風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

風の向こうに(第三部)六小編 其の弐拾参

2010-05-05 21:32:49 | 大人の童話

夢の姿を見た六小は、早速大きな光を放ち喜びを爆発させ、相変わらずの調子で

夢を迎えました。

「夢ちゃん、夢ちゃん!うぇ~ん、会いたかったよぉ~。」

「何、六小さんたら。一昨年会ったでしょ。」

夢は、『もう、六小さんたら。ほんとに、変わらないなぁ。にぎやかなんだから。ま、

でも、そこが六小さんのいいとこかな。』などと思いながら、にこっと笑って言いました。

「だって・・・・」

六小は口ごもっていましたが、突然

「夢ちゃん、今日はゆっくりお話できるよね。」

と、前はゆっくり話せなかったから今度こそゆっくり話すんだから、という感じで

夢に念を押すように言ってきました。夢は、う~ん、そうねえ、という感じで

「う・ん、たぶん大丈夫。」

と答えました。そして、

「でも、お話する前に少しだけ待っててくれる?ちょっと確認したいことがあるの。」

と言って、校門を入って左側に植わっている樹の所に行きました。六小はそんな

夢を、何だろ、という感じで見ていましたが、気になってしかたないので、おもいきって

夢に訊いてみました。