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「暗黙知をマネジメントに生かすには」

2007-02-07 23:17:13 | ちょっと 『気になる』 はなし
暗黙知
tacit knowledge / あんもくち
 “知識”のうち、勘や直観、個人的洞察、経験に基づくノウハウのことで、言語・数式・図表で表現できない主観的・身体的な知のこと。ナレッジマネジメントを一躍有名にした野中郁次郎氏が、その実践理論であるSECIモデルの中で、“暗黙知と形式知の相互変換”をうたったことから、広く知られるようになった。
 オリジナルはハンガリーの物理学者・哲学者のマイケル・ポラニー(Michael Polanyi/1891-1976)氏が、著書「The tacit dimension」(1966年)の中で提唱した概念。
〈http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/tacit.html〉参照

「暗黙知」については「ものづくりや技術の伝承」の中でよく言われる言葉である。今、この暗黙知を「ベテラン作業者から」「中堅・新人」にどのように伝承していくべきか?いろいろな方面で求められている。
 先日テレビを見ていたら、「ベテラン刑事」が、経験の少ない刑事を対象にその「技能を伝承する」場面を放送していた。ベテラン刑事は団塊の世代で、まもなく定年を迎える。来るべき日に備えての研修である。警察の世界でも検挙率の向上が求められている。
 本来、このようなことは、長年の経験からベテランと新人を組合わせ、ベテランの技術を新人がしっかりと伝承する「マネジメントシステム」が行われていれば団塊の世代の大量退職の時代が来ても、あわてることはないと思うが。
 しかし、「暗黙知としての技術・スキル」は簡単に伝承できるものだろうか?この点が大いに疑問である。職人の世界で、見習いから入って修行して、一人前になるのにどの位の年月が必要だろうか?10年から20年もかかるだろう。どのレベルに達したら一人前か、その点もさまざまでありますが。
 「ベテラン刑事」が職務質問をする時に容疑者の表情や、服装、受け答えの様子、などなど、一度にものすごい量の情報を「インプット」しながらコンピューターの何百倍ものスピードで答えを出している。経験やカンといったことはなかなか伝えにくいものである。常に変化している時間の中で、さまざまの状況を瞬時に処理できる「ベテラン刑事」の暗黙知を「ノウハウ」として取り出すのは難しいことだ。
 製造現場ではどうだろうか?同じように職人気質の「ベテラン技術者」のノウハウを習得するのは非常に難しい。聞いた話ですが、その職人が言うには「私はうまくいった時のことは良く覚えていない」うまくいくのは当たり前の事だから。「むしろ、失敗した時のことは良く覚えている」この辺に何かヒントがあるように思う。
 私たちは、「よく出来た事実は良く覚えているが」「失敗したことはすぐに忘れてしまう」のではないだろうか?おそらく、「ベテラン刑事」も「ベテラン技術者」も、数え切れない位の失敗を積み重ねてきたのではないだろうか。その失敗のひとつ、ひとつを忘れないでいるから現在があるのではないかと思う。
 「ベテランは」経験則やカンからこうすれば失敗するという法則をマスターしている。そのように考えられる。だから失敗しない方法を選択できる。将棋の棋士は自分が対戦した試合の一部始終を全て覚えていると言う。両者には何か共通するものがあるように思う。
 「一般の人」はどうしたらよいだろうか?考え方だけでも「マネ」するしかない。「工学院大学の畑村洋太郎」先生の「だから失敗は起こる」がNHKの教育テレビで放送されていたので、見た方もいるのではないでしょうか。失敗の原因を分析して、対策を立てる必要がある。興味のある方は勉強してみてください。また、「失敗百選 東京大学教授 中尾政之 森北出版」など参考にして下さい。
 工場では日常的に「なぜ、なぜ5回」などやっています。手法はみんな同じです。失敗原因を追究して「真因」を突き止め「再発防止・予防処置」をとることです。
 暗黙知から失敗の問題まで発展してしまいましたが、結局結論は同じです。失敗の事例分析から、再発防止、予防処置まで進めることが出来るかどうか?暗黙知はそのノウハウの集積です。



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