夏休み企画？―たまには怪談を喋りたい―（あるま）

こんばんは。


あなたがこれを読んでる時間帯は知らんけど、こんばんは。



この時期になると、好きなんですよね。


「怪談」






夏らしい企画として、今回は怪談をひとつ、書かせていただきます。






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私が今年の４月に体験した話です。


日曜日だったんですが、父と母が法事で出かけることになりました。
息子の私は、親戚にしては遠いから出席しないでいいだろうと。それで私は家に残ったんですが。


夜になって、父だけ家に帰ってきました。
母は、せっかく親戚が集まるからって、向こうの家に泊まることにしたんです。



翌日は月曜日です。
父だけ仕事で、私は休みでした。


私は日曜は夜中まで起きていたものだから、月曜は10時半ぐらいまでぐっすり寝てました。
で、父の布団のそばに、目覚まし時計が転がっていて、気づいたんですが。

その目覚まし時計、止まってたんですよね。電池切れです。

いつもは母が起こしてくれるので、父は時計なんて使ってないんです。
それで家の中にある目覚まし時計を探してみたけれど、電池が切れていた。そういうことです。
私は、父が寝坊しないで起きられたのが不思議でした。


いきなりですけど、錦織選手って居ますよね。テニスの選手です。
うちの父は、彼のファンだった。

日曜の夜は、その錦織選手の試合があったんです。
でも海外でやる試合だし、テレビでの中継が０時半だとか１時だとか言われていて、父は翌日仕事だから困っていました。

それでもギリギリ遅くまで見ていたんだろうと思います。


それで朝になると、目覚まし時計は止まっているし、父は遅刻してないしで、よく起きられたなと思っていたんです。


夜になって、父が仕事から帰ってきました。
母はまだ親戚の家だから、この夜も私と父だけです。

父はスーパーの弁当と一緒に、電池も買ってきていました。
早速、その電池を目覚まし時計にセットする。
その時に、変なことを言うんですよね。


今朝はよく起こしてくれた、って。私に。
目覚まし時計が止まってるのによく気づいたな、って。


自分は「え？」としか言いようがないです。
どういうことなんだと。


父の説明は、こうでした。


今朝、父が寝ている部屋のドアが、叩かれた。
それはちょうど、父がいつも起きるぐらいの時刻だった。
だから、私が起こしに来たと思ったんだと。気がきくな、って思ったと。


私が「そんなことしてない」と言うと、父は「なに言ってるんだ」と笑うだけ。

私は言いました。本当だと。昨夜も夜中まで飲んでいて、寝たのが夜中の３時近くだ。それで今朝の10時半までぐっすりで、一度も起きなかった。トイレで起きることすらなかったと。

二人とも、困ってしまいました。

父は、確実に二回はノックしていたと言う。それを私が起こしに来てくれたと、今まで思い込んでいたらしい。

一体、どういうことなんだ。

結局、「まあ、たまにはこういうこともあるんだろう」ってことで、話しは終わりました。

真相なんて、分かりっこないですしね。


でも一つ、分かった気がするんです。
納得できる理由があったというか。
「あー、そういうことなのかな」と。


うちの父、前の日は法事に行ったんでした。