ビジネスマンのための「行動観察」入門
http://book.akahoshitakuya.com/b/406288125X
ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書) 著者のサインをもらうために、必死に読んだ本(^^; ... 「Do observe not see」と書いてありました。 去年、ガイアの夜明けで見た、「大阪の本屋さんを変える」の事例も掲載されています。何気ない姿を観察して、そこから、今までにないものを発見していくのがいい。 この何気なく観察すると、さりげなく書いてありますが、その裏にたくさんのノウハウがあることが分かります。
以下、抜粋■
○コーネル大学の教授に徹底されたこと
(1)必ず、現場に行って、人間の行動を観察すること
(2)根拠のあるソリューションを提案すること
○企業の永遠の課題
「付加価値の提案」
:製品開発、提供サービス内容の提案など、いかに自社製品・サービスを差別化し、他者に対する優位性を確保するか?
「生産性の向上」
:営業、生産、工事、ホワイトカラーの業務など様々な現場やオフィスでいかに効率よくアウトプットするか?
○行動観察の3つのステップ
「観察」のステップ
:現場に足を運んでそのフィールドでの人間の行動を詳細に観察し、実態を把握する。その場で気づいた事実について詳細なメモを作成する。また許される場合は映像や音声を記録し、対象者にインタビューする場合もある
「分析」のステップ
:人間工学や、心理学など、人間に関する知見を駆使して、観察した人間の行動を構造的に解釈することを試みる(人間工学/エスノグラフィー/環境心理学/社会心理学/表情分析)
「改善」のステップ
:実態とその解釈をもとに、ソリューションを提案する
○行動観察が有効な理由
・言語化されていないニーズやノウハウを抽出できること
・社会通念によるバイアスを排除できること
○調査を実施する上で大切なこと
調査の前に「こういう結果が出ます」などど約束はできない
途中経過はクライアントに伝えない
「人間に関する知見をベースとした調査である」ことを理解してもらえるような準備をする
○行動観察の基本的な姿勢
・まず、行動を起こして、その中で考えながら進める」
・自分の価値観で観察対象者を批判的な目でみてはいけない
・行動観察をする人間は、最初は現場のプロに学ぶ弟子なのだが、最後はそのノウハウを解き明かして他の人に伝える役割をする
・まずは観察して得られた実態を洞察して仮説を導き出し、それをトライアンドエラーの形で現場で直ちに実行して、その効果を見る方がいい
・現場に寄り添う
・「共感を大事にしてゴールにたどりつく」
○行動した結果を現場にいかす
ノウハウを抽出して共有できる状態にしても、現場の人が取り入れてくれないと何の成果もでない。行動観察を実施すれば知りたいノウハウについて文脈・環境の違いを検討せずに導入することができる。
○プロスペクト理論
人間は得をすることよりも、損をすることを過大に評価する。そのために得をしようと意思決定するよりも、損をしないように意思決定する
○Attention Restoration Theory(注意回復理論)
疲れている人間が自然物を見ると集中力が回復するというもの
○行動観察の手続
まず、フィールドをよく観察して、事実をありのままにとらえる
↓
様々な事実について、可能な解釈を考える
↓
心理学や人間工学など、アカデミックな知見を踏まえて構造的な解釈を試みる
↓
その事実をよりよく説明できる仮説を考える
↓
得られた仮説に基づいてソリューション案を出す
↓
そのソリューション案を簡易に実施して、効果を見て有効性を確認する