不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Giorno della Memoria

2013-01-27 23:24:16 | 日記・エッセイ・コラム
1945年1月27日、
旧ソヴィエト軍によって
アウシュビッツの鉄門が開けられ
収容されていたユダヤ人が解放されました。
ユダヤ人の解放を記念するとともに
自らの命を危険に晒しながらも
彼らを助ける努力を惜しまなかった人々を讃えるために
ヨーロッパではこの日を記念日としており
イタリアでも2000年から記念日となっています。

イタリアは三国同盟でドイツと足並みを揃えていた間は
国内のユダヤ人に対する迫害も
それほどひどくはなかったものの
イタリアが同盟解消したあとは
イタリア国内からもドイツ・ナチス軍によって
多くのイタリア系ユダヤ人が
アウシュビッツをはじめとする収容所に連行されました。

フィレンツェにも古くからユダヤ人コミュニティがあり
現在のコミュニティの拠点ともなっているシナゴーグは
1882年に建てられたものです。
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寒い1月の日曜日、ランチのあとに
友人たちとシナゴーグ&ユダヤ美術館に足を運びました。
これまでも何度か足を運んだことがあり、
友人にもユダヤ教徒がいることもあって、
少しばかり知識はあったけれど、
今日はたまたまガイドの説明を聞く機会があって、
今まで知らなかったことを知り、
そして改めて人間の残酷さや愚かさを実感。

2011年の作品だけれど、
イタリアではこれまで公開されていなかった映画
「In Darkness」がようやくイタリアでも公開になるようで、
フィレンツェでも上映されるのを待っているのだけど、
先週公開にならなかったので、
残念ながら本日鑑賞できず。
近いうちに鑑賞できるといいのだけど。
作品紹介(イタリア語)
ポーランド人の女性監督 Agnieszka Holladによる、
実話をもとに製作された作品。
第二次世界大戦下のユダヤ人迫害から逃れるために
下水道に逃げて暮らしたユダヤ人グループと
それを助けた男の話。

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YouTube: IN DARKNESS official trailer in HD!


イタリア語版はこちら


昨日観た映画「Django」では、
奴隷制の問題を取り上げていたけれど、
このユダヤ人迫害にしても奴隷制にしても
人類って長い歴史の中でも
自分と異なるものを受け入れる準備のできていない
弱い動物なんだなと、ふと思ったり。
それは現代社会でも同じなんじゃないかと。
我々人類とは、
時に命に対する尊厳もなく、
命をモノのように扱える非情で残酷な生き物でもありうる、
ということを改めて思い知らされたというか。

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YouTube: Django Unchained - Trailer italiano in HD



人類が人類である以上、
残念だけれど、きっとこの世から差別や迫害はなくならない。
それを知った上で、
自分と違うものをも受け入れられる強さを
死ぬまでに身につけられたらいいのにと思う、
アウシュビッツ解放記念日でした。