東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

「ヒマラヤ アルパインスタイル」 山と渓谷社

2007年12月07日 | ヒマラヤ

ここに知人からしばらく借りっ放しになっているヒマラヤの本が一冊ある。「ヒマラヤ アルパインスタイル」 山と渓谷社刊 ¥4800の本だが、エヴェレスト、K2といった高峰から7000m峰~ クワンデ、シブリン、チャンガバンのような6000m峰まで39座から選りすぐった40ルートを詳細に解説したものだ。なぜか出版年月日は無いが、おそらく15~20年くらい前の本だろう。

自分では山の本など最近買ったことは無く、しかも¥4800もする本などまったく食指が動かないが、読んでみると思わず引き込まれる様な思いで一気に読んだ。アルパインクライミングが最盛期を迎えるこの頃、ヒマラヤでは目覚しい記録が次々に打ち立てられ、高難度の壁やリッジなどが陥落していった。著者はイギリス人のアンディ・アンショウという29歳の先鋭クライマーで、山岳ライターとしても活躍していたがスコットランドで登攀中に死亡した。死後やはりクライマーのスティーブン・ヴェナブルズに引き継がれ本は出版された。

この本の素晴らしい所はアルパインスタイルで、あるいは最小限の固定ロープしか使わない少人数によって登られたものばかりで、挑戦する意欲を賞揚ししてその可能性を探る所に有る。納められた写真はクライマーでしか撮れない素晴らしい画像で、8000m峰でもあまり公開されていない写真も多い。日本側で編集したのか、以前に初登頂した日本隊の記録も網羅しているところも嬉しい。古典的な極地法とはいえ日本隊の活躍あってこそ、今のアルパインクスタイルが有るとも言える。

 自分にとって今ではヒマラヤなど無縁だし、未登峰あるいは未登のルートを追う要素も無くなり、かつての様な魅力もあまり感じない。フィックスが頂上直下までベタ張りのルートなどは、嫌でも幸運とお金に左右されると言うのもいま一つ・・・。しかし読み物としての楽しみだけは取っておきたいものです。
暫くは返し忘れた事にしておきます。

  

  右はブロードピーク中央峰から見るK2のアブルッツイ稜とルート図

 

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