インドネシアの田舎で見かける屋根の素材は
トタン、竹、ヤシ、アランアラン(チガヤ)。
ヤシも大形の葉のと細い葉のがあるし
竹の使い方も私の知るのは3様。
この写真の家の屋根は、私の見た範囲では珍しい形で
竹をスリッパぐらいの大きさにして瓦屋根みたいに載せてある。
日本でも昔、クリやネズコの木を薄くへいで(=そいで)
屋根板にしていた地域が少なくない。昔は均一な板を作るのは難しかったから
割るような感じで5ミリぐらいに薄くそぎとっていくらしいのである。
へぎ板でなければ杉皮などでやっていた。
そういう材料を下から順に重ね合わせて雨が漏らないようにするということである。
竹というのはインドネシアではどれぐらいもつものであろう。
日本では、木6竹8と言って、竹は8月過ぎに伐れば使える材料になるが
春から夏は水を上げているから、その時期に切った物は
虫が入りやすかったり腐りやすかったりして、ほとんどもたない。
私の経験では雨ざらしでは翌年までもたない気がする。
インドネシアは年中暑いが、フローレスなどでは乾季がはっきりしているので
なんとかなるのかもしれない。
しかし、フローレス同様、竹を多用するスラウェシやジャワでは
年中水を上げていそうな気がする。
それだといつ切ってもあまりもたないということになってしまう。
上手に水を抜いて乾燥させる術を知っているのだろうか。
しかし、上手に乾燥させてあったとしても、高温多湿の国だから、
劣化は日本より早いだろう。このような竹の屋根を10年もたせることは難しそうに思えるが
どうだろう。
以前に書いたスラウェシのタナ・トラジャの、
竹をかやぶき屋根のように重厚に重ね合わせたのだと
もう少しはもちそうな気がするけど。あのタイプだと大変だから、それぐらいはもたなければ困るだろう。
写真/フローレス島マンガライ県(2012年)
にほんブログ村へ