十月、夢は今時の運動会を見てみたいと思い、また六小を訪ねました。着いて
六小を見ましたが、六小は、子どもたちの競技を見るのに夢中で、夢が来たことに
全く気づいていません。夢は、六小に声をかけようとしましたが止めました。そして、
黙って六小といっしょに、子どもたちの競技を見ていました。少しして、夢に
気づいたのか、突然六小が大きな声をあげました。
「あれぇ、夢ちゃん、来てたの。全然気づかなかった。声かけてくれれば
よかったのに。」
六小は、夢に会えた喜びを表すようにチカッチカッと光っています。
「うん、そうしようと思ったんだけど、六小さんがあんまり夢中になって競技を
見ているから、悪いと思って声かけなかったの。」
夢が答えると、六小は、
「ふーん、そう。気つかわなくてもよかったのに。今日はゆっくりしていけるの?
ゆっくりできるんだったら、最後まで運動会見てってよ。ね!」
と、絶対最後まで見てって、と言わんばかりに夢に言いました。
「今日は、そのつもりで来たからいいよ。」
夢が言うと、六小は、
「わぁ、よかった。」
と言い、そして、うれしそうに何回もチカッチカッと光を放つのでした。