Horse Racing Cafe

不定期更新万歳ヽ(´ー`)ノ

最後まで主役であるということ

2006-12-31 21:27:56 | 競馬雑感

  2006年も今日で終わり。2006年の競馬界も色々あったわけですが、思うに今年の競馬界を語る上で不可欠なのは〝ディープインパクト〟と〝海外遠征〟(まあ、ありきたりですが)。そのことは競馬月刊誌・優駿の表紙をディープインパクトと海外遠征関係が8ヶ月も占めたことからも分かるかと(2月号はまだ出ていませんがどうせディープだろうと思われるw)。ディープインパクトという馬に関しては今更私がアレコレ言っても既に語りつくされたことしか言えないのでここではあまり語らない・・・つもりだったが思いのほか長くなってしまいましたな。
 
 
 今年でディープインパクトは引退するわけなのだが来年の古馬戦線を見てみるとどうであろう。主役になる馬(候補)は当たり前であるがディープインパクトの相手にならなかった馬なのである。どれだけメイショウサムソンやドリームパスポートが活躍したところでディープインパクトという大きすぎる影は付いて回るのだ。結局、ディープインパクトは次世代に主役バトンを渡すことを拒否した。こんな後輩にバトンを渡すくらいなら自分で物語を完結してしまおうと考えたのであろうか。そこが晩年には次の世代のことも思いやったこれまでの名馬と異なるところ。テイエムオペラオーは5歳時に本人の意思とは関係無しに秋3戦でバトンを次世代に渡した形となり、そのオペラオー自身4歳時の宝塚記念でグラスワンダーの骨折というアクシデントがありながら98年世代からバトンを渡されている。同じ三冠馬にしてもナリタブライアンはサクラローレルにバトンを渡し、ミスターシービーはシンボリルドルフに渡した。シンボリルドルフはディープインパクト同様に渡すことを拒否したとも言えるか(シンボリクリスエスも当てはまるか)。いや、ルドルフは日本最強馬という看板を引っさげて欧米遠征するという確かな〝目標〟が存在したためにバトンを渡すわけにはいかなかった。路線を変えてみても短距離ではタイキシャトルがマイネルラヴの前に倒れ、ダート界ではアドマイヤドンもひっそりと引退した。バトンを渡すことを拒否した馬ではノースフライトとサクラバクシンオーだったり、牝馬戦線ではメジロドーベルといった先例があるものの、古馬中長距離で最後まで主役の座を譲らなかった例は非常に珍しい。

 ルドルフの相手にならなかったミホシンザンや須田鷹たちは翌年の古馬中長距離路線では故障などもあり主役を張ることができなかった。クリスエスに千切られた各馬は翌秋になりゼンノロブロイが格好をつけたものの春競馬では主役になれなかった。今回はどうなのであろう、有馬記念出走メンバーに翌春の主役を望むことができるのであろうか?願わくはディープインパクトには来年も現役を続行してほしかったことは多くの競馬ファンの共通の思いでもあると思うが、それはディープインパクトの唯一成し遂げることのできなかった凱旋門賞へのリベンジという思いであると共に、ディープインパクトが過去の名馬の例に漏れず次世代に繋げる競馬を見て見たかったという思いもあるのではないかと思う。

 結局、ディープインパクトは「中山不安」とか「前走の反動有り」とか何とかいう外野の声もどこ吹く風で有馬記念を圧勝した。最後まで我々はこの名馬に全力を出させる舞台を用意することもできず、この馬固有の人気を他の馬にまで波及させることができなかったように思える。一頭の馬が圧倒的に強い競馬も面白いが、高レベルの馬数頭で織り成す競馬のほうが後々語りやすい。オグリキャップが未だに語られ続けるのはオグリの持つドラマ性、狂気とも言われた使い方もさることながら、タマモクロス、スーパークリークといった欠くことのなかったライバルに依拠する部分も多いだろう(まあ、そのライバルもオグリの持つドラマ性の一部分とも言えるのだが)。オグリキャップのレースと聞けば89年のマイルチャンピオンシップやJC、ラストランの有馬記念などすぐに思い浮かぶ。では、ディープインパクトと聞いてどのレースが思い浮かぶか?ディープインパクトには名勝負が無い…というかライバルがいない。日本人の大好きなライバル物語や挫折からの復活といった話も無いのに(凱旋門賞後のゴタゴタはそうとも言えなくも無いか)あれほどの人気を博したのは非常に珍しい出来事。逆にこういった今までの競馬の枠組みに嵌っているスターとは違った型破り的な名馬だからこそ〝ディープインパクトブーム〟なるものが起きたのではないかとも思ってしまう。

 さて、泣いても喚いてもディープインパクトは引退してしまった。来年から、我々は何を感じ取ればいいのか。いや、古参の競馬ファンからしてみたら父ステイゴールド×母父メジロマックイーンといった(*´Д`)ハァハァな存在のドリームジャーニーが最優秀2歳牡馬(たぶん)で父ジャングルポケットのフサイチホウオーがクラシック最有力候補というクラシックは(*´Д`)ハァハァものだろう。では、ディープインパクトで競馬を始めたファンは?彼らが競馬を今後も見続けたとして、それがディープに類する馬を探すためであるならば悲しいことかもしれないし、それは理解することもできる。それだけディープインパクトと言う存在はここ2年間にわたって圧倒的なものである。B.ブレヒトは「英雄のいない時代も不幸だが、英雄を必要とする時代はもっと不幸だ」と述べた。では、我々は英雄を求めずに競馬を見続けていくことができるのであろうか?少なくとも春競馬では英雄の影を感じずにはいられないのではないか。残された馬たちにはディープ去り後の王座を争うという大事な仕事と共に、ディープインパクトという影を払拭するというシンドイ仕事も待っている。これは引退後にどうしても神格化されることが否めないという時点でディープインパクトを現実に負かすよりも厄介な仕事であり、そんな重い仕事を最後の最後に後輩に対して用意したディープはイヤらしい名馬なんだな~とどうしても思ってしまう(笑)

 
 
 2006年の海外遠征は正月かな。それでは皆さん、よいお年を~。


女王の後を継ぐものは

2006-12-20 23:38:28 | 海外競馬(アメリカ)

 http://news.bloodhorse.com/viewstory.asp?id=36756

 日本のJRA賞にあたるカナダのソブリン賞発表が16日にあり、年度代表馬にはアメリカンオークスで3着、デルマーオークスで1着などカナダのみならずアメリカにおいても活躍をしたArravaleが選出されました。他にも最優秀3歳牝馬にKimchiという名前がありある意味話題になっていますが、こんなものより注目すべきは2年連続で最優秀見習い騎手の部門を受賞したEmma-Jayne Wilsonの名前ではないかと(ちなみに、先述のArravaleとコンビを組んでレースにも勝利している)。そう、何故注目せないけないかというと知っている方は知っていると思うがEmma-Jayne Wilsonは女性ジョッキーなのである。


 日本で女性騎手と聞いてパッと浮かぶのは中央では増沢由貴子(人妻…)であったり、自称・蒲郡のチャン・ツィイーこと細江純子元騎手。地方では女性騎手最多勝を更新し続ける宮下瞳であったり、JBCに女性騎手として初騎乗したばかりか浦和記念ではキングスゾーンを駆って連にまで絡んじゃった山本茜(瞳姐さんを猛追中)や高知の別府真衣なのだろう。海外にまで目を向けるなら女性騎手としては初めて中央競馬のグレードレースを制した(中山グランドジャンプをギルデットエージで)R.ロケット騎手だったり、記念すべき短期免許第一号として来日したリサ・クロップ(ダビスタである意味有名化。でも、帰国してからNZでリーディング取るなど腕も確か)になるのか。


 いや、女性騎手といったらジュリー・クローンが第一人者であると主張するという人も多いだろう。女性ジョッキー初の米三冠レース制覇(93年ベルモントSをColonial Affair)やブリーダーズC制覇(03年ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズをHalfbridled)などグレードレース132勝(うちGⅠ22勝)、通算3704勝を挙げた実績は他に追随を許さない素晴らしい戦績である。

 だが、その領域にもしかしたら手が届くかもしれないという女性ジョッキーがいる(しかも2人も!)と知っていたであろうか。一人が上に述べたカナダ生まれのEmma-Jayne Wilson(エマジェイン・ウィルソン)であり、もう一人の騎手が若干18歳のアメリカ人ジョッキー、Anna Rosie Napravnik(アンナ・ロージー・ナプラフニック)である。


Emma-Jayne Wilson
 Emma-Jayne Wilsonはカナダのオンタリオ州生まれの25歳。9歳から乗馬を始めると、子供のときからなりたかったジョッキーの夢を叶えたのがカナダの厩舎で調教助手を2年間務めた後の2004年。そして、初勝利は初騎乗からわずか2戦目でした。そこから、彼女は一気にスターダムへ登りつめます。2005年、デビュー2年目にして本格的にジョッキーへの道を歩み始めると、163勝を挙げたウッドバイン開催においてリーディングジョッキー輝きます。しかも、50年の歴史を誇るウッドバイン競馬場において、女性騎手が1年の開催を通してリーディングを獲得したのは始めてのことでした。そのような偉業を成し遂げた彼女が母国のソヴリン賞において最優秀見習い騎手を受賞したのこともごく当たり前なことでした。しかし、これだけではカナダに現れたスーパーウーマンへの表彰はまだ終わりませんでした。2006年の1月23日、アメリカにおいて第35回エクリプス賞が発表されるとEmma-Jayne Wilsonは見事ここでも最優秀見習い騎手を受賞したのです。その賞を女性ジョッキーが受賞したのは92年Rosemary Homeister Jrが成し遂げて以来、史上2回目の快挙でした。
 彼女の活躍は2006年シーズンが始まっても何一つ変わりありませんでした。順調にウッドバイン開催で勝ち星を重ねると国別対抗戦のシャーガーカップ(祐一がトラウマになっているアレね)に女性騎手としては初めて世界選抜の一員として出場します。そして、並み居る男性ジョッキーを押しのけウッドバイン開催において再びリーディングジョッキーに輝くと、彼女は2度目のソヴリン賞最優秀見習い騎手部門を受賞しました。


Anna Rosie Napravnik
 
Anna Rosie Napravnikは1988年2月9日(若いな…)、ニュージャージー州で生まれました。父親は農業を、母親は宿泊業を営む普通の家族だったようです。ただ、父親が仕事柄ベルギー馬を使用していたらしく、こんなところに彼女と競馬の接点があったようにも思われます。「7歳から騎手になることを夢見ていた」と初勝利時にNapravnik本人が語っているように、6歳になると馬の簡単な手入れを始め、16歳で両親の離婚という不幸な事態に遭遇すると、彼女の姉であるJazzが働いているH. Robinson調教師の推薦を受けブリーダーズCクラシックを制したConcernやノボトゥルーの父親でもお馴染みのBroad Brushを管理したことでも知られるR.W.Small調教師の下で騎手になるべく日々鍛錬に勤めました。
 2年近い下積み暮らしの後、R.W.Small調教師からジョッキーライセンスを受け取ると彼女は17歳で騎手としてのスタートを切り、ピムリコ競馬場において初騎乗初勝利という鮮烈なデビューを迎えます。師匠であるSmall調教師の管理するRingofdiamondsという馬で初勝利を挙げたNapravnikはその時のインタビューで「全く緊張はしませんでした。毎日Ringofdiamondsには調教で乗っていますしね」と答え早くも大物ぶりをアピールしています。
 その後、Napravnikは順調に勝ち星を重ね53勝を挙げたメリーランドでは見習い騎手リーディングに輝きます。しかし、彼女の活躍は見習い騎手という枠には納まりきりませんでした。2006年に入ると破竹の勢いで勝ち星を重ね4月のローレル開催においてリーディングを獲得すると続くピムリコ開催でもリーディングを獲得(2位にダブルスコア近い大差)し、メリーランド地区において彼女に並ぶ立つ者はいなくなってしまいました。そして、彼女は12月20日現在293勝を挙げ、勝ち鞍ベースでは全米6位につけています(賞金順では30位。ちなみに29位にEmma-Jayne Wilsonがいる)
 師匠であるSmall調教師は彼女のことを〝まるでスポンジのようだよ。すべてを吸収し、なおかつすべきことと、すべきではないことの区別が付くんだ〟と述べ、これからも彼女を最大限サポートすることを述べています。


 ふぅーオワタ。色んな所から集めて要約したから記事には若干の不安あり。間違いがあったらバシバシ指摘を…。というか、本当はもっと早くうpされる予定だったのにいかんせん文才がなくこんな遅くに・・・_| ̄|○   




2006香港國際賽事(3)

2006-12-11 00:17:32 | 海外競馬(香港)

 簡単に各レースの感想でも書いておこう

【香港ヴァーズ】
 Ouija Boardがスクラッチした時点で日本馬2頭にもチャンスはあるかなと思っていたのだが結果は案外。アドマイヤメインは菊花賞のように後続を離したレースをしなかったとしても単騎で行けたときはある程度の結果は付いてきていただけに今回は体調面に問題があったのか。まあ、Ouija回避による影響を一番受けたのはメインだろうしある程度マークされる立場であったから仕方が無いか。ソングオブウインドはスタートしてから自分の世界を築き上げ、3~4角で一気に進出するプチディープ張りの競馬をしたわけだが先に抜け出したCollier Hillを捉えきれないどころか、最後はKastoria、Shamdaraにも交わされ4着。前にも述べたように菊花賞は〝嵌った〟という印象が強くまだこのクラス相手にこの競馬では厳しいということでしょう。来年飛躍するためにこれを糧にすべきか。
 Collier Hillは強くなったな~。シーマクラシックで2着になった時は「2着なのに物凄い喜びようだった」とか皮肉られていたのにこれでカナディアン国際と併せて制覇か。タイムも含めてよく対応できたな。KastoriaはYeatsを下した愛セントレジャーのパフォを見ればこのくらいは走って当然。良馬場で巻き返した。Shamdaraは昨年の4着から一つ着順を上げたか。この馬もミラノ大賞典のように強い時もあればヨークシャーオークスのような時もある。この馬は分からんね。


【香港スプリント】
 メイショウボーラーはムラ駆けとかそういうレベルではなかった。とりあえず無事でヨカタ。藤田小姐は特に目立つところなし。このレベルでの馬もダメと言うことになると桜驀進王様のピーク時でも向こうの馬とタイマンはれるか分からんぞコリャ。
 Absolute Championはプレミアボウルの勝ちっぷりが素晴らしく本番でも当然有力候補だと思っていたら当初はレートが足らずに補欠候補だったのよね。出走できないというリスクを恐れずこのレース一本に絞ったホール調教師は賞賛されてもおかしくはない。タイム、勝ちっぷり共に文句無く来年は王朝建設かな~。まあ、時計のかかる馬場や直線競馬になったらまだ分からんけれど。
 今年から何度も言っているように1200mに変更になったわけだがあまり変わらんかった。直線1000mで行われたスプリントトライアルとの比較をしてみると以下のようになるわけだが。

トライアル(着順) →香港スプリント着順
1 Able Prince  →7着
2 Down Town  →4着
3 Natural Blitz  →11着
4 Silent Witness →2着
6 Sunny Sing     →5着
8 Scintillation  →8着

 Natural Blitzなんかはやっぱりダメダメだったと。今回そこそこ走ったSunny Sing、Down TownがAbsolute Championの勝ったプレミアボウル(1400m)でもそれなりに走っていることを踏まえると、求められる適正は1000mではなく1400m寄りなのかな。日本馬も純粋なスプリンターというよりも1400m重賞勝ち馬連れて行ったほうがいいかもしれない。スワンSなんか時期といい絶好のトライアルになりそうだが。


【香港マイル】
 いや、Armadaさんゴメンナサイ。うそ臭いとか言っていましたがその実力は紛れもなく一流馬のそれでした。The Dukeが念願の香港マイル制覇となったわけだがArmadaの伸び脚が目立ったレース。そう考えるとマイル路線にもスプリント路線と同じく世代交代の波が来ているのかな。まあ、Bullish LuckやらJoyful Winnerは春になると調子を上げるからチャンピオンズマイルはBullish Luckの3連覇!とかありそうで怖いけれどww是非ともArmadaには安田記念出走をお願いしたい。気になっていたRamontiは3着というのはどーなんだろ。香港でこのくらい走れるのだから来年欧州マイル路線に戻ればそれなりに勝てそうだけれど。唯一の惨敗がジャックルマロワ賞なので直線競馬には不向きなのか。
 ダンスインザムードは好スタート→控える競馬→直線ぶつけられる→沈む・・・というチグハグな競馬。馬体減の問題なんかもあるけれどアメリカではそれなりに結果を出しているわけだから香港がダメなんか。まあ、牡馬混合重賞レースを中2週でずっと使っているわけだから女の子には少し厳しいローテだったのかも。

【香港C】
 PrideにおけるC.ルメールの絶大なる信頼を垣間見せたレース。道中はPride、アドマイヤムーン、ディアデラノビアが後方3頭を占めた。Prideなんかは昨年のVengence of Rainを差し損ねたトラウマがある分2頭よりも早く仕掛けた感じだが、この馬なら実力も十分承知している日本馬2頭の追撃は凌ぎきれるとルメールの読みもあったのだろう。実際、祐一のアシスト?なんかもあってPrideがムーンの猛追を凌ぐんだがムーンってこんなに強い馬だったのか。個人的にミスプロ系にありがちなトライアルホースだと思っていたのだがこれは見方を変える必要有り。QEⅡなんか遠征したら勝てるんじゃないかと。エンドスウィープの成せる業かね。
 Vengeance of Rainは去年くらい走っていると思うのだが昨年より強い馬が2頭いたということだろう(ペリエ@02年フェブラリーSを少し改変)。今後もこの路線における香港の関門的な役割を担うのか。Hello PrettyはPrideと人気が接近している時点で可笑しいだろwwViva Patacaも印象に残らない競馬だったな。
 Alexander Goldrunはいいところなし。やや中途半端な競馬だったか。ディアデラは直線で伸びきれず。このメンバーでは少し厳しいのかな。

 
 そういえばViva Patacaの漢字表記「爆冷」って超人気薄という意味なのね。今日一番勉強になった気がする。


2006香港國際賽事展望(2)

2006-12-09 23:50:44 | 海外競馬(香港)

 無事にレースを走り終えてほしいと願っていたOuija Boardが左前脚の不安により香港ヴァーズを回避→そのまま引退とのこと。結果的にOuijaのラストランはJCになっちゃったんだな。その最後の勇姿を見ることのできた私を含めた日本の競馬ファンは幸せ者ということか。Kingmambo種付けなのでアメリカ行きか。ヴァーズは一気に日本馬有利になったな。
 Takeover Targetはどうなんだろ。再検査もアウトで最後のチャンスは調教師が要望した当日の検査のみか。思えばBrass HatのドバイWC失格から始まりディープの件、そして最後にTakeover。今年はいろんな意味で勉強になる年だった…。


香港マイル(シャティン競馬場/芝1600㍍)
1 7 Bullish Luck(7、香) B.Prebble
2 12 Ramonti(牡4、伊) E.Botti
3 11 Mustameet(牡5、愛)  D.Mcdonogh
4 2 Joyful Winner(6、香) C.Soumillon
5 10 Russian Pearl(6、香) E.Saint-Martin
6 5 Armada(5、香) D.White
7 13 Linngari(牡4、仏) G.Schofield
8 3 Rebel Rebel(牡4、米) E.Prado
9 8 Bowman's Crossing(7、香) G.Mosse
10 4 The Duke(7、香) O.Doleuze
11 6 Floral Pegasus(牡4、香) L.Dettori
12 9 Dave's Best(6、香) M.Kinane
13 1 Sir Ernesto(5、香) F.Coetzee
14 14 Dance in the Mood(牝5、日) 武豊

 非常に微妙なメンバーである(色んな意味で)。最近はアジアマイルチャレンジやらグローバル・スプリント・チャレンジの存在によって香港勢の日本への遠征が積極的になったおかげで比較的力関係を把握しやすくなったと思うのだが、そのマイルチャレンジチャンピオンのBullish Luckが病み上がりみたいなもので状態に疑問符を付けざるをえない。ということは安田3着のJoyful Winnerが候補になると思うのだがこちらも前走マイルトライアル大敗と不安先行。なら安田5着の我らがダンスインザムードの出番だと思うのだが、恋人?のダイワメジャーがいないことに加え、ここに来て新星Armada登場。こいつのマイルトライアルの内容がまた嘘くさい勝ち方。本当なら自信を持って即消しなのだがその8戦7勝という輝かしい戦績に騙されてしまいそうだ・・・。ここはRamontiが頑張ってくれることを祈りながらマターリと見るのが吉か。


香港C(シャティン/芝2000㍍)
1 2 Vengeance Of Rain(6、香) A.Delpech
2 8 Viva Pataca(4、香) C.Soumillon
3 7 Growl(4、豪)  C.Williams
4 6 Hello Pretty(5、香) B.Prebble
5 12 Art Trader(5、香) E.Saint-Martin
6 1 High Intelligent(6、香) D.White
7 4 Admire Moon(牡3、日) 武豊
8 9 Pride(牝6、仏) C.Lemaire
9 10 Alexander Goldrun(牝5、愛) K.Manning
10  5 Satwa Queen(牝4、仏) L.Dettori
11 11 Dia de la Novia(牝4、日) 福永祐一
12 3 Musical Way(牝4、仏) R.Thomas

 Prideの引退戦か。昨年はVengence of Rainを捉えきれずに負けているわけだが、、今年になって更なるパワーアップをして香港に戻ってきた。Hurricane Runを差しきったサンクルー大賞、英チャンピオンSやRail Linkに迫った凱旋門賞などそのパフォーマンスは牡馬も含めても今年の欧州随一のものだったようにも思える。一つ下のこれまた類稀な能力を持った牝馬、Ouija Boardとは04年凱旋門賞での対戦のみだったのは何だかんだ言って惜しいことだったのかな。チャンピオンディスタンスで牡馬とも互角以上に勝負できる牝馬が同時代に2頭いたなんて70年代のAllez FranceとDahlia以来なんじゃないかな=。というか、ドバイやら香港にまで行っているOuijaってフランスで走ったことは凱旋門賞の1回のみだったのか、そりゃ2頭が走る機会があまり無いはずだよ。
 その2頭の偉大な牝馬の影に隠れてしまった感もあるAlexander Goldrunだがこちらもまた偉大な競争馬であることに変わりは無い。ナッソーSでのOuijaとの熱い叩きあいはRace of the Yearとも言うことができる。04年の香港Cは見事に差し切り、昨年は前詰まりで脚を余す。やや使いすぎの感もあった昨年とは違い今年は英チャンピオンSを見送ってここまで待った。ラストランを飾る準備は整っているとみる。 
 Stawa Queenは偉大なる先輩牝馬相手にどこまでやれるかね。レコード決着のオペラ賞2着でアジアの堅い馬場にも適応できると思うが上記2頭が既にこの馬場でも結果出しちゃっているから・・・。
 香港勢は昨年の覇者、Vengence of RainとViva Pataca、Hello Prettyあたりが有力か。Vengence of Rainは春シーズン全休後、復帰してからの2戦が10着→5着と結果が出ていないもののマイルトライアルは内容があった。距離不適・重ハンデだったにも拘らずそれなりに走った前走からすると2000mの今回は力を発揮できるとみる。ただ、昨年よりも日本・欧州馬が骨っぽくなっているため昨年と同じくらい走っても頭までは苦しいか。Viva Pataca、Hello Prettyの2頭は2000mのトライアルを使っての出走だがやや苦しいか。Vivaはスミヨン騎乗に活路を見い出し、HelloはPrecisionが勝ったとき並にペースが落ちた時にチャンスがある程度かと。
 日本からはアドマイヤムーンとディアデラノビア。ムーンは札幌記念のような競馬をしたいのだろうけれど外に出せるかどうかが鍵。Pride、Alexander Goldrunといった欧州を代表する2000mホース相手に天皇賞・秋3着馬がどこまでやれるか見てみたいか。ディアデラノビアがPride、Alexander Goldrunと走るか…。日本の牝馬の欧州遠征はほとんど無いので(エアトゥーレが最後?)欧州一線級の牝馬と手合わせできる機会は大切にしてほしい。あわよくば差しきってしまえ(藁)


 


2006香港國際賽事展望(1)

2006-12-09 00:58:03 | 海外競馬(香港)

 枠順も決定したことなのでそろそろ展望を

香港ヴァーズ
1 9  Maraahel(牡5、英) R.Hills
2 10 Collier Hill(8、英) D.Mckeown
3 7  Egerton(牡5、独) T.Mundry
4 5  Scorpion(牡4、愛) J.Heffernan
5 8  Saturn(6、香) D.Nikolic
6 2  Ouija Board(牝5、英) L.Dettori
7 1  Kastoria(牝5、愛) M.Kinane
8 3  Shamdala(牝4、仏) C.Soumillon
9 6  Song of Wind(牡3、日) 武幸四郎
10 4  Admire Main(牡3、日) 武豊


 とりあえず、Ouija Boardがラストランを無事に終えてくれることを祈るレースか。4年間の彼女の現役生活は22戦し、GⅠは7勝。史上初のカルティエ賞年度代表馬2度受賞など2000年代を代表する名馬になりました。今年はドバイシーマクラシック4着に始まりQEⅡ3着→コロネーションC2着→プリンスオブウェールズS1着→エクリプスS5着→ナッソーS1着→愛チャンピオンS2着→ブリーダーズCフィリー&メアターフ1着→JC3着とおよそ超一流馬には似つかわしくないローテを歩んでの香港ヴァーズ。昨年は5戦目が香港ヴァーズだったこと、昨年に比べブリーダーズC→JCの間隔が1週詰まったことを踏まえるとお釣りが残っていないことも否めない。ただし、この馬にとって幸いだったのはJCが比較的楽なペースとなったこと。日本レコード決着となった昨年よりもレース後の反動は少ないと思われるだけに華麗に現役を終えてくれるでしょう。

 
 他の欧州馬もそれなりのメンバーが揃ったかなと(というか、JCがあまりにもアレすぎて最初っからこっち目標だったのか)。Collier HillとKastoriaはカナディアン国際組。KastoriaはYeatsを問題にしなかった愛セントレジャーの勝ちっぷりが印象的だがカナディアン国際は重馬場に対応できなかった模様。良馬場なら巻き返しも十分ありえるかと。反対に重馬場の恩恵を十分活かしきったCollier Hillは良馬場になると厳しい。クールモアが送り出すScorpionはリステッド→ブリーダーズCターフと使ってきて今年3戦目がここ。そろそろ走りごろだと思われるがMontjeu産駒にありがちな燃え尽き気味でないことを祈るか・・・。鞍上はK.ファロンが乗れないからJ.ヘファーナン。「おまいが来年の主戦だ!」とマグナー夫婦に言わせるくらい頑張れば勝てるかも。Maraahelは昨年の香港C3着があるようにコース適正は目を引くものの、必ずしも適距離とはいえない2400mってどうなんだろ。Shamdalaは昨年このレースを4着だけれど少し厳しい。ヨークシャーオークスの空気っぷりが個人的に嫌い。


 さて、日本馬。勝つ可能性は一番高いのはヴァーズで間違いないとは自分も思うがそれほど相手メンバーも楽ではない。ソングオブウインドは菊花賞が個人的に嵌りすぎた感じ。エルコンドルパサー産駒だけにこのレースはあっさり通過してもらって来年の凱旋門賞へ!的な物語を期待したいものだがさてさて。アドマイヤメインは単騎逃げ濃厚なだけに(Saturnが今まで逃げてこなかったのは今回のための布石・・・なわけない)ペース次第では十分残れる。というか、散々厄介者扱いされていた母父へクターを味方にする時がついに来たか(笑)しっかし、メインは本当にヴァーズ→有馬のウイポローテやる気かね。


香港スプリント
1  12 Takeover Target(7、豪) J.ford
2 4 Desert Lord(6、英) N.Callan
3  14 Red Oog(7、豪) H.Bowman
4 7 Meisho Bower(牡5、栗東) 福永祐一
5 3 Benbaun(5、英) J.Spencer
6 6 Scintillation(6、香) G.Mosse
7 2 Silent Witness(7、香) F.Coetzee
8 8 Sunny Sing(4、香) C.Soumillon
9 1 Natural Blitz(6、香) A.Delpech
10  9 Able Prince(6、香) M.Nunes
11 13 Down Town(4、香) J.Spencer
12 5 Absolute Champion(5、香) B.Prebble
13 10 Billet Express(6、香) D.White
14 11 She is Tosho(牝6、栗東) 池添謙一


 タマが無い馬が多いね~。というかメイショウボーラーしか・・・。今年から直線1000mからコーナー有りの1200mに。まあ、日本馬&欧米馬の毎年恒例の飛びっぷりを見せ付けられると主催者側もそろそろおまいら空気嫁的なムードを感じ取ったのかも試練。とはいえ今年も香港&オセアニアが強すぎるんだが。

 オセアニアからは2頭が参戦。グローバル・スプリント・チャンピオンに輝いたTakeover Targetはそのチャンピオンを決めたスプリンターズSからの休み明け。調教師は先月の香港馬限定重賞のスプリントトライアルを使えるなら使いたいよ…とか
言ったらしいが、日本でもセントウルSを一叩きしてからGⅠ勝利へ持って行っただけに意外と本音か。もう一方のRed Oogも全く侮れない。てゆうか、Takeoverはレースの前にミソが付いてしまった気もするんだがね。

 香港勢はSilent Witness王朝陥落後はまさに群雄割拠と言う言葉が相応しい模様。とりあえず、Natural Blitzの2連覇が苦しいことだけは分かるか(笑)Silent Witnessは距離延長は確実にプラスなだけに復活も期待できるかと。一発やるならここに来て上昇のAbsolute Championか。ついでに、ここ05/06シーズン後半の主な短距離戦の結果でも書いておこう(香港スプリント出走馬のみですが)

1月22日ボーヒニアスプリントトロフィー(直線1000m)
②Scintillation
③Absolute Champion
⑦Natural Blitz
⑧Able Prince

2月26日センテナリースプリント(直線1000m)
①Scintillation
②Natural Blitz
⑥Able Prince
⑦Silent Witness

4月15日クイーンズシルバージュビリーC(1400m)
②Silent Witness

5月21日沙汰ヴァーズ(1200m)
④Absolute Champion
⑨Natural Blitz

 日本馬は何かと話題になっている藤田小姐とメイショウボーラー。藤田小姐は馬体の減りが無かったようなのでなにより。北海道での好走歴が示すとおり洋芝ドンと来い!なのでまあ掲示板まで期待してみよう。ボーラーはムラ馬になってしまっているためゲートが開かんと何とも言えん(笑)目標はサニングデール越えか。


勝ちを追及し続けた男

2006-12-02 22:30:06 | 海外競馬(アメリカ)
 Baze overtakes Pincay with record victory~Throughbred Times
 Baze Becomes Racing's All-Time Reading Lider~Blood Horse

 
 普段はわけのわからないどうでもいい記事ばかり書き続けている私だけれど、これはやらなあかんだろうと。結構色々なところで話題になっているようについについに、金曜日のベイ・メドウズ競馬場4レースでButterfly Belleに騎乗し勝利したR.ベイズ騎手がL.ピンカイJrの持つ9530勝の記録を塗り替え、世界レコードとなる9531勝を達成しますた。確か、日本での最多勝記録は引退した佐々木竹見騎手の7151勝だったと思うのでいかにこのベイズの記録が凄いかが分かるだろうし、L.ピンカイJrが9530勝を達成したのは56歳だったのに対し、R.ベイズはまだ48歳。年齢的にも十分通算10000勝は射程圏だろうし、実際ベイズは昨年370勝以上をあげ全米リーディング(勝ち鞍ベースで)に輝いているように、まだまだトップクラスのジョッキー。このまま順調にいけば08年あたりで10000勝達成。

 
 ただ、R.ベイズがL.ピンカイJrやらピンカイに記録を破られるまで最多勝を保持していたW.シューメーカーと違うところは、L.ピンカイやらW.シューメーカーが全米最高クラスのGⅠレースに勝利しているにも拘らず、R.ベイズはブリーダーズCはおろかクラシック三冠レースに一つも勝っていないところなのかなと。しかも、ブリーダーズCでの騎乗回数はわずか3回。90年ジュヴェナイルのLite Light、03年ターフのTocket、そして一番人気に推されたことでも記憶に新しい05年スプリントでのLost in the Fogである(ちなみにケンタッキーダービーに初めて乗ったのは96年のGrindstoneが勝った年だと)。これはベイズがホームとしている場所がカリフォルニアでもさらにマイナーな地域に入ることが主要因なわけだが、どうしてもピンカイやらシューメーカーに比べれば地味と言おうか何と言おうか…(競馬の殿堂入りを果たしたり、過去13年で11回400勝を達成するなどいわずもがな大騎手ですが)。言うならば勝つことを追及した男ということになるのか。


 そー言えば今年は若手ジョッキーの活躍が目立った一年。英国リーディングを取ったのは若干23歳のR.ムーア。これはP.エデリーが22歳でリーディングを取った年齢に次ぐ年齢だと(たぶんここ50年くらいだと思うけれど)。R.ムーアは英国人なわけだが英国人が英国リーディングを取るのも結構珍しいんだよね(最近は正直K.ダーレーぐらいしか印象にないと思っていたら本当にここ30年で英国リーディングを取った英国人はこの2人だけらしい)。いっつも、ここ最近はK.ファロンだとかL.デットーリが受賞していた(J.スペンサーなんかも取っていたか)んだよな、そういえば。愛リーディングも26歳と若いD.マクドナー。こちらはアイルランド史上3番目に若い年齢でのリーディングジョッキー。フランスは言うまでもなくC.スミヨンだが何とまだ25歳。01年にAnabaa Blueを駆って10代最後の日にダービーを制覇したんだっけか。アメリカは言うまでもなくInvasorでのブリーダーズCクラシック制覇やJazilでベルモントSを制したF.ハラがまだ18歳。ちなみに、日本でも東京ダービーを制した町田直希が18歳だし、中央でもそれなりに勝っている川田将雅が21歳と若い(そして、彼らは自分よりも若いと気付き軽く欝になるorz)。


 アメリカでは昨年から今年にかけてJ.ベイリー&G.スティーブンスが引退したり、欧州ではK.ファロンの例の騒動。ここ数年は比較的変動が少なかった感もあったジョッキーの世界だけれど、ここに来て新しい波が到来か。しかし、クールモアは本当にファロン復帰(騎乗停止半年だっけか)まで待つのだろうか。M.キネーンも年で今年は例年ほどの輝きを見せなかったし、J.ムルタはいつも通りの体重問題。いつか主戦の座に復帰はするであろうスペンサー招聘したらそれはそれでオモロイのだが。いくらなんでもJ.ヘファーナンでは力不足だろうし。

ディープに白旗

2006-11-28 00:20:26 | 競馬雑感
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。ブログとあんま関係ないけどさ。
昨日、近所の東京競馬場行ったんです。東京競馬場。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか新聞が落ちていて、ディープインパクト出走、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、ディープインパクト如きで普段来てない東京競馬場に来てんじゃねーよ、ボケが。
ディープインパクトだよ、ディープインパクト。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で東京競馬場か。おめでてーな。
よーしパパディープの応援馬券買っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、ディープインパクトの凱旋門賞単勝馬券やるからその席空けろと。
競馬場ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、本命フランキー、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、フランキーなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、本命フランキー、だ。
お前は本当にウィジャボードがJCを勝てると思っているのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、フランキーって言いたいだけちゃうんかと。
競馬通の俺から言わせてもらえば今、競馬通の間での最新流行はやっぱり、
ドリームパスポート、これだね。
。これが通の買い方。
ドリームパスポートってのは1ハロンの爆発力ではディープを上回っている。そん代わり使える脚が短め。これ。
で、それに馬の脚を持たせることに関しては人類最強の岩田。これ最強。
しかしこれを勝つと次から武豊に強奪されるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前、1は、メイショウサムソンでも買ってなさいってこった



何も書くことがないのでコピペ改変した。滅茶苦茶ツマラナイが反省はしていない

香港國際賽事に向けて

2006-11-21 23:16:31 | 海外競馬(香港)

 香港國際賽事も近づいてきますた。日本からの招待馬も続々発表されており今年も活躍が期待されますが、地元香港で先週・先々週にわたって重要なトライアル戦が行われたので軽くまとめておこうかと(半分自分用w)


カップトライアル(シャティン・芝2000㍍)
 まずは11月12日に行われたカップトライアル。ここは昨シーズンの香港ダービー馬Viva Patacaと香港ダービーではViva Patacaの後塵を拝したがA.クルーズ厩舎に転厩して巻き返しを図りたいHello Prettyの2強が抜けた人気。他にはSaturnなんかもいたのね。しかも近走短距離ばかりだし。。
 レースはHigh Intelligentの逃げを捕まえ、そのまま粘りこもうとしたSaturnを一気にHello Prettyが捉えて快勝。Viva PatacaはHello Prettyと一緒に上がっていこうとしたが反応鈍く、逃げたHigh Intelligentを捉えるのが精一杯と少々不満な競馬。鞍上のE.サンマルタンもレース後、「道中は気持ちよく走っていたんだが、徐々に上がっていこうとしたら期待ほどの反応はなかった」と述べているように少々不満げ。このままだと本番でも春のQEⅡの二の舞かもしれんね。Hello Prettyはレース当週の木曜日に口から出血しているのが見つかっていたと書かれているがそんなの関係ないってか。


スプリントトライアル(シャティン・芝1000㍍直線)
 今年から本番の舞台が直線1000㍍からコーナーありの1200㍍に変わったといってもここが最重要トライアルには変わりない。メンバーを見渡しても恐ろしいほど豪華ですな。日本でも有名なSilent Witnessを始め昨年の香港スプリントの覇者Natural Blitz、2着のPlanet Rulerや今年のチェアマンズスプリントを制したBillet Express、センテナリースプリントCを制し今回1番人気に推されたScintillation、前走の内容が光るSunny Kingなどなど。まさに、ここにAbsolute ChampionやTake over Target、シーイズトウショウなどを加えれば本番といっても差し支えなさそうなメンバー。。
 レースは単勝16倍とやや伏兵扱いされていたAble Princeが内ラチ沿いから早め先頭に立ち一気に押し切り勝ち。2着は正反対に外ラチ沿いを突っ走ってきたDown Town。ゴール残り100㍍を切ったところでいきなり画面に出てくるというシンザンの有馬記念ばりの競馬を披露しました。Silent Witnessは4着同着。全盛期ならばあそこから突き抜けると思わせる競馬であっただけに突き抜けられないのは体調が戻りきっていないのか、はたまた年齢による衰えなのか。Natural Blitzは5ポンド重い斤量を背負っての3着なだけに本番でも楽しめそう・・・なんだけれど舞台が変わって一番悲しんでいるのはこの馬かも試練。まあ、コーナーありの1200㍍に変わったといっても基本的に香港勢中心でよろしいかと。シーイズトウショウやメイショウボーラーでは少々厳しいと言わざるをえない。


マイルトライアル(シャティン・芝1600㍍)
 スプリントトライアルも豪華だったが、ここもまた豪華・・・。出走馬のネームバリューだけなら下手したらマイルチャンピオンS以上。昨年の世界馬王ことVengence of Rainを始め、今年の安田記念を制したBullish Luck、3着のJoyful Winner、散々迷惑をかけたThe Jukeや古豪Bowman's CrossingにDave's Best、調子を上げてきているFloral Pegasusなどなど。しかし、これらのタイトルホースを押さえ1番人気を獲得したのはArmada。移籍?してからの6連勝はスゴイお。前走のプレミアボウル4着も若干の距離不足や早すぎた勝ちタイムなど敗因はハッキリしている。距離400㍍延長はプラス材料なだけに期待されるのも当然か。
 結局、The JukeやFloral Pegasusの争いを尻目にArmadaが差しきるわけだが、このレースに限って言うならばVengence of Rain、Bullish Luckの走りの方が目を引いた。2頭とも他馬より思い斤量を背負っていたために伸びそうで伸び切れなかったレース振りがいかにもトライアルと思わせるものなのよね。Vengence of Rainは半年以上の休養明け、距離1200㍍と厳しい条件だった前走からは格段の良化を見せ、このまま良化すれば十分カップ2連覇も射程権。Bullish Luckはシャティントロフィー惨敗後にが骨瘤悪化したと言われていた(情報元)だけに心配していたが本番ではもう少し切れるか。ただ、チャンピオンズマイル→安田記念時のような状態に持っていけるかというと正直疑問符をつけざるをえない。


 ついでに日本からの選出馬もまとめておくか。
[香港カップ]
アドマイヤムーン
スウィフトカレント
ディアデラノビア
 アドマイヤムーンとディアデラノビアはほぼ確定。アドマイヤムーンは武だろうが、ディアデラは岩田がおそらくアドマイヤヘッド@朝日杯で無理そうなので福永かな。スウィフトカレントは森禿が来年のシーマクラシック目指すとか言っていたので出ないでしょう。現段階ではPrideやらAlexander Goldrunあたりが有力馬か。

[香港マイル]
ダンスインザムード
 ダンスの鞍上は武で決まりの模様(本人の日記でも言っているし)。あとは服部と田園のどちらかが選ばれる模様だがレートの関係で田園かな。香港勢とCaradakあたりが怖いか。Court Masterpieceが阪神Cじゃなくてこっちを使うとか何とか見たけれど実際のところどーなんだろ。

[香港ファーズ]
アドマイヤメイン
ソングオブウインド
 正直、Ouija Boardがカップに回ってくれればどっちかで何とかなる希ガス。幸四郎が菊花賞ほど上手く乗れるかね~。

[香港スプリント]
シーイズトウショウ
メイショウボーラー
 前述の通り直線1000㍍からコーナーありの1200㍍に設定が変わっただけに日本馬が勝つ可能性が若干上がったと思う。ただ、今回の招待馬のようにホームで完敗した馬たちがアウェイ&中立国でリベンジできるかといわれると別問題かと。シーイズトウショウには輸送減りの問題なんかもあるわけだし。目指せサニングデール越えとしておこう。


[雑記]
 そういえばパート1昇格だそうで。まあ、パート1昇格したからといって来年から海外馬や香港・シンガポールあたりから馬の購買人がドッと押し寄せるようなこともなく、淡々と例年通りの競馬が続いていくんでありますがね。こんな調子で果して昇格したと言うことを我々庶民が実感する日はいつになるのであろうか・・・と思ってしもうた。


名門に日は再び昇るのか

2006-11-15 23:50:37 | 海外競馬(欧州)

 先週末に仏サンクルー競馬場で行われた2歳GⅠクリテリウムドサンクルー。優勝馬は牝馬Passage of Timeだったのだが、何よりも驚いたのが調教師がH.セシルだったことである。かつて英国リーディングに10度輝き、英ダービーはSlip Anchor、Reference Point、Commander in Chief、Oathで4勝、英オークスを今年の英セントレジャー馬Sixties Iconの母親でもあるLove Divineなどを始め6勝を挙げた名調教師なわけだがGⅠ勝ちは何と00年にBeat Hollowで制したパリ大賞典以来6年ぶりとのことだそうな。

 
 この名門調教師が何故没落していったかと言われると90年代の栄光を共にした主要なオーナーが彼の元から離れていったことが挙げられると思うが、そのきっかけとなったものはやはり95年のモハメド殿下との決裂や99年、当時厩舎の主戦騎手であったK.ファロンとの契約打ち切りであろう。このどちらの出来事にもH.セシル氏の奥さんであるナタリー夫人(ちなみに後妻でH.セシルとは20歳以上年が離れている)が関与していることは有名な話である。

 
 まず、モハメド殿下との決裂の原因としてはMark of Esteemに関する意見の相違もあるが、契約を打ち切る際、モハメド殿下が「H.セシルは欧州でも最高クラスのトレーナーだと思っている。しかし、私は彼自身に調教してほしいと思って馬を預けているのであり、彼でない人間、それも馬のことなどほとんど知らない人間に自分の所有馬が調教されるのは納得できない」(Gallopの英のエロイ人の記事参照)と述べ、H.セシルの奥さんであるナタリー夫人による調教への干渉を快く思っていないことが読み取れる(ちなみにH.セシル調教師の奥さんは元々厩舎スタッフだったようですが)。そして、H.セシル厩舎凋落の決定的要因となった99年のK.ファロンとの決裂の原因となったあの不倫スキャンダルである。元々はそれほどパッとしない騎手であったK.ファロンを当時英国でも指折りの調教師であったH.セシルが主戦騎手に指名したのがこの2人の関係の始まりであるのだが、当時はH.セシルの決定に対し非難の声も大きかった。だが、K.ファロンはコンビ結成後初のクラシックとなる英1000ギニーをSleepytimeで制し、97年、98年と2年連続で英国リーディングを獲得するとそのような外野の声も黙らした(しかも99年まで3年連続200勝を達成)。Sleepytime後もBosra ShamやReams of Verseで活躍し、結果的にコンビのラストイヤーとなった99年は英1000ギニーをWince、英オークスをRamruma、英ダービーをOathで制するなどその蜜月関係は頂点に達したとみられていた。しかし、この突然のスキャンダルによってシーズン途中にコンビが解消されるとこの2人は好対照な運命を辿ることになる。K.ファロンは落馬などによって順調さを欠いたシーズンもあったが00年にSingspielやPilsudskiでのJC制覇など日本でも有名なM.スタウト厩舎の主戦騎手契約を結ぶとKris Kin、North Lightでの英ダービー制覇を始め、Golanでの英2000ギニー、キングジョージ制覇など活躍を果たす。05年にはご存知の通りJ.スペンサーの後釜としてバリードイルの主戦騎手に指名され、凱旋門賞をHurricane Runで制しその騎手人生はピークに達したのである。対照的にH.セシルは00年の英オークスこそLove Divineで制したもののその後は泣かず飛ばず。重賞制覇でさえ今年8月の勝利が4年ぶりの重賞勝利だったのだ。

 
 牝馬ながらクリテリウムドサンクルーを制したといえ、メンバーレベルが微妙なのでPassage of Timeの力はまだまだ評価できるものではないかもしれない(オークスではそこそこ人気になっていますが)。ただ、かつての戦友であるK.ファロンが八百長疑惑によって引退か否か悩まされている時期にH.セシルが復活の狼煙を上げたことは中々興味深い。この2人のバイオリズムはコンビ解消後に反比例するようになってしまったのであろうか?何にせよ、これで来年のクラシック戦線にまた一つ注目しなければならない点が出来た。地獄を見たであろう名調教師の逆襲に期待したい。


エリザベス女王杯回顧らしきもの

2006-11-13 00:06:42 | 中央競馬(回顧)
 う~ん、カワカミプリンセス降着ですか。個人的にはドーベルの勝った98年のエリザベス女王杯、テレグノシスの勝ったNHKマイルカップの方や最近ではメイショウサムソン@神戸新聞杯の方が降着になってもおかしくはないと思っているんですよ。JRAのサイトでパトロールビデオを見せられても、既に降着になったという結果が分かっているだけに「あれは降着に決まっているだろ」とか言えるんじゃないかと。私自身としては、「何であれで降着にするかね?」といった感じである。もし、あれがJCでディープの騎乗を控えている武豊だったらJRAは降着にしたであろうか?「あれは降着に決まっているだろ」という人がいるならば、なら「何故に上に例としてあげたレースでは降着が無かったのか?、今回のレースの斜行とは何処が違うのか?」とこういったことに疎い私に教えていただきたい気分である。如何せん、本田さんが不運だったのはカワカミプリンセスが社台関係馬でなかったことであったり、直線でヨシトミ先生が少し進路を塞ごうとしてきたり、被害馬が故障?したことだったり、被害馬に乗っていたのが四位だったことなのかなと。こういうあらぬ要因を降着になるたびに毎回探索させてしまうJRAはきちっとしたガイドラインみたいなものをやるべきだと思うんだけれどな~。まあ、藤田が頑張っていつの日か採決委員になるのを期待してみよう。


以下、私的馬券メモ 
 
 馬券的にはディアデラノビアの単勝しか持っていなかった時点で降着になろうが関係ないのであるが、カワカミプリンセスが一位入線したということで進めていくと、正直あの馬の強さは想定外。毎度の事ながら、この馬が出ると大逃げする馬が出て川上にちょうどいいペースになってしまうのはどうなんだろう。京都の外回りということでスローになりやすく上がり勝負だと見込んでディアデラノビアを買ったのだが完全にお門違いでしたな。速い上がりに対応できることも完全に想定外。ただ、たぶん私がカワカミを買うことは一生無いでしょう。この定めはスイートピーS→オークスの連勝を決めた時点で決まっていたのだよ・・・。
 フサイチパンドラはいつものようにただ自分のペースで雪崩れ込んだだけなのに結果的に勝ってしまったという感じ。祐一の言うように2着に入ったことが最大の勝因なのだが、自分でレースを作りに逝くと末が甘くなってしまうのが最大の欠点。今日みたいに誰かのペースに相乗りするとその最適ペースの馬に負けてしまう。これで覚醒するようなことが無いとは言えないが今後牝馬同士のレースであっても買いにくいタイプ。
 スイープトウショウは天皇賞からの中1週を嫌って無印。一昨年、去年と同じローテで勝ち馬出ているだろという方がいるかもしれないが過去2年の天皇賞はあまりの糞ペースで天皇賞であって天皇賞じゃない(笑)今年はインティライミ→大和が作り出したよどみの無いペースのために過去2年とは比べものにならないほど厳しかったとも言えた。疲労も完全には抜け切らないと思っていたが伸びてきましたなorz。こっちも想像以上に強かった。池添は去年より云々言っているが力の衰えは無いと思う。
 朝日はあの馬にヨシトミは合わないと改めて認識。アネモネSのような弱メン相手だと強気にいけるのにGⅠになると縮こまる。34秒台で上がることは厳しいんだからもーすこし考えなさいよ。
 キッスはマイラー&トライアルホース。来年のヴィクトリアマイルあたりでこっそり3着になりそうな馬。

 ※東京は内がだいぶ荒れてきて外差し天国。ただ、おそらく今週中にローラーをかけて内を固めるので来週は内を回った先行馬天国でしょう。お金欲しければ先行馬を買おう。

 JC&JCDについては7月くらいから予想されたことでありとりたてて驚かない。時期を変えろとの意見もあるが今より悲惨になるだろうから今のままで十分。考えなきゃならんのは時期よりも受け入れ態勢でしょうよ。といっても、改善は当分無いと思うのでいっそのこと競馬をやっているすべての国の最強馬に声をかけてJRAの大好きなワールドカップでも開催したらどうかね(笑)JCの日の準メインとして賞金1億でも出せば結構集まると思う。