東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

深刻なナラ枯れの被害

2007年10月05日 | 林業

「ナラ枯れ」って聞いた事ありますか?
この被害は紅葉の時期でも無いのに、ミズナラ、カシワ、コナラ、クリの木が枯れてしまい、葉が赤くなってやがて枯死してしまう現象である。話には聞いたことが有るが実物を垣間見た事は無く、先日の朝日連峰の三面コースを訪れた折、その被害の深刻さをまざまざと見せつけられる事となった。

奥三面ダムを出発して三面小屋を目指し、心地よいブナ林を散策気分で歩いていた時、太いミズナラの木下に多量の木屑が散らかっていた。最初はなんだか解らなかったので良く木を観察した所、樹皮には5mmくらいの無数の穴が開き、そこからまだ新しい細かな木屑がこぼれている様だった。その数は2~300ヶ位は有ると思われ、その木を見上げてみると葉がすっかり赤く色づいている。急激に枯れだした為か葉は落ちていなかったが、まだ紅葉など程遠い沢筋の林での姿は異様に感じられる。
それよりもこのすさまじい被害の進行を見ると、何か恐ろしい自然破壊が起きている様で薄気味悪さを感じる。

ナラ枯れの原因はカシノナガクイムシという害虫が穿入し、その媒介によってナラ菌が多量に繁殖し、形成層が壊死して通水障害を起こして木が枯れる。その数は何百・何千にもなるらしい。そしてその進行の速さは急激で、枯れ始めてから3ヶ月ほどで枯死が終了すると言われている。この被害は北陸、新潟を経て山形県の庄内に達し、現在は秋田県の一部にも及んでいる。現在、薬剤注入などが試みられているが今の所有効な防除方法は無く、成虫になったカシノナガクイムシが飛散して広がる一方で、この状況が続けばナメコ・シイタタケのホダ木となるミズララ、コナラなどは大きな被害を受ける恐れがある。やはりこれも温暖化と無縁では無さそうに思える。

       おびただしい虫の繁殖力

 

          三面ダムの湖畔にて

 

 


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