこともあるけれど
生きていなければ それを笑顔に変えることもできない
人は辛いことの半分を忘れさせてくれる能力があるそうです。

ベルママさんも リッスや沙織さん みんなも たくさん辛いことがあった分。やさしいのですね。
長くてごめんなさい。ベルママさん。
いい記事をありがとう。 
返信する
ポラリスさんへ (ベルママ)
2010-12-12 23:22:46
いっぱいコメントありがとう~。

患者さんと合う先生を見つけるって大変みたいです。
ポラリスさんは凄く良い先生に巡り合ったんですね。

妹は医師を信頼できなくて苦しんだ面もありました。
自分は実験台にされているのではと疑っていました。
透析をしなくてはならなくなって
手首にバイパスを入れる手術の時も
当日怖くて部屋から逃げ出した事もありました。
気持が穏やかに日に急に手術をしてくれました。
でもね・・・頻繁に透析をする事はなかったんですけど。


妹は、苛立ちを旦那さんにぶつけて私が聞いていても可哀そうでした。
そういった事で私と喧嘩になった事も何度かありました。
妹は「自分の旦那だから気持をぶつける事が出る」と言いました。

妹はすべてを分かっていたような気がしますが
病気が素直さを無くし自分でもどうする事も出来なかった気がします。

そう思えるようになったのは本当に最近の事なんですよ。
私がもっと理解できる人間だったら
辛い思いもしなくて済んだのかなとも思えます。

病人と向き合うって本当に難しい事ですね。

健康な人間には尚更分かるのは難しいです。

それでも、それに気が付いただけ少しはいいのかな ?

誰もが優しい心を持つ事が出来たら・・・
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Unknown (madame-viola)
2010-12-12 23:26:36
ベルママさんの記事そして皆様のコメントを読ませて頂きました。
文章表現が下手なので、文章に表すことが出来ませんが・・・
koumamaさんの「生きているからこそ 辛いこともあるけれど
生きていなければ それを笑顔に変えることもできない」
この文を繰り返し呟いている自分がいました。
返信する
沙織さんへ (ベルママ)
2010-12-12 23:33:31
妹は幼い頃から甘えん坊でした。
そのくせ結構しっかりしていて
いつも私の方が妹に見られていました。
頼りのない姉なんです。

後悔先に立たずって言いますが
もっと優しく接する事が出来たらと
今でも想う時があります。

車椅子で新しい家に入る時もスロープがあり
それを自慢していた妹の顔が浮かびます。
車椅子の妹は家の中で一番偉い顔をしていました。
我が儘し放題、言いたい放題の妹を
全部受け入れて面倒を見てくれた義弟には感謝です。

最後の一年は笑顔でいられた事は
辛かった闘病生活を忘れさせてくれたんですね。

妹の笑顔を思い出す事ができて私も少し嬉しいです。

いつも優しいコメント、ありがとう。
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koumamaさんへ (ベルママ)
2010-12-12 23:53:47
koumamaさん、この間 kam☆kamさんと宛名を間違えて失礼しました。


うつ病になる人は本当に真面目で優しくて
人に気ばかり使う人が多いそうですよ。
お友達もきっと真面目で優しい人なんだろうと想像します。
心の病って人に理解してもらえない場合が多いと思います。

時間を掛けて気長に見守ってあげて下さい。

きっときっと笑顔を見せてくれる日が
必ず来る事を信じて待っていてあげて下さい。

待っている人がいるって事は
病んだ人にとって とても心強いと思いますよ。


生きていればこそ・・・
本当に私もそう思います。
今思えば辛いと感じた事なんてあまり覚えていません。
生きているから忘れられるんですね。

素敵な言葉をありがとう。

私も皆さんの心ある優しいコメントを何度も読み返しました。

ありがとうございました。
返信する
violaさんへ (ベルママ)
2010-12-13 00:02:27
本当にそうですね。

生きていればこそ・・・
私も とても心に響きました。

だから今を大切に毎日を過ごす事が出来たら
生きている意味があるような気がします。

暖かい仲間と知り合えて幸せ気分なです。

いつもコメントありがとね~。
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ベルママさんへ (norinorimiffy)
2010-12-13 08:02:59
久しぶりにおじゃまをして
そして
記事やみなさんのコメントに
あふれる あたたかい思いに
ひたっています

心の病
それは
身体の病と同じ筈なんですが
心の病だけは どうしても
本人にしかわからない 辛さがあるように思います
それに 共感することは とても難しいことですね
内科や外科は 身近な開業医さんによく見かけますが
精神科は なかなか見つからず あっても敷居が高く感じられるのが残念です
もっと 患者さんや その周りの人たちが
自分の思いを 先ず聞いて貰える場所が 他のお医者さんと同じように あればいいのにと 思うことが多いです

病気をしている人はもちろんのこと
そのまわりにいる人も 同じほど
悩むことは 多いですね
どちらの立場も 人ごとではなく
いつ 自分におこってくるかわからないことです
まずは そう思うことが 大切だと思います
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