不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Tra la mente e il cuore 05.01.2013 Amore e Psiche

2013-01-05 22:25:00 | Tra la mente e il cuore
12月26日の投稿
Amore e Psicheでは
ギリシャ語のPsicheを「魂」と訳して
その点から作品を読んだのだけれど、
それはそれでよいとして、
実際に作品を観に行って、説明を聞いたら
「目からウロコ」だった。

ミラノに観光のために行ったのは随分久しぶりだった。
友人がピカソ展を観に行くと言っていて、
ピカソにはこれっぽちも興味がなかったけれど、
私は私で同じ日に
このアモーレとプシケを観に行くつもりだったので
ついでにピカソ展も観てきた。
イタリアでこの規模のピカソ展は
1953年以来2回目とかで人気の展覧会となっていて
実際会期が延長されたほど。
予約がなければかなり待つという噂で、
友人が事前予約をしてくれたので、
すんなり入れたけれど、
会場もわさわさと人がいた上に、
展示順序の動線が非常に悪く
せっかくの展示なのに、非常に周りにくかった。

ピカソに興味がなく
(というより現代美術に興味がないんだけど)
いわゆる一般人としての知識以外は
まったく予備知識なしで観に行き、
彼の初期から晩年までの作品を一気にみて
なんとなく、わかったようなわからないような。
彼の度重なるスタイルの変化には
それなりのきっかけがあったのだろうということまでは
なんとか理解したけれど、
そのスタイルの変化自体は到底理解できず。
まぁ本人しかわからない部分だってあるでしょうし。
それでもたくさんの作品を一度にまとめて観て
ピカソで満たされた気分にはなった。
もうしばらく(もしかしたら一生)
いらないかもしれない、ピカソ。

で、ランチを挟んでアモーレとプシケ。
こちらは入場無料で予約不可。
ランチ前にちらと様子をのぞいた時にも
長蛇の列ができていたけれど、
展示作品は2点だけなので、
列の流れは比較的早いから
午後にゆっくりということに。

実際、ランチ後も相変わらずの列ではあったけれど
列は一定の早さで動いていた。
友人とともに並ぶこと40分。
しかし、この40分をかけても見る価値のある展示だった。
入場無料なのに、
入り口ではパンフレットのほか、
作品を印刷したきれいな絵はがきがたくさん置いてあって
自由に持ち帰ることができるほどの
大盤振る舞いっぷり。
そして、中に入ると、30人程度のグループごとに
ガイドがついて、二作品を懇切丁寧に説明。
至れり尽くせり。

我々のガイドは若いお姉ちゃんだったのだけど、
とても優秀な人で
本当にありがたいお話が聞けて嬉しかった。

芸術作品は基本的な情報さえ押さえていれば
それぞれに解釈してよいと思うのだけど、
彼女のバージョンはPsiche=魂を
「愛」と捕らえた解釈で、
実に愛に満ちた解説だった。

ジェラールの絵画作品で
私が腑に落ちなかったのは、
アモーレの初めての口づけを受けるのに
プシケがとんでもない、あらぬ方向を向いていること。

そしてカノーヴァの彫刻作品で
私が腑に落ちなかったのは、
アモーレの方がプシケよりも背が低いこと。

この二つについて
彼女はきちんと答えをくれたのだ。
すごく得した気分なのだ。
もしかしたら
そんなこと知っている人も多いのかもしれないけど
私は初めて知ったのだ。

その答えを教えろと思った人も多いよね。
もったいないからメールマガジンに書くことにした!
ということで、2-3日後に。


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2013-01-05 18:05:08 | Tweet Log