『この茫漠たる荒野で』(原題:News of the World)2020年公開 アメリカ 主演:トムハンクス
昔、名瀬の映画館でみた西部劇映画と言えば、いつも晴れていた。
しかし、この映画は土砂降りの雨のシーンではじまる。
※「西部劇では常に晴れている、だからこそ雨にしようと思いついた」のは黒澤明監督だそうだ。
※ユル・ブリンナーとスティーブ・マックイーンが出演した1960年のアメリカの西部劇『荒野の七人』は、黒澤明監督の日本映画『七人の侍』(1954年)が原作。その舞台を西部開拓時代のメキシコに移して描いたリメイク映画。
本作のタイトル『茫漠たる荒野で』は、晴天、砂ぼこり、広大な原野、夕日、朝日が遠い山々にかかる、馬車旅、銃撃戦などを連想させる。(原題:News of the World)とはだいぶかけ離れている。
トムハンクスも私のなかでは、西部劇のそんなイメージとはすぐには結び付かない。
主人公はトムハンクスの役は南北戦争(1861~65年)後のアメリカテキサスを舞台に、各地を旅する退役軍人の男・ジェファーソン・カイル・キッド。行く先々で新聞のニュースを読み聞かせをすることで生計を立てている。その職業もピンとこない。(南北戦争後6年頃の話というから西南戦争の前年頃か)
しかも馬車には9歳の孤児を乗せている。
逆にこれらの違和感がトムハンクスの名演と相まって最初から最後まで見るものを引き付けるのかも知れない。先が読めないが安心して見られるいい映画だった。専門家の評価も高い。
wikipedia『この茫漠たる荒野で』(原題:News of the World)は2020年に公開されたアメリカ合衆国の西部劇映画である。監督はポール・グリーングラス、主演はトム・ハンクスが務めた。本作はポーレット・ジルズ(英語版)が2016年に上梓した小説『News of the World』を原作としている。
本作は日本国内で劇場公開されなかったが、2021年2月10日にNetflixによって配信された。