とめちゃん's 本ログ

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アイデアは才能では生まれない

2012年08月12日 | アイデア・啓発本

アイデアは才能では生まれない http://book.akahoshitakuya.com/m/b/4532318149/

アイデアは才能では生まれない

アイデアは、ただ単に思いつきではなく、それまでに自分で得た知識と、様々なデータから得られたことを、今までとは違った角度から見ることができるかどうかがカギということ。
「異質なものをいかに拾うことができるかが重要」というファシリテータの土台となる考え方も出てきています。

さっくり1時間位で読める本です!

以下、抜粋■
〇1.最終目標から逆算する(ソフィーナ ファインフィット)
 :理解できることで、理解できないものを置き換える
 :目標を設定するためのアイデアが必要
 :人がやらない方向で仕事すると、画期的なアイデアや仕事になりやすい
 :ハイテクとローテクの組み合わせになるように選ぶこと→基本的にはローテクだが、少しだけハイテクのエッセンスが入るようなものは、実現するのが早くてよいものになりやすい

〇2.経験と知識で「結び目」を見つける(じゃがりこ)
 :つながりを見つけるように意識して、考え続ける
 :アイデアを出すために必要なこととして、知識や経験を自分の中にためておくことが大事
 :偶然ひらめくのではなく、世の中にあるたくさんの面白い要素を結びつける結び目を自らが見つけることができるかどうか
 :アイデア1000本ノック!

〇3.さまざまなタイプのチーム構成でアイデアを生む(ゲーム作りの発想))
 :方向性を明確にする(誰が遊ぶ?何を楽しむ?いつ遊ぶ?)
 :わかりやすい3行くらいの言葉で表現することが重要
 :アイデアや発想をチームメイトに「伝える力」
 :チームのコミュニケーション力を鍛えるために、朝の進捗報告を利用。隣のメンバーに報告内容について一つ質問する。「報告を輪のように回す方法」
 :1つ上の次元でモノづくりを考え、開発中から販売までの露出、発売後の展開を考慮した仕掛けと、その仕掛けがより効果的に運用されるフローを構築

〇4.方法論を現場で実現する(夜間先物取引)
 :他の逆をいったらどうなるかを考える
 :「専門知識」「創造的思考力」「モチベーション」の3つの構成要素がすべて機能する時に発揮される
 :常識という壁をいかに壊すか?

〇5.アイデアをつなげてストーリーを作る(サントリーウーロン茶)
 :単なるアイデアではなく、ストーリーとしてつながるように、抜け落ちたポイントをさらにデータやアイデアで埋める

〇6.問題解決への意識が「ひらめき」のベースをつくる(インナーウェアの発想)
 :漠然としたニーズを完成品として実現するには、長年培ってきた経験や技術、ノウハウに裏打ちされたプロフェッショナルの視点が必要
 :研究の結果見出された着眼点を、商品の肝となるアイデアにする

〇7.常識を壊し、全部逆で考える
 :ビジネスにおいては問題解決より問題発見が重要
 :模倣困難性にこだわる
  (1)全く異なる業界のいいところを取り入れる
  (2)強豪候補が、そのサービスを行うと自社事業を否定することになる内容
  (3)〇〇らしいサービスであること
 :合言葉は「早く失敗しよう」
  (1)メンバーが委縮しないように活動しやすくする
  (2)仮説計画を立証する
  (3)売れるサービスを作り上げる
 :発想の限界を広げる、意図的に妄想して、発想を逆へ逆へ飛ばすように心がける

〇8.情報をつなぎ合わせて”創造的瞬間を導く”(システムキッチン クリンレディ)
 :お客様が求めている想像して、カタチにする創造性が大事
 :常識の枠が少し外れていたことも、画期的なアイデアを生み出すのに役立つ
 :数々の調査に基づいた「情報」を組み合わせることで、商品コンセプトや機能アイデアを作り出す
  Step1.主婦の買い物のスタイルが変化してきている
  Step2.台所ではホットプレートや缶ビールなどが収納しきれずに置かれている
  Step3.収納したいもので一番背の高いものは19.5cm
  Step4.キッチンの台輪部分は11cmのデッドスペースである
  Step5.観音扉式の収納の上部10cmは事実上収納に使われていない
  Step6.両方のスペースを合わせれば21.5cmの新たな収納スペースが確保できる
  Step7.重量物を支える高品質耐荷重レールをオーストラリアのブルム者が持っている
  ☆足元に高さ21.5cmが確保できる収納を設計すれば、すべてのものが片付く

〇9.アイデアは才能では生まれない
 :アイデアを出すために制約条件をきちんと把握する
 :アイデアを出さないといけないと思っている範囲を広げる
 :よい発想をするためには、周辺知識をたくさん蓄積していることが大事
 :異質なものをいかに拾うことができるかが重要
 :同じ話題を違う視点でつなげてみる
 :「よいインタフェースは、気づかれない」ものについて、どうしてすんなり入るのかということを意識して考える


■心に残ったエピソードなど
〇B'z ねがい から
 願いよかなえ いつの日か
 そうなるように 生きてゆけ
 僕は僕に 君は君に
 拝み倒して泣けばいい

〇今日聞いたリスクコミュニケーションとの関わり
P35 安全な化粧品原料として使われている酸化鉄と酸化チタンをそれぞれナノレベルで積層する・・・・

〇ユリウス・カエサル
人間は、自分が見たいと欲する現実しか見ない

〇トレンドカラーは、国際流行色委員会が決める。この委員会に加盟する国々の提案色をもとに、実際に商品が店頭に並ぶシーズンの2年ほど前にシーズン色を決定


「パターン・ランゲージ」 井庭崇のConcept Walk より

2012年08月11日 | WS活動

SMC夏期集中ワークショップ2012 「では、どう伝えればよかったのか」リスクコミュニケーションの肝を考える
http://blog.goo.ne.jp/aki-nagi-kae/e/79f1780dfbe3773f4c0da389ce23da9f
で実践しているパターン・ランゲージに関するまとめ
しかし、慶応、講義映像を無料視聴できるようにしているところがすごい!


■井庭 崇's profile
慶應義塾大学SFC 総合政策学部准教授。新しい視点・新しい方法を生み出すことに興味がある。複雑系、オートポイエーシス、パターン・ランゲージ、ネットワーク分析、創造性、学び、など、学問分野の枠にとらわれず、好きな研究に取り組んでいる。1974年生まれ、水瓶座、B型。
 ホームページ: http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/index_j.html
井庭崇のConcept Walk
http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/

■「パターン・ランゲージ」とは?
http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/sb.cgi?cid=54

「どのような状況において、どういう問題が生じやすく、それをどう解決するのか」という発想・秘訣を言語化し共有するための手法である。ひとつひとつの発想・秘訣は、Context(状況) 、 Problem (問題)、Solution(解決)という形式でまとめられる。それをパターンと呼び、各パターンには名前がつけられている。この名前が、発想・コツを考えたり語ったりする際の共通言語として用いることができる。各パターンは、次のような形式で書かれている。
 

パターン名←発想・コツを端的に表すための名前
 …………。←このパターンを印象的に理解するための導入文
 【Context】…………。←どういう状況で、次に示す問題が生じやすいのか
 【Problem】…………。←上述の状況において、生じやすい問題は何か
 【Solution】…………。←その問題をどのように解決するとよいのか

各パターンを読むときには、まず、パターン名と導入文を読んで、その内容を感覚的にイメージする。そのあと、それに続く詳細な記述を読んでいく。
「【Context】……の状況において、【Problem】……という問題が生じやすい。そこで、【Solution】……をするとよい。」

http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/img/img531_EMPatterns20120623.pdf


■「パターン・ランゲージ」の部分展開・全体展開のアプローチ
http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid326.html

■KEIO SFC Global Campas
http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/class/class_top.cgi?2010_25136
※授業をウェブサイトでみることが可能

■パターン・ランゲージ制作の活動風景
ver.1 http://vimeo.com/41613781
ver.2 http://vimeo.com/42780071


■「ラーニング・パターン」 http://learningpatterns.sfc.keio.ac.jp/

■「プレゼンテーション・パターン」 http://presentpatterns.sfc.keio.ac.jp/

■パターン・ランゲージに関する論文
http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid307.html
井庭 崇, 「パターンランゲージ 3.0:新しい対象 × 新しい使い方 × 新しい作り方」, 情報処理, Vol.52 No.9, 2011
「『コラボレーションによる学び』の場づくり:実践知の言語化による活動と学びの支援」(井庭 崇, 人工知能学会誌 24(1), 70-77, 2009)

■パターンランゲージ 第11回 ( 長谷川 敦士:Atsushi Hasegawa ) 2011/12/12
pdfファイル ダウンロード可能
http://gc.sfc.keio.ac.jp/cgi/flv/flv_play_gc.cgi?2011_25136+11+1

 


SMC夏期集中ワークショップ2012 「では、どう伝えればよかったのか」リスクコミュニケーションの肝を考える

2012年08月10日 | WS活動

SMC夏期集中ワークショップ2012 2012.8.10-8.12  at早稲田大学

「では、どう伝えればよかったのか」リスクコミュニケーションの肝を考える

■■■■■オリエンテーション
政府、マスメディアのリスクコミュニケーションは必ずしもうまくいかなかった
 :緊急情報発信と避難誘導の遅れ
 :情報収集の乱れ、安全よりの報道
 :政府、東電の発表報道

リスクコミュニケーション:理論はあるが、うまく機能しなかった

オルタナティブメディアの活用と科学者の情報発信→アジェンダ構築とリスクコミュニケーションの変化

リスクコミュニケーション研究の3つの視点
 :リスク源、リスク認知、リスク評価、リスク管理という一連のコントロールプロセス、全体をとらえる
 :行政、マスコミ、個人(集団)の間で行われるコミュニケーションのプロセス
 :個人がリスクに対処する場合の心理的な情報処理過程

東京大学 早野教授
 :震災以降、いち早く放射線情報をグラフ化しWebで公開、twitterで情報発信しつづける
 :twitterでのフォロワー 約13万人、メディア以上にメディア化
 :内閣府、文科省などとコンタクトをとり、様々な活動開始

リスク管理→モニタリングと評価

リスクとして評価・判定=どのくらい危険なのか、「確率」で示される
↑          ↑
ハザード評価    曝露評価

★★★言語によるコミュニケーション
パターン・ランゲージ、クリストファー・アレグサンダー、1977

パターン・ランゲージとは
 :パターンを集めt一つの体系としてまとめあげたもの
 :ランゲージ=言葉でない
 :建築から、ソフトウェアやソフト構築へ

パターン・ランゲージの応用
 :人間行為に応用(学び、プレゼンテーション、など)
 ※井庭崇さんのブログで公開(Concept work)
  パターン名←発想・コツを端的に表すための名前
  Content←どういう状況で、次に示す問題が生じやすいのか
    Problem←上述の状況において
  Solution←
  ※今回は、部分展開アプローチ

リスクコミュニケーションのパターン・ランゲージ
 ・問題/・文脈/・対処案


■■■■■長谷川敦士
■■■■■「コミュニケーションをデザインすること ~伝わるためのデザイン」
(素粒子物理→認知科学→デザイン、@ahaseg)
コンセント代表/インフォメーションアーキテクト
IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
Web設計に関わるコミュニティ設計

コミュニケーションデザインの一般論について語る

○「伝わるしくみ」をデザインする
ウェブサイト
・Kanebo 企業自体とどう伝える
・suumo 意図と持って住宅を探してほしい
・新潮文庫100冊
・六本木ヒルズ 行くときにどうやって探そうか?
雑誌 ・anan/・BLOCCO

○コミュニケーション?
suicaをサンプルに
 :コミュニケーションが伝わらないから、機械の上にペタペタとシールを貼って対処している・・・
 :なんでそうなったか?
 :ユーザニーズが反映されていないプロセスを経て出来上がってしまった

○空港の立て直し
ドイツ メタデザイン
 :徹底的に空港利用者の観察を1週間行い、1週間でデザイン開発
 :出発(急いでいる)、到着(ゆとりがある)との気持ちの違いがある。なので出発者向けのサインを手前に表示する

インフォメーションへの問い合わせが50%減った(間違わないで目的の場所にいけるようになった)

○歓声と飛行機のコミュニケーション
 ×Hold for take-off
 ○Taxi into position and hold(ミスリードを避ける)
 誤解を招かないことが大切

○コミュニケーション nearly equalインストラクションデザイン
建築士は、建築をさせるためのインストラクションをする人
作曲家は、音楽を奏でるためのインストラクションを作っている

○インストラクション
どういう行動をとってもらいたいか?ということを真剣に考える

○なぜ伝わらないか
 情報過多
  :intelのサイトから・・・ リモコン
  :楽天のサイト
    グローバルナビゲーション・ユーティリティの一貫性がない
    自分の移動の指針として利用することができなくなる
 情報過多→共倒れ
  :smart phone向け
   mobile firstというのが現実(情報を表示できる領域が狭くなったので、逆に情報の選択がしやすくなった)
 一貫性の欠如→類推・学習を妨げる

 一貫性の力:”悪法も法なり”(デザインの良し悪し、フレンドリーであるかないかよりも、一貫性が優先されているとユーザは類推や適応して使うことができる)

○受け手の視点(context)/○Awareness Test
 受け手の視点にすりあっていないといけない
 ↓
 情報への期待

 見えるものしか見えない、自分の文脈にのったものしか見ない。そのため相手の文脈に、設計者側がすりよっていくしかない

 EYETRACKSHOP(Visual Evaluation)

 SOFTBANK AQUOS
  ページが平坦・・・なんとなく製品情報があればいいや
  なのに、設計者は購買行動してほしい・・・と考えている。ユーザと設計者の思いの不一致

 伝えるべきこと Messege
 優先度の欠如 Priority

 メッセージ・プライオリティ = 送り手の目的・意図

 スーパーカミオカンデ(光子1つから測定可能)
  HPからのテキストを抜粋して説明・・・だけど、そもそもニュートリノって何???と一般の人は思うのでは?
  確かに日本語としては読めるけど、理解はできない

○難しい:前提となる知識・情報が必要、抽象度の高さ

○仮説に基づいた議論を行うのは日本人は苦手としている。タブーには触れたくないという思いもある

○セマンティクWeb Wikipediaで、いろいろ書いてあるけど、一言でいうと、HTMLが自分自身がどんな情報化の定義まで持っている状態。
 正確ではないけれど、記憶に残すことができる。日常多用されているものである
 正確さ ←→ 分かりやすさ であることを受け入れる、意識しておかなければならない
 分かっていない人に伝えるためには必要な手段であると割り切る(ただし不利益が生じることがあることも理解しておく)

◎伝わらない理由
・情報過多
・一貫性のなさ
・メッセージ 

〇インフォメーションアーキテクト
1.データに潜む隠れたパターンを整理し、複雑さと明快にする人
2.ユーザが自分の知識を獲得するために道筋を見つけられるような、構造や地図を作る人
3.明快さ、理解、情報の整理に特化した、時代の要求によって生まれた21世紀の職業

〇情報アーキテクチャ
1.情報システムにおける組織化、羅べリング、ナビゲーションシステムの組み合わせ
2.タスクの遂行およびコンテンツへの直観的アクセスを容易にするため、情報空間を構造的にデザインすること

〇データ→情報→知識→知恵(デザインとビジネスを結びつけたMBA)
ユーザ←----------→コンテンツ
    つなぎかた・文脈

 IA=ハートマーク(LOVE)

〇The Elements of User Experiece から

〇人間中心デザインプロセス
 デザイナだけではなく、組織の中ではマネージャーや経営者などが、こういうプロセスを理解して実行できることが大事
 Appleのエンジニアリングでも採用されている(こういうプロセスが繰り返し実施されている)
 マックの原田社長も、Appleの経験を活かし、顧客視点のサービスを採用している
 営業サイドの人間が理解してお客様とコミュニケーションできることが大事


〇ユーザ(誰か、状況は?)/コンテンツ(何を?関連することは?)/コンテキスト(どうして?制約は?)

〇WebIA の階層
 インターネット全体:ウェブエコシステム(生態系)
  :自身のサイトにユーザはどこからやってくるのか?サイトに横入りされても、ユーザが欲しい情報を提供できる
  :グローバルエリア(サイトの顔)
  :コンテンツエリア(欲しい内容)
  :ローカルエリア
 エンタープライズ情報アーキテクチャ/ハイレベル情報アーキテクチャ
 サイトの情報アーキテクチャ
 各画面の情報アーキテクチャ
 ※階層性によるスコープを明らかにしていく

〇ウェブ階層アーキテクチャの設計
●ユーザを知る:実際の環境での調査(利用文脈まで知りたい時は特に)、エスノグラフィー調査
 ペルソナサンプルを作る(平均ではなく代表的な特徴をとらえたもの、利用イメージをメンバー間で共有することができる、自分なりの解釈を避けることができる)
 行動シナリオ、ユーザセグメント、ユーザの探索行動(直接/間接/積極的/消極的の4象限)
      積極的    消極的
  直接 |検索    |モニタリング
  間接 |ブラウジング|情報探索

 カードソーティング(視覚的に並べていくことで読み取れるものがある)
 コンテンツモデル(マンダラートに近い)
 コンテンツ更新/追加の想定
●コンテンツデザイン
 カスタマージャーニーマップ(ユーザがどのようにサイトを使うのかを長いスパンで考える)
 サイトストラクチャの作成
 ポストイットなどで、Webの構造化を視覚化。デザイナだけではなく依頼者との意識合わせにも有効
  ※7つのパターン化
   ポータル型/リスト型/コンテンツ型
 プロトタイピング
 ユーザテスト(アイトラッキングでユーザが設計者の意図通りに動いているかを確認する)


〇LATCH:情報分類の基本的な枠組み
Location:位置
Alphabetically:50音
Time:時間
Category:カテゴリー 主観的←ユーザはこの概念を使うことが多い
Hierarchy:階層(大小)
 ※たの4つは客観的

 

■■■■■中谷内 一也
■■■■■「専門家のリスク概念と一般市民のリスク認知との齟齬
リスク情報は、なぜ伝わらないのか?
そもそもリスクとは何かを考える

〇リスクとは?
 リスクとはある技術利用や活動によって生じる:
  ・望ましくない結果の程度
  ・その結果が生じる不確実性の程度
  (・望ましくない結果の性質)
 リスク評価の基本
  あるエンドポイント(望ましくない結果)の発生確率
 →リスクとは、集団を対象とした頻度的確率概念
 →リスクとは一定の集団を対象とする統計的概念
 専門家にとっての安全評価の基礎は:
  ・統計データに基づいたリスク評価(ここでは個性や名前や顔は排除した一般性が重要)
 →アウトプットは分析的システムの成果
 一方、私たちの日常的判断は経験的システムが優勢
 →このため、リスク情報は理解されても”伝わらない”


〇伝わらない理由1=二重過程理論=
 社会心理学の実験
 ・簡単な作業をして500円もらった
 ・担当者はそのうちいくらかをNPO団体のSave the childrenへ寄付してくれないかと依頼してくる。寄付は深刻な食糧不足にあるアフリカの援助に向けられる
 で、次のような情報を与える

 (条件1)女の子の顔写真があり、〇〇ちゃんはアフリカにすむ7歳の女の子。援助で大幅に改善される。どうしますか?
 (条件2)マラウィ/ザンビア/アンゴラ/エチオピアでは・・・
 (条件3)(条件1)と(条件2)をくっつける

 顔と名前を持った個人への援助行為は強い→Identifiable Victim効果
   (1)5$  (2)1$ (3)1.3$
 統計的な情報では人はドライブされない(もしくはか、邪魔になる)
 なぜ、こうなるのか?→二重過程推論による説明

〇二重過程理論
 人には2つの思考のシステムが備わっている

〇 経験的システム(システム1) 分析的システム(システム2)
 経験的システム(システム1) 分析的システム(システム2)
 全体的な感情志向 文責的な論理志向
 快、不快の感情を基盤とする 理性、論理を基盤とする
 連想による事象の関連付け 論理による事象の関連づけ
 過去景観の感触を元に行動 対象への評価に基づき行動
 具体的なイメージや比喩、物語より現実を構成する 抽象的な表彰や言語、数値により現実を構成する
 即座行動へのすばやい情報処理 後の行動のための丁寧な情報処理
 自分の感情、経験を信じる 証拠と論地に基づく正当性を求める
●経験的システム(システム1)
→拙速、無意識的で感情、直観、連想に基づき、イメージや物語、個別事情によりリアリティを得る
●分析的システム(システム2)
→遅巧、意識的な分析、論理に基づき、抽象的表象の概念操作や統計指標からリアリティを得る
●誰にも両方のシステムが備わっているが、私たちの日常的な判断や行為決定では、経験的システムが優勢

〇伝わらない理由2=視点の違い=
 確率で表現されたリスクは集団を対象として構成概念
 →集団を見渡す視点
 頻度説に基づく確率はそのまま個人にあてはまらない
 →集団の中にいる個人の視点
 不安がへる訳ではない
 →リスク情報は個人のリスク判断にも有用だが、そのままリアルな事態として伝わり、感情を喚起し、行動を動機づけるとは考えにくい

〇伝わらない理由3=リスクの認知基準がリスク概念と異なる=
 リスク認知の2因子モデル
 リスクとは「確率」と望ましくない事態の深刻さ」から構成されるというのが、技術的なリスクの定義
 技術的なリスクの定義とは異なった認知の要素があるとするのがリスク認知の2因子モデル
 ・恐ろしさ因子:致死的で、いったん発生したら世界規模の賛辞をもたらす潜在力があり、制御困難、将来世代の悪影響が懸念され、しかもリスクのさらされ方は不平等で、非自発的
 ・未知性因子:影響が後から現れ、外部から観察できず、本人にも感知できず、馴染むが薄く、科学的にもよく分かっていない
 (加えて)・人工-天然因子
  ※Slovic(1987)を参照

〇伝わらない理由4=信頼の悪化=
 マスメディアに対する一部オーディエンスの信頼が時間の経過とともに悪化してきたのではないか?
 報道テーマの推移
   地震・津波被害:起こってしまったこと
   ↓
   原発事故の緊急対応:現在進行中の事態
   ↓
   低線量放射線被ばく:今後の被害予想、不確実性大

〇何が信頼をもたらすのか?(ざっくりまとめると・・・)
 信頼を構成する2成分
 ・能力(competence)認知:能力、経験、資格
 ・動機づけ(motivation)認知:公正さ、誠実さ、真面目さ、説得意図のなさ
 →この自明視されているモデルは妥当か?

〇主要価値類似性モデル
 主要価値(salient value):ある問題に対処する時、問題をどのように見立て、何を重視するかということ
 相手が当該問題にかかわる主要な価値を自分を共有していると感じると相手を信頼する

〇どれが一番強い信頼規定因か
 能力認知?動機づけ認知?価値共有認知?

〇2011年 日本社会心理学会第52回大会「信頼のSVSモデル(5):東日本大震災に関連した組織の信頼」より
 調査時期:2011年4月25~26日
 調査参加者:関東、近畿在住の成人男女1030人
 ・信頼(信頼できる、頼りになる)・能力・動機づけ・価値共有(同じ目線、気持ち共有)・リスク管理 の5要素 についてヒアリング
 価値共有という評価基準では”あちら側”と見なされ、信頼を失ってはいないか?

 

■■■■■辻 信一
■■■■■「科学技術と市民参加」
〇現代のリスクの特徴
→科学的に予測できない問題の出現

〇科学的に結論の出ない問題への対応
→国民が判断(1)テクノロジーアセスメント (2)コンセンサス会議

〇市民参加の実践
→敷居を低くすることのすすめ

〇科学的に不確実な問題を政策にどう反映させるか?
→予防原則の考え方

〇第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定) Ⅴ社会とともに作り進める政策の展開
1.基本方針
「社会及び公共のための政策」の実現に向けて、国民の理解と信頼と支持を得るための取組を展開
2.社会と科学技術イノベーションとの関係深化
 (1)国民の視点に基づく。。。
  ①・・・国民参加
 (2)科学コミュニケーション・・・

〇市民の問題意識
1.リスクに関する関心の高まり
2.リスクを有する科学技術に対する社会のコントロール
 :リスクを有する先端科学技術に対し、社会はどのようにコントロールしていくのか?
3.市民の問題意識を理数kの管理にどのように活かすのか
 :「国民的な討議が必要」とされているが、具体的にどうするのか?

〇現代社会と行動規範
          社会の特徴        | リスクの観念             | 行動規範     | 法制度の例
市民革命期   | 市民社会         | 因果律に対する確信(リスクが局在)  | 過失責任     | 民法
産業革命進展期 | 資本家と労働者の対立   | 確率・統計概念の登場(リスクの分散) | 無過失責任    | 鉱業法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法
現代      | 社会システムのBlackBox化 | 不確実性の観念の登場(リスクの分担) | 予防的アプローチ | (気候変動的枠組み条約、オゾン層保護法、化審法、薬事法)


〇予測不可能な損害は誰が責任を負うのか
(1)判断力のある人間でも予測できない損害は、誰にもその責任を問うことができない
(3)リスクコミュニケーションの活用、さらには、科学の限界と市民の意思決定の形成過程を支援する手法の確立が求められる。


〇科学技術におけるリスクと市民参加の要請
・専門的知識の発展
・高度の技術革新の上に構築された社会
・科学技術のグルーバル化

従来のリスクとは違ったリスクの登場→過去のデータが役にたたない

1.国民が決める?
2.議会は決められる?
3.議会の情報収集能力は?(情報収集能力に疑問あり・・・)
 →議会の情報蒐集能力の強化→テクノロジーアセスメント
 →議会が「国民の声を聴く仕組み」をつくる→コンセンサス会議
4.「国民の声を聴く仕組み」をつくる
 →コンセンサス会議

〇TAとは
 先端の科学技術に対して、将来の社会的影響を予測・評価することによって、課題や対応方針を提示し、社会の意思決定を支援する
 1960年代に米国で開始
 1972年 米国でTA法が成立、技術評価局(OTA)が設置され活動を開始
 :連邦議会の付属機関としtOTA設置、議会調査局(CRS:Congressional Research Service)と併存
 :専門的な政策課題に議会が対応、行政府、立法府の格差の是正
 :職員200人、8割が専門職員(半数が博士学位保有)
 :予算規模 年間20億
 :年間40件程度のTAを実施1件の平均費用は約50万ドル、調査期間1~2年
 米国OTA廃止(正確には予算執行停止)
 :(理由)CRSとの業務の重複/調査機関が長すぎて立法サイクルに合わない/民間のシンクタンクでもできる
 初期のTAは専門家が予測・評価
 →市民の意見を反映することが大事
  (1)最先端の技術の予測は不確実性が伴う
  (2)その分野の専門家がはたして公正中立な課題や対応方針を提示できるかが懐疑的である
  (3)民主的にものごとを決定するのは、市民の意思である

〇コンセンサス会議
 社会的に議論を呼ぶような科学技術に関する話題を選び、専門家と市民が質疑応答を行う会議のことで、公開の場で行われ、政策形成に活用される。ここで出された意見には法的拘束力はない
 1987年位にデンマークで開始、90年代後半から日本にも
  :話し合いを通じて世論を形成する社会風土
  :各地のコミュニティが自然発生的に掲載されており、市民が意見を述べ、話し合う場が存在している
  :生涯教育の発達
  :グリーンレポート(1984)が公表され、科学技術の評価には市民の参加が必要であると指摘
  :デンマーク技術委員会(DBT:Danish Board of Technology)がデンマーク議会の1機関として設立
 パターナリズムに対する疑問
  専門家が相手のことを考えて全て取り仕切る関係のこと。決定するのは専門家であり、一般の人は関与できない
  (1)専門分野の専門家の評価によって専門家とされる
  (2)専門家からなる審議会と行政機関によって行われる。市民不在
 専門家だけできめられない科学技術問題の登場
  :遺伝子治療など
 市民の意見の反映
 対話の場の設定「話せば分かる?」
  :国が仲介役となって対話の場を設定

〇デンマークのコンセンサス会議
1.「市民パネル」と「専門家パネル」各十数名の2つのグループによる対話で構成される
2.市民パネル
 :デンマーク技術委員会が、成人の国民から1500人を無作為に抽出し、手紙で内容を伝えて、参加意思の有無を尋ねる
 :年齢性別居住地を人口構成に合わせるようにバランスをとり参加メンバーを支援
 :市民パネルの活動は「ファシリテータ」が支援
3.専門家パネル
 :当該テーマに関して市民の質問に答えることができる人材。
4.会議開催
 (1)準備会合 週末に2回程度
  :説明を受け、会議において専門家パネルに尋ねる質問リストを作成する
 (2)会議
  1日目 質問に専門家が答える
  2日目 テーマになっている科学技術に対して、受け入れるべきか、受け入れを拒否するべきなのか、条件をつけて受け入れるべきなのか、市民パネルとしての意見を報告書にまとめる
  3日目 市民パネルが作成した報告書を発表する:発表の場には新聞記者なども来ている。社会的な影響を与える
【役割】
 (1)表明されている意見は社会全体を代表しているのか?少数意見は反映されにくい
 (2)議会とコンセンサス会議との関係 コンセンサス会議の報告書が不当に政治に利用されないか?
 (3)市民が専門家の活動を評価する場でもある
 単なる参考意見にはならない・.

〇日本のコンセンサス会議
 1998年に任意団体である「科学技術への市民参加が主催して開催:東京電機大学の若松先生
 準備会合なし。
 市の広報あコミュニティーやか紙などで配布
 1998年1月14日、2月21日
 論点は予め事務局で準備(日本の場合は、初対面の人と、いきなり話し合いをすることが難しい)

 行政が主催したコンセンサス会議
 農林水産先端技術産業振興センターが主催
 遺伝子組換え農作物を考える会議
 市民パネルを全国から公募
 農林水産省などに要望書を提出
 (1)第1回、第2回 専門家による基礎知識の説明
 (2)第3回 鍵となる質問に対する専門家の回答・質疑応答
 (3)第4回 市民の考えと提案取りまとめ、要望書提出

 北海道庁が主催
 道内で栽培される場合の課題を明確化し、道への施策検討への参考として活用
 コンセンサス会議実行委員会(北海道大学 三上先生←北大が日本の中でレベルが高い)
 市民パネル15名 10歳代の参加があり。新しい試み

 ハイブリッド型会議(2006.9-2007.9)
 ステークホルダーを選定
 ステークホルダー会議(3回)
 ↓
 専門家による提案(4つのシナリオ)
 ↓
 市民会議(4つのシナリオに関する議論)
 ↓
 合同会議 ステーク+市民 の合同会議
 ↓
 市民提案
 ↓
 深堀会議(3分野)、各分野で7~9回開催:これを実施できたことが大事
 ↓
 合同会議
 ↓
 市民提案(最終案)

〇ファシリテータの育成
 公共団体の職員よりは、NGO調査機関、教職員などが望ましい

〇テーマと目的に応じた規模、期間とやり方
 社会的な声を代表するには?多忙なサラリーマンをどうフォローする?

〇(先生の試み)コミュニティ会議 2012年2月~実施
 ・「〇〇計画」、「〇〇ビジョン」を策定する際に使用
 ・小グループに分かれて議論して、提案をまとめる
 ・提案は文章化せず、主催者がメモを取る
 (問題は?)
  参加者の選定は行わないが、それでいいか?→各地で開催し、開催回数を多くすることでクリアする
 ※ファシリテータは自治体職員が対応
 ポストイットでアイデアをまとめる
 最終的に意見発表:パブリックコメントと同等とする
 どちらがいい?
 パブリックコメントとは切り口の違うコメントが出てきた。良し悪しがある


〇不確実な問題を政策にどう反映するか?
1.問題意識
 現代では、科学的に不確実な問題に直面し、政策的な解決は避けて通れない
2.政府のジレンマ
 (1)最先端の科学技術に関する問題の中には、確実な根拠を提出できないものがある←人間の叡智の限界

予防原則の活用
1.原因と損害との因果関係が必ずしも十分に科学的に
3.環境分野で発展
リオ宣言第15原則
 深刻な、あるいな不可逆な被害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化を防止するための費用対効果の大きな政策を延期する理由とし使われてはならない

〇我が国の予防原則(確立されてはいない)
・2003年 「カルタヘナ法」環境への拡散を伴う使用は許可制(承認制)
 →科学的に不確実性のあることに関して事前承認を義務づけた制度であり、予防原則の適用といえる
・2004年 「外来種法」我が国の生態系に被害を及ぼすか否か判定されていない外来種を一種に輸入禁止とし、許可制としている
 →被害が生ずるか分からないものを輸入禁止とした制度であり、予防原則の適用といえる


自分の中に毒を持て

2012年08月09日 | アイデア・啓発本

自分の中に毒を持て http://book.akahoshitakuya.com/m/b/4413090101/

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)


あまりにも力強い言葉の数々に一気に読了。ベストセラーでありつづけるだけの価値がある本です!

以下、心に残る言葉■
○人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。

○今までの自分なんか、蹴トバシてやる。そのつもりで、ちょうどいい。

○自分らしくある必要はない。むしろ、人間らしく生きる道を考えてほしい。

○安易な生き方をしたいときは、そんな自分を敵だと思って闘うんだ。たとえ、結果が思うようにいかなくったっていい。結果が悪くても、自分は筋をつらぬいたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。

○ぼくは口が裂けてもアキラメロなどとはいわない。

○挑戦した上での不成功者と、挑戦を避けたままの不成功者とではまったく天地のへだたりがある。挑戦した不成功者には、再挑戦者としての新しい輝きが約束されるが、挑戦を避けたままでオリてしまったやつには新しい人生などはない。 ○危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。

○結果がまずくいこうが、いくまいがかまわない。むしろ、まずくいった方が面白いんだと考えて、自分の運命を賭けていけば、いのちがパッとひらくじゃないか。

○出会うのは己自身なのです。自分自身に対面する。そうしたら、己を殺せ

○何かすごい決定的なことをやらなきゃ、なんて思わないで、そんなに力まずに、チッポケなことでもいいから、心の動く方向にまっすぐに行くのだ。失敗してもいいから。

○さしあたり惹かれるものがなかったら、本を読むのもいい。この頃みんな本を読まないらしいが、本は自分自身との対話だ。

○ぼくは、昔から三日坊主でかまわない、その瞬間にすべてを賭けろ、という主義なんだ。だから、三日坊主になるという計画をもったっていいと思う。

○いずれなんていうヤツに、ほんとうの将来はありっこないし、懐古趣味も無責任だ

○他に比べて弱くても、自分は充実して生きている。これで精一杯だと思えば、悔やむことも欺くこともない。人生はひらく

○意思を強くする方法なんてありはしない。そんな余計なことを考えるより、ほんとうに今やりたいことに、全身全霊をぶつけて集中することだ。

○相対的なプライドではなくて、絶対感をもつこと、それが、ほんとうのプライドだ。このことを貫けなかったら、人間として純粋に生きてはいけない。

○未熟だということをプラスの面に突き上げることが人間的であり、素晴らしいことだと思わなければいけない。

○自己嫌悪なんて、いい加減のところで自分を甘やかしてないで、もっと徹底的に自分と闘ってみよう。すると、もりもりとファイトがおこってきて、己自身を乗り越えてしまうし、自己嫌悪なんかふっとんでしまう。

○決して遅くはない。あきらめて、投げてしまってはいけない。あえて敗れることを決意して、社会にぶつかるのだ。それによって、さらに大きな、輝かしい人間像を形成していくのである。

○制約の多いところでこそ自分のしたいことをするのが本当の行動になると思う。

○多くの他人との出会いによって、人間は他人を発見する。他人を発見するということは、結局自己の発言なのだ。つまり、自己を発見するためには、おおぜいの協力者が必要になる。

○夫婦がいつも新鮮な気持ちでいるためには、最も親密な相手であると同時に、お互いが外から眺め返すという視点を忘れてはいけない。

○芸術は爆発だ!の爆発が指す意味は、全身全霊が宇宙に向かって無条件にパッーとひらくこと。いのちの本当のあり方。 ○手作り、手で作るとは、実は出先ではなく、心で作るのだ。生活の中で、情熱をそこにつぎ込んで、ものを作る。楽しみ、解放感、そして何か冒険、つまり、うまくいかないのではないか、失敗するかもしれない、等々いささかの不安を乗り越えながら作る。そこに生きている夢、生活感のドラマがこめられている。心が参加して、なまなましく働いていることが手作りの本質。


ウェブユーザビリティの法則

2012年08月08日 | Usability UX

ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版?ウェブユーザビリティの法則 改訂第2版

著者:スティーブ・クルーグ

 

 

先日、樽本先生(アジャイル・ユーザビリティ ―ユーザエクスペリエンスのためのDIYテスティング― :  http://blog.goo.ne.jp/aki-nagi-kae/e/cfafb6ca1a0291426e9d890a0a2af49b )の講座のなかで、格安ユーザビリティの本家と強調されていたので読んでみました。作者が2時間で読めるのをねらったと書いてあるとおり、さっくり読めます。
ユーザビリティワークショップを開催していると書いてあり、やってみたい!と思いました。

以下、抜粋■
◎クルーグのユーザビリティ法則
第一法則:ユーザーに考えさせない
第二法則:何回クリックしなければいけないかが問題ではない。どのクリックも考える必要がなく、明白である限りは
第三法則:各ページの言葉を半分にしたら、残りをさらに半分にせよ

○第一法則:ユーザーに考えさせない
・ユーザがウェブページを見たとき、何もかもが一目瞭然であるということだ。自明、一目瞭然。
・問題となるのは、ウェブの利用中に「はてなマーク」が浮かぶたびに、それが我々の認識能力に負担を与え、当面のタスクへの集中力が途切れてしまう。
・操作方法ごときで頭を悩ませるのは好まない
・サイト内で問題に遭遇した人々の多くは、サイトではなく自分が間違ったことをしたのかと思う傾向がある
・利用者が各ページを見るのにかける時間は、ウェブページ製作者が予想しているよりもはるかに短い

○人はページ内の文章を読まない。ざっと見るのみ
・たいてい急いでいるから
・全部読む必要がないのを知っているから
・慣れているから

○ある程度のところで妥協する
・たいてい、我々は急いでいる
・見当違いをしたからといって、たいしたペナルティはない
・選択肢を比較検討しても、勝算に対した差がないかもしれない
・推測するほうが楽しい

○「看板」デザイン入門
・各ページの階層をわかりやすくする
・”お約束”を活用する
・ページをいくつかのエリアに分ける
・クリック可能な場所を強調する
・”雑音”は最小限にする

○自分の望んでいるものに到達するまでに何回クリックしなければならないのかではなく(もちろん限度というものはあるが)、それぞれのクリックがどの程度大変かという点ではないだろうか、そして自分が正しい選択をしているのかについて、どの程度自信が持てるのかが問題

○何も考えずに、これしかないだろうと3回クリックするのと、これかなぁと迷いながら1回クリックするのとは同じ意味を持つ

○不要な言葉を省く
・そのページの”雑音”レベルを下げられる
・有意義なコンテンツを目立たせることができる
・ページが短くなるので、スクロールしないで確認できる情報が増す

○ウェブ上でクリックされるものの30~40%を占めるのが「戻る」ボタンである

○ナビゲーションの目的
・手がかりを与えてくれる
・内容を表す
・そのサイトの使い方を示す
・それを構築した人々に対する安心感を与える

○ナビゲーションをすべてのページの同じ場所に、同じ体裁で表示させておくと、ユーザは自分がまだ同じサイト内にいることを確認できる。これは製作者が想像する以上に重要なこと。

○グローバルナビゲーションに含めていいユーティリティは4~5つ

○ページ名
・大きい
・あるべき場所にある
・どのページにもページ名が必要である
・正しい場所におく
・目立たせる必要がある
・直前にクリックしたものと一致する必要あり

○パンくずリスト
・一番上におく
・>
・小さい文字を使用
・最後の項目にボールド体
・ページ名がわりにしない

○タブを好む理由
・自明だから
・見落とされることがほとんどない
・巧妙だから
・リアルな空間をかもし出すから

○アマゾンのタブがすごいのは?
・正しく作成されている
・カラーコーティングが用いられている
・アクセスされた時点で、どこかのタブが選択されている

○トップページが備えているべき要素
・サイトの素性と使命の明示
・サイトの階層
・検索機能
・見どころ紹介
・タイムリーなコンテンツ
・取引先
・ショートカット
・登録

・ユーザが探しているものを表示する
・ユーザが探して”いない”ものも表示する
・利用者にスタート地点を示す
・信頼感を獲得する

○平均的ユーザーという神話
・「ほとんどのウェブユーザには何らかの共通点がある」という思い込み

平均的なユーザなどいない!

○テスティングに関するいくつかの真実
・素晴らしいサイトを構築したいなら、絶対にテストが必要
・1人のユーザをテストするだけでも、まったくテストを行わないよりは100%ほどマシ
・1人のユーザーテストをプロジェクトの早い段階で行うほうが、終わり頃になって50人のテストを行うよりもよい
・代表的なユーザを募集することの重要性を過大評価しない
・テストを行う目的は、何かが正しいと証明することでも、間違いがあると証明することでもない。制作者の判断を整理するために行う
・テスティングは反復を要するプロセスである
・利用者のナマのリアクションほど、有益なものはない

○シンプルなテスト
被験者の人数 3~4人
採用方法 とにかく何人か選ぶ。ウェブを使いそうな人なら誰でもいい
場所 オフィスや会議室
進行役 適度に忍耐力のある人
事前計画 わずかな準備の時間さえあれば、ほとんどいつでも行える
準備 被験者に何を見せられるのかを決める
いつ、何を、テストする? ウェブ開発の過程で、小規模なテストを繰り返し何度も実行する
費用 約3万円(5000~10000円/人)
テスト後 当日、開発チームにその日のうちにフィードバックする

○信頼感を増すもの
・利用者がサイトで行いたいと考えている主な事柄について知り、それらを明白かつ容易にしておく
・ユーザが知りたい事柄について情報を与える
・できる限りユーザが必要とするステップを省略する
・最大限の努力を払っている
・ユーザーがどんな質問をしそうかを把握し、それに回答を与える
・読みやすく印刷できるレイアウトのページのような快適さを提供する
・エラーから容易に立ち直れる
・疑わしい場合はあやまる

○信頼感を減らすもの
・ユーザーが欲しい情報を隠している
・サイトの設定した方法から外れるとお仕置きされる
・本当に必要としていない情報をたずねる
・惑わせるような言葉遣いが多い
・シューシューという音が行く手をさえぎる
・サイトが素人くさく見える

○すぐにできるアクセシビリティに関する5つのこと
・すべての人が混乱するようなユーザビリティの問題を修正する
・記事を読む
・本を読む
・CSSを使う
・簡単なところから手をつける
 :すべての画像にalt
 :スクリーンリーダーがうまく機能すること
 :メインコンテンツにスキップする というリンクを各ページの先頭に用意する
 :すべてのコンテンツにキーボードからアクセスできる
 :正当な理由がない限り、JavaScriptを使ってはいけない

☆こんなこといってもいいのかと思ったコメント
自分が、その日にテストする素材の制作に関わっていない場合は、「私を傷つけてしまうんじゃないか、という心配はご無用です。これからご覧いただくページは、私が制作したものではありませんから」
→日本人の場合でもいいのかは要検討

 

 参考文献=====>

Web情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチWeb情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチ

著者:ルイス ローゼンフェルド,ピーター モービル

 

 

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学

著者:パコ アンダーヒル

 

 

決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか?決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか?

著者:ゲーリー クライン

 

 

Jacob nielsen's Website

 

 

ホームページ・ユーザビリティ ~顧客をつかむ勝ち組サイト32の決定的法則ホームページ・ユーザビリティ ~顧客をつかむ勝ち組サイト32の決定的法則

著者:ヤコブ ニールセン 他

 

 

ディフェンシブ・ウェブデザインの技術―「うまくいかないとき」に備えたデザイン、「上手に」間違えるためのデザインディフェンシブ・ウェブデザインの技術―「うまくいかないとき」に備えたデザイン、「上手に」間違えるためのデザイン

著者:37signals

 

 

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論

著者:ドナルド・A. ノーマン,D.A. ノーマン

 

 

Usability News

WebWord

UsabilityViews.com

Usability.gov research-based guidelines


まんがと図解でわかる7つの習慣

2012年08月04日 | アイデア・啓発本

まんがと図解でわかる7つの習慣 (別冊宝島)
http://book.akahoshitakuya.com/b/4796683623

まんがと図解でわかる7つの習慣 (別冊宝島) (別冊宝島 1805 スタディー)

7つの習慣
http://book.akahoshitakuya.com/b/4906638015
を読みこなすための入門書としておススメ。1時間もあれば読了できます。日本語と英語の表記が並べて書かれているので、原著の美しい英語にも触れることができます。ビジネスマン向けですが、中学の息子が読んで、自分なりのミッションステートメントを作ってくれたらと密かに願っています。

以下、抜粋■
○習慣のまとめ
第一の習慣:主体性を発揮する(自分を変えようと常に意識する))
第二の習慣:目的を持って始める(なりたい自分を想像してから始める)
第三の習慣:重要事項を優先する(重要なことを後回しにしない)
第四の習慣:Win-Winを考える(自分も相手も幸せな方法を探す)
第五の習慣:理解してから理解される(相手のことを心から理解する)
第六の習慣:相乗効果を発揮する(対立は成果への第一歩と考える)
第七の習慣:刃を研ぐ(肉体や精神を日々、磨く)
第八の習慣:ボイスを発見する(もっと自分の域を高める)


○この習慣が人生を変える
・物より人格的な豊かさが本当の成功と幸せを呼ぶ
・結果を変えるには物の見方から変える
・”パラダイム”変換を起こせば人生は変わる
・毎日の少しづつの変化が自分を大きく成長させる
・習慣を育成するには「知識」「スキル」「やる気」の3要素が必要
・相手の相違点を尊重し、相手の長所に学びながら力を合わせよう


○信頼残高を増やす
・相手の価値観・重視していることを理解する
・小さな心づかいや礼儀を大切にする
・約束を守る
・お互いが期待することを明確にする
・誠実さを示す
・あやまちは誠意をもって謝る

○相手の身になって聞くとは?
(1)話の中身を繰り返す
(2)話の中身を自分の言葉に置き換える
(3)相手の感情を反映する
(4)自分の言葉に置き換えつつ、感情を反映する


○第一の習慣をものにするには?
・自分の弱点を弁護したり、他人のせいにしたりしない
・大きな問題や失敗に直面したとき、「~だからできない」と考えず、どうしたらできるかを考える
・他人の弱点や欠点を批判しない
・グチをいう集団の中に入らない
・常に問題解決に貢献しようとする

○第二の習慣をものにするには?
・自分の最期に、どんな人だったと思われたいか、そう思われるために何をすべきかを考える
・自分の生活の中心を、原則に置いてみる
・身近な問題について、野損手いる結果と必要な行動、手順を書き出してみる
・ミッション・ステートメントを作る

○第三の習慣をものにするには?
・生活の中で、緊急性はないが重要な活動を、より多く実行する
・役割と目標をはっきりさせたうえで、一週間の計画を立てる
・人に仕事を任せる方法を考える

○第四の習慣をものにするには?
・信頼関係を築くためにするべき、普段の態度や行いをリストアップする
・Win-Winの関係を作るための障害と、相手の望んでいる結果を明確にする
・相互利益を求める相手を思い浮かべ、どうしたら相手を観察・学習できるか考えてみる

○第五の習慣をものにするには?
・身近な人に、相手の話を真剣に聞く練習をしたいと伝え、1週間後に気づいたことを教えてもらう。
・信頼関係がうまく築けない相手に対し、相手の立場で問題を書き留める。実際に相手の立場を理解しながら聞くように努め、予測と現実を比較する
・プレゼンテーションをするとき、相手に感情移入した立場から行ってみる

○第六の習慣をものにするには?
・現在進行中の問題で、自分の意見に固執していないか、異なる意見に価値を見出し、第3案を打ち出せるか考えてみる
・気に障る人をリストアップし、相違点をプラスに考え、相乗効果を生み出すためにできることを考える
・高いチームワークと相乗効果が欲しい状況を想定し、それを行う条件や自分にできることを書き出す

○第七の習慣をものにするには?
・自分の健康状態を良好に保つために、継続できる活動をリストアップし、計画を立てる
・精神的、知的な活動、改善したい人間関係をリストアップし、今週の目標に取り入れる
・毎週、4つの側面「肉体」「精神」「社会・情緒」「知性」それぞれを磨く活動を決意、実行し、実績を評価する

○ボイスを発見するために必要な3つの力
・選択する自由と能力
・原則(自然の法則)
・生まれつき人が持っているインテリジェンス

 


こどもの子守唄だった絵本(とめちゃん家にあった本)

2012年08月03日 | 赤ちゃん向け

まんまる おつきさん  わたりむつこ文 /しんどうさえこ絵 
http://www.fukuinkan.co.jp/magadetails.php?goods_id=22696

 

そういえば、一番読んでいた?歌っていた絵本は?と思って棚を探したけどなかったので、買おうとしたら、バックナンバーが売っていないらしい・・・とても残念。
なめられたり、びりびりされたりして、痛んでしまったので、捨ててしまったんだろうな・・・

私も、子どもたちも、本当に大好きで、この絵本のフレーズを適当に作曲して歌っていたのが、子どもへの子守唄。ぼうやも ねむねむ のあたりで寝てくれました。とってもお世話になった絵本。
今でも、私は口ずさめます☆

こんな感じ============

まんまる おつきさん まぶしくて
うさぎ うさぎ ぴょん ぴょん ぴょん
こいぬ こいぬ わん わん わん
こねこ こねこ にゃん にゃん にゃん
ひつじ ひつじ めー めー めー
こぶた こぶた もぐもぐ ぶー もぐもぐ ぶー
おやおや おつきさん まぶしそう
ぼうやも ねむねむ ねんねんねん
みんな ねむねむ おやすみ!