島のまにまに~インドネシアの小径~

海洋国インドネシアのあちこちでで出会う、美しい村、美しいもの。自然とつながる暮らし。

高原の農家が作るコーヒー

2012-10-05 | 紅茶・コーヒー

フローレス島はコーヒーの島。
すなわち、誰もがコーヒーを飲んでる島。
日本人が、ことあるごとにお茶を飲んでるように、
何はともあれ、コーヒーを飲む。
それに対して、ジャワ島は紅茶の島だ。

フローレスでは、コーヒーは自宅やら近所やら親戚やらが手作りしているもので
紅茶はお店で買うものだ。だからコーヒーは普段の飲み物。紅茶はちょっとよそいき。
ジャワでは、地元の人が行く食堂や屋台で、コーヒーの値段は紅茶の倍以上する。フローレスでは同じか、時折紅茶のほうが高い。フローレスで出される紅茶はみんなティーバッグで、味が薄くて、正直、おいしくない。

乾季にフローレスの山間を訪ねると、どこでもかしこでもコーヒーを干している。
コーヒーの作柄は気候によって大きく変動するらしく、雨季の雨の量なんかに大いに左右されるようだ。

庭先でコーヒーを搗いている光景もよく見られる。
搗いたものは大部分家族が飲むものだろうと思う。
パサール(市場)では、これをビニール袋に入れて主婦達がそれぞれ売っている。
メーカー品ではなく、各家庭の手作りだから、味は大きく違うはずである。

ビニール袋は、無地だったり、コーヒーと印刷されていたりするが、生産者名なんて書いていない。袋の端をおそらく鉄の棒を熱したものかなんかで加熱して溶かして封をしているのだろう。日本の食品加工業者が持っているような立派な道具があるとは思えない。そもそも電気すらあまり自由には使えないのだから。
スラウェシ島のタナトラジャでは、ライターの火で袋の端をあぶって封をしているのを見た。
大それた道具なんてなくたって、いろいろやれるのである。
インドネシアに行くと、自分が(今の日本人が)いかに創意工夫なく暮らすことに慣れているかに思い知らされる。科学技術の恩恵の中に浸かっていると、頭と手を使うことを忘れてしまう部分がある。

コーヒーを搗く音がポン、ポン、ポンとどこかから聞こえてくるのは心地いい。

しかし、コーヒーを作っていない人はコーヒーを買わなければならなくて、それは結構高くつくものである。生活の中でコーヒーは絶対なくちゃいけないものなのだ。
ただ、コーヒーに入れる砂糖をもっと減らせば、かかる金額は半分ぐらいになるんじゃないかと思う。



写真上/フローレス島ルーテン近郊の村。コーヒーの横にはテレビのパラボラアンテナ。
写真下/フローレス島バジャワ近郊の村。後ろに手織りのサロン(布)が干してある。(2012年)

タナトラジャの村のコーヒーとかわいい子ども


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