とめちゃん's 本ログ

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☆UXデザイン
☆人生啓発本

ザ・ファシリテーター

2012年12月06日 | Workshop

ザ・ファシリテーター ザ・ファシリテーター

 

 

 

 

ファシリテータのことが、物語形式で書かれているので、読みやすく理解しやすい本です。
ファリシテータの道具箱の著者でもあるので、場面に応じた手法の使い分けにも役立ちます。

以下、抜粋■
P11 リーダーズ・インテグレーションのプログラム例が記載


P58 J.R.ギブの提唱した4つの懸念モデル
 :受容(acceptance):自分自身や他者をメンバーとして受け入れることができるかどうか
  ↓
  データ流動(data flow):こんなことをいってもいいのだろうか?という不安
  ↓
  目標形成(Goal formation):グループ活動の目標が理解できないことに起因する不安
  ↓
  社会的統制(social control):グループ内で依存願望が満たされない場合に発生する不安感


P60 ジョハリの窓


P75 SWOT分析(Strength,Weakness,Opportunities,and threats)
 :環境要因としての機会と脅威、内部要因としての当社の強み、弱点を整理


P84 パーキングエリア
 :アイディアに関する批判などを、一時的に書き留める場所


P88 スノーフレーク
 :A4サイズの紙を半分に折る
  ↓
  角を一つちぎり取る
  ↓
  また半分に折る
  ↓
  もう一度、角を一つちぎりとる
  ↓
  さらに半分に折り、角を一つちぎり取る
 これをメンバーで比較し、メンバーの個性などを確認し合う


P92 目隠し案内


P166 More or Less


P208 うそつき自己紹介
:4つの自己紹介の中に、一つの嘘を混ぜてお互いに当てるもの。意外な個人の横顔が分かる


P216 ファシリテーションの道具箱 が表にまとめられている


P226 グランドルールをメンバー自身で作成し共有する


P228 タイムマシン 
:○年後の世界を想像してこれからのアクションを考える方法


P242 重みつき多重投票


P250 ボール遊び
:自分の意見を、ボールを投げながら交換する。主張の強さ弱さなどを具現化できる


P302 ファシリテーションのポイント
:目標をノルマと感じさせず、チャレンジの対象と思わせ続けること。目標を達成し、さらにそれを超えることに燃える雰囲気をつくり続けること


P305 ホーソンの実験の教訓
1.労働者の行動は、感情から切り離しては理解できない
2.感情は偽装されることが多く、面接では把握しにくい
3.感情は、その人の全体的状況と合わせてはじめて理解できる


P315 ニュースペーパーテスト
:新聞に取り上げられた場合のことをできるだけ鮮やかに思い起こさせ冷静な判断を引き出す。


関連本
甦る組織―ファシリテーター
http://blog.goo.ne.jp/aki-nagi-kae/e/8268d02b253cc59a4efac8221598bfd4

ファシリテーターの道具箱―組織の問題解決に使えるパワーツール49
http://blog.goo.ne.jp/aki-nagi-kae/e/8e2d3f8afacb8fd135095c7f0d4a940a

 

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甦る組織―ファシリテーター

2012年11月10日 | Workshop

甦る組織―ファシリテーター 甦る組織―ファシリテーター

 

 

 

 

企業でのワークショップを実施するファシリテートについて、ドラマ仕立てで書かれています。
とても臨場感があって読みやすい本ですが、ファシリテートする側、される側の心の動きが表現されていて参考になります。

以下、抜粋■
○会議のルール:グランドルールは5~7項目

○「紙の塔」 チームビルディング演習 紙だけで何段かの塔を組み立てるゲーム

○レゴブロックを使って、人間の形をしたひな形そっくりにレゴを組み立てるゲーム(ひな形は遠くにある)

○グループとは、ある特定の目的を達成するために集まった複数の人々のことを指します。この場合、グループの業績とは、それぞれのメンバーが貢献した挿話のこと。チームは、グループ集団の中の協調を通じて、そこからプラスの相乗効果が生まれる状態。シナジー効果。チームの努力は結果として、それぞれの投入量の挿話よりも高い業績水準をもたらす

○ファシリテータとは中立的な立場で、チームのプロセスを管理する。そしてチームワークを醸成しながら、チームの成果が最大になるように支援する者。

○「安心して話せる」がファシリテータの効果の第一

○ファシリテータが中立していることによる効果

○ファシリテータは、よい問いかけをすること。さまざまな関係者のベクトルを合わせ、一丸となるよう関係者に働きかけていく

○ファシリテータに必要な基礎
 :「ラショナル」物事を合理的に突き詰めていく
 :「エモーショナル」人間の感情のサイクルに配慮しながら、それをうまくコントロールして組織の変革を進めていく
 :「ポリティカル」組織内の権力やパワーバランスを政治的な感性で思慮深く、注意しながら変革を進めていく

○リーダーとマネージャーの違い。リーダーは、周りの人が「あなたがリーダーです」と認めること。

○ファシリテータは、単なる会議の司会、進行役ではない。会議の成果を生み出すために、参加者同士をうまくコミュニケーションさせながら、かりに議論が空中戦になってからみあっても、それをうまく地上戦に落として、結論まで会議を導くガイドのこと

○ファシリテータの喜びは、再生したクライアントからフェードアウトすること

○シャイン博士によるプロセス・コンサルテーション10箇条
 原則1:常に援助的であること
 原則2:常に現状を認識しておくこと
 原則3:自分の無知にアクセスすること
 原則4:自分のすることはどれも介入である
 原則5:問題も解決法も握っているのはクライアントである
 原則6:流れに身を任せる
 原則7:タイミングが極めて重要である
 原則8:真っ向から対決する介入については、建設的にオポチュニスティックであること
 原則9:すべてはデータである
 原則10:疑わしいときはデータを共有する
 

【紹介されていた手法】
・自己紹介「子どものときの自分」「20歳の時の自分」「今の自分」「十年後の自分」の絵を描く
・SWOT分析の職場編「左上:うちの職場はこれが自慢誇り」「右上:うちはここがダメ、イマイチ」「左下:うちは今後こんな良いことがあるかも」「右下:うちには今後ヤバイことがあるかも」
・5年後の雑誌
・人生の買い物ゲーム 人生で重要と思う項目「家族」「仕事」「名誉」「趣味」「財産」などについて、参加者が決められた所持金から買っていくもの。価値観を考える作業
・リーダーアシミテーション リーダーに一度退席してもらい、リーダーを迎える人がリーダに対する疑問、想像、評価などを吐き出してもらうもの。後からリーダーに回答してもらう
・一人が社長、もう一人が専務。専務が「社長!大変です、社屋が火事で焼けています!」と報告。社長役の人が「おお、そうか。ちょうどいい・・・」と理由をつけて即興でかえす
・ワンワード
・ハイポイントインタビュー
・360度調査

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アイデア会議

2012年11月04日 | Workshop

アイデア会議 アイデア会議

 

 

 

 

=====

考具 ―考えるための道具、持っていますか?考具 ―考えるための道具、持っていますか?

 

 

 

の筆者が書いた、アイデアを出すための会議を行うための一冊。いきなり企画会議ではなく、アイデア持ち寄りの戦略的な会議をお勧めしています。

以下、抜粋■
P14 良いアイデアを見つけるために何が必要なのか、分かりますか?それは、「膨大な選択肢」です。

P15 選択肢の多さとアイデアのクオリティは比例する

P17 選択肢を出しつくすこと、それが考え抜くということ

P20 この世にアイデアは3種類
 :(1)自分に出せたアイデア
 :(2)自分には出せなかったけど、すごくよくわかるアイデア
 :(3)自分には全く想像もつかなかったアイデア

P23 しゃちほこだった職制上の役職や先輩後輩といった人間関係を超えて自由闊達に意見を出し、交換し合いながら課題に立ち向かっていく様こそ、チームと呼ぶのにふさわしい

P23 いきなり企画会議!ではなく、その前にアイデア会議をしよう!

P28 基本要素
 Who ディレクター1名、プランナー3~5名
 Why 企画立案にあたって、企画の特長を規定するコア・アイデアを決める
 What コア・アイデアの候補となる選択肢を出しつくす 第1ラウンド
    企画へ仕上げるコア・アイデアを選択肢から絞り込む 第2ラウンド
 Where 会議室。広めの机を囲むような座席配置に
 When 第1ラウンドと第2ラウンドをわける。1回あたり、1.5~数時間

P32 参加者の役割を明確に分けることが全てのスタート
 名刺になんと書いてあろうが、アイデア会議では、それぞれの役割を演じてもらう

P34 らしさ で自分をごまかさない

P37 拡散と収束とを一緒にやらないこと

P44 アイデア会議には、専門家が集まればいいわけでもないのが不思議ですけど、面白い

P46 プランナーの仕事は、アイデアをたくさん出すことであって、自分のアイデアにこだわることではない

P50 出してくるアイデアは、プランナー1人あたり10案、5人で60案程度は欲しい

P51 プランナーは事前にアイデアを考えておいて、紙に書いておくこと

P53 出すことに専念する。「すぐ選ぼうとする失敗」「下らないことを口にしてはいけない、という不文律ルールの失敗」をしない
  アイデアを思いついたけど、あまりに下らなすぎてこんなこといえない と思うプランナーの気持ちを解除するのも大切

◆アイデア会議のゴールデンルール
P66 アイデア会議のゴールデンルール
 ルール1 持ち寄る(手ぶら禁止)
 ルール2 発言と発言者とを切り離す
 ルール3 選ぶ

P72 数を出して、持ち寄って、みんなに披露する の気持ちで

P77 純粋にアイデア至上主義

P80 全員で壁を見る(横に視線をそろえる)、あるいは全員で机を見る(縦に視線をそろえる)。みんなで見る、を概念だけでなく物理的な状態に加工してみる

P82 あれもこれもなアイデアは個性を失う


◆プランナーにとってのアイデア会議
P95 A4,B5,サイズはそのくらいの大きさの紙1枚に、1案だけ大きく書いてみる

P96 企画まで詰まっていなくていい、むしろ詰め込みすぎはNGくらいに思って書く
  下らないアイデアの効能、場の笑いが取れるだけでもグッドアイデア

P99 迷ったら、出す。思いついてしまったアイデアを出さないことは罪だと思う。

P101 自分にしか出せないアイデアがあるかどうかがプランナーの個性

P104 アイデアを磨くのもプランナーの仕事。アイデアのよいところ、可能性のあるところをもっと明確にしてあげる

P105 「言い換える」違う言葉、単語やフレーズに置換する。国語辞典や類語辞典を開いてもいい

P107 アイデアを見た瞬間に感じたいい感じの言葉の言いかえによって確かな感触に磨き上げていく

P113 大きな言いかえが選択肢を大きく広げる。ともすれば見落としていた可能性に気がついたり、再検討することができ、「漏れ」をふせぐことができる


◆ディレクターにとってのアイデア会議
P123 プランナーのアイデアを尊重しながら、冷静な判断に基づいた自分好みに仕立てていくのが仕事。

P136 第1ラウンドでは、批評も批判もしないこと

P137 整理の観点
  :・似ているアイデアは寄せる
  :・補強関係がありそうだったら隣に寄せる
  :・何となくポジティブな意味で「引っ掛かり」を感じるものは、目の届きやすい中心におく

P159 コアアイデアの条件
 :interesting 興味/好奇心/注目をひきつける
 :筋がいいかどうか
 :社会との調和性

P168 アイデアがちゃんと入っている企画としてみたすべき必要な条件は、実施にあたって要求される仕様をクリアしていること、そして企画が理解可能な形に整理され、説明できるようになっているかどうか

P181 ディレクターとファシリテーターとの違い。ファシリテーターは、会議参加者からの意見や考え、思いをくみ取り(一度拡散させて)全員で理解、共有し、全員の合意形成に向かって収束させていくのが役割。ファシリテータは判断はしない。判断するのは参加者。ディレクターは、結論については、自身できめる。必ずしも全員が合意する必要はない


作者は違いますが、いつでもどこでもアイデア出し!ということでは、この本があります。

アイデアキャンプアイデアキャンプ

 

 

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わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か

2012年10月30日 | Workshop

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か

 

 

 

 

コミュニケーションとは何かについて、オリザ先生の声が聞こえてくるような本でした。

以下、抜粋■
P15 企業が求めるコミュニケーション能力は、完全にダブルバインド(二重拘束)の状態にある。ダブルバインドとは、簡単に言えば二つの矛盾したコマンド(特に否定的なコマンド)が強制されている状態をいう。

P16 企業が新人に求めるのは、「異文化理解能力」と日本社会における従来型のコミュニケーション能力。明らかに矛盾した2つの能力を求められている

P21 子どもがかかえるコミュニケーション能力低下の問題
 1)コミュニケーションに対する意欲の低さという問題
  言語は、「言わなくて済むことは、言わないように言わないように変化する」という法則を持っている
  表現は、他者を必要とする
  自分と価値観やライフスタイルの違う「他者」と接する機会を、シャワーを浴びるように増やしていく
 2)コミュニケーション問題の顕在化
  ペラペラと喋れる必要はない。きちんと自己紹介ができる。必要に応じて大きな声が出せる。その程度のことで良い。「その程度のこと」を楽しく学んでいく
 3)コミュニケーション能力の多様化

P47 表現教育には、子ども達から表現が出てくるのを「待つ勇気」が必要

P55 話し言葉の教育とは、まずもって、自分の話している言葉を意識させることから出発するはず。

P73 体験型、双方向型の授業、ワークショップ型の授業のファシリテータを志す学生たちには、「1回のワークショップで教えなければならないことなど何もない」と教えている。それくらいの覚悟がないと、自分の作ったプログラムに縛られて「あれも教えなきゃ、これも伝えなきゃ」と焦ってしまう。ワークショップでは、子どもの反応に応じて、柔軟にプログラムを変えながら、「あ、ここではこでが伝えられた」という程度で構わない

P94 戯曲を描くうえで大切にしているのは、「対話」と「会話」の区別
  「会話」=価値観や生活習慣なども近い親しい者同士のおしゃべり
  「対話」=あまり親しくない人同士の価値観や情報の交換。あるいは親しい人同士でも、価値観が異なるときに起こるその摺合せなど。

P101 日本の「察し合う」「口には出さない」というコミュニケーションは世界では少数派。

P103 「対論」AとBという二つの論理が戦って、Aが勝てばAに従わなければならない。Bは意見を変えなければならないが、Aは変えなくていい
   「対話」AとBという二つの論理が摺り合わさり、Cという新しい概念を生み出す。AもBも変わる。まずはじめに、いずれにしても両者が変わることを前提にして話を始める

P106 冗長率(一つの段落、一つの文章に、どれくらい意味伝達とは関係のない無駄のな言葉が含まれているかを数値で表したもの)が高くなるのは「対話」

P108 「あの人は会話がうまいな」と感じるのは、冗長率を時と場合によって操作している人。コミュニケーション能力が高いとされる

P116 日本語には、対等な関係で褒める語彙が少ない

P123 日本語は、諸言語の中で性差の激しい言葉の一つ

P124 英語での会議は、国際化という名目の他に、年齢や性差を超えて対等な議論がしやすいという実利的な側面もある

P147 国際社会の中で、少なくとも少数派であるという自覚をもつ必要がある。またそこで勝負をするなら、多数派に合わせていかなければならない局面が多々出てくることも間違いない。ただ、それは多数派のコミュニケーションをマナーとして学べばいい。魂を売り渡すわけでも、相手に同化する訳でもない。

P149 身体に無理はよろしくないのであって、私たちは、素直に、謙虚に、大らかに、少しづつ異文化コミュニケーション能力を体得していけばいい

P155 日本のサッカーチームは、韓国のチームよりも、カズなどが早くから海外に出て、フィールド内では上下問わず呼び捨て(あるいはあだ名)というコミュニケーションを身につけていたので、そうとう早い時期から対等な呼び名の習慣ができていたようだ。

P161 話し言葉の総称を「コンテクスト」

P188 コミュニケーション能力とは。発話がうまくいかない場合、その原因を個人にのみ帰するのではなく、いったい、そこは話しかけやすい環境になっているかを問うていくという考え方。

P191 コミュニケーションの能力を「複雑系」でとらえたのがコミュニケーションデザイン。コミュニケーションをデザインする、コミュニケーションの環境をデザインするという視点を持つこと

P192 本当の改革に取り組もうとする企業は、会議のレンジを様々に設定する。またそのための試行錯誤を厭わない

P197 「シンパシーからエンパシーへ」→「同情から共感へ」「同一性から共有性へ」

P207 新しい時代は、「バラバラな人間が、価値観はバラバラなままで、どうにかしてうまくやっていく能力」が求められている

P223 私たちは、この中途半端さ、この宙吊りにされた気持ち、ダブルバインドからくる「自分が自分でない感覚」と向き合わなければならない

 

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ワークショップと学び3 まなびほぐしのデザイン

2012年10月03日 | Workshop

ワークショップと学び3 まなびほぐしのデザイン ワークショップと学び3 まなびほぐしのデザイン

 

 

 

 

ワークショップのデザインの仕方、ファシリテーションのあり方などが書かれています。

 「F2LOの構成(位置づく)」「対象の変形可能性と接触可能性の探索(見立てる)」「対話の共有(味わう)」が各段階で成立し、ワークショップにおいて「まなびほぐし」が生まれている状態が、「まなびほぐし=アンラーン」を目指すワークショップが「達成することを目指した状態」である。 が、この本の本筋です。

以下、抜粋■

○ワークショップというのは、一言で言えば「”異”との出会い」

【イントロダクション】
○佐伯先生のいう「まなびほぐし」。「身体技法(まなび方)」あるいは「型」を「問い直し」「解体して」「組み替える」を整理すると
 (1)新しい議題・対象の発見または提示
 (2)新しい課題・対象と従来の「型」の不一致の発見
 (3)多様な可能性の探索を通した従来の「型」の組み替え
 (4)新しい「型」を通した「ソリューション」の発見と共有

○この本のワークショップの目的は「まなびほぐし」のプロセス、つまり(1)(2)(3)(4)のステップを参加者に体験してもらうこと

○ワークショップとは、思考の柔軟性に向けたエクササイズ

○ワークショップがワークショップとして成立するためには、少なくとも2名の学習者と1名のファシリテータ、一つの対象が必要となる → F2LOモデル

○ワークショップ展開過程
 段階1:F2LO関係の構成
  **ファシリテータは対象を学習者に示し、それに対して行う作業を説明し、彼らをその作業へと動機付ける
 段階2:対象の変形可能性と接触可能性の探索
  **変形可能性 本質を保持しつつ、それを操作する者の多様な行為を算出することのできる対象の特性
  **接触可能性 学習者の行為を相互触発的に結び付ける対象の機能
  **「エクササイズ」を対象の設定、学習者間のコミュニケーションの調整などによって巧みに実現し、学習者たちの「型」の解体と組み替えを生じさせることがワークショップにおけるファシリテータの中核的な課題
  **お互いに相手の行為を承認しつつ、さらなる個性化を試みるという「相互承認と個性化」と通した関係へのコミットメント
 段階3:対象の共有
 
○ワークショップとは、「まなびほぐし」を鈍化させたかたちで参加者に経験させることを目的とし、F2LOという構成要素の関係構造をベースに、「F2LOの構成(位置づく)」「対象の変形可能性と接触可能性の探索(見立てる)」「対話の共有(味わう)」というかたちで展開する

○ファシリテータの位置取りにおける「離脱」のベクトル。可能な限り介入せず、必要に応じて一時的に接近して、また離脱するというサイクルを繰り返すこととなる

【ワークショップを立ち上げる】
=====ワークショップをつくる=====
◎この本でのワークショップの定義
 「コミュニティ形成(仲間づくり)のための他者理解や合意形成のエクササイズ」

○ワークショップの現場の課題
 「ワークショップを語る物差しがないということ」
  :ワークショップに起こったことを語る人(実践者)と、それを聞く人のとの間に共通の基準がないということ
  :ワークショップで起こった事実とワークショップで起こった価値を混同してしまう場合があること。この事実と価値を丁寧に分けて述べつつ、その関係をつなぎ合わせていくことが、ワークショップの因果関係をあきらかにしていくことなのであり、因果関係に基づいた「ワークショップの価値=善さ」を語ることになる
 「目的・missionと活動の対象の間にグランドデザインがない」

○ワークショップの参加者に起こっていることを軸に、ファシリテータ、参加者、活動の三者で展開される協働をコミュニケーション構造から見ていくことを重視する。そして、三者がどのような関係を示しているかに注目して、以下の3つの流れで説明する。
 「位置づく」
   **「まなびほぐし」のステップでいえば、(1)新しい課題・対象の発見または提示の場面である
   **参加者がワークショップでのふるまいや態度などを人や活動との関係性を測りながら、どのようにしていくかを決め、その場になじんでいく自分自身を意識している場面
   **「位置づく」ことが「人」や「活動」によって増幅されながら、参加者が受動的な立場で、そのワークショップの環境に慣れ親しんでいく
 「見立てる」
   **「まなびほぐし」のステップでいえば、(2)新しい課題・対象と従来の「型」の不一致の発見(3)多様な可能性の探索を通した従来の「型」の組み替え の場面
   **F2LOから見た展開過程でいえば、対象の「変形可能性」と「接触可能性」の探索にあたる
   **活動の対象を自分で意味づけていくことである。この意味づけには正解がなく、自分が活動の対象をどのように捉えるかで成立する
   **「見立てのアプローチ」
     1.活動のコンセプトや世界観から触発されたアプローチ
     2.活動に参加している人の特性から触発されたアプローチ
     3.見立てられる対象のものの特性(色や形、感覚性、身体性)から触発されたアプローチ
     4.見立てられる対象のものの特性(動きやしくみ、機能性、規則性)から触発されたアプローチ
     5.活動の進行している内容や主導している人への反同調としての独自の「見立てる」アプローチ
 「味わう」
   **「まなびほぐし」のステップでいえば、(4)新しい「型」を通した「ソリューション」の発見と共有であり、F2LOから見た展開過程でいえば、対象の共有


○学校で展開されているワークショップは、時間的な構成や内容的な構成が高くなりがちである。あまり高くしすぎると「まなびほぐし」が起きないことになるので、十分意識していく必要がある


◎F2LOモデル
F(Facilitator):ファシリテータ
L(Learner):学習者
O(Object):活動の対象


○O:活動の対象の特色
 1.試行誘引性(作品の制作時間を見通すことが可能、作品づくりの難易度を見通すことが可能な場合は高い)
 2.連想増幅性(類似なもののイメージをわかせる可能性など)
 3.作品共有性(役割を分担したり、交換したりしながらできること)


○ワークショップを実践者がデザインするときには、目的・missionとハウツウ(活動の対象)の間に、ワークショップのグランドデザインが必要


○グランドデザインの構造
協働性:仕組みのデザイン
 **協働性には、共有的、相補的という基本的な価値づけは不可欠だが、関係性の変化をデザインしていくことを基本としなくてはいけない
 **円環的な活動は、ただ同じことが繰り返されていくのではなく、繰り返すことで成員間の関係性の深まりが意識するようにデザインすることが重要である。
即興性:仕組みのデザイン
 **参加者の指向や反応はもちろん、トラブルやハプニングなど「異」を取り込んでいく即興性が必要で、実践者はそれを受け入れていく柔軟性が大事
 **ファシリテータが、無意識に全体をきれいにまとめようとすることには注意が必要
 **過度な即興性は参加者の充実感を損ない、ワークショップを壊してしまうこともある
 **ファシリテータは、参加者が偶発的に起こす当たり前の革新を支援したり、増幅したりすることだけで関係性の変化を生み出すことができる
身体性:仕組みのデザイン
 **自分の意図通りに動かない身体を通して、自分や他者との関係性を見直していき、そこから気づきを引き出したり、自分を改めて見直したり、対象化したりすることができる
 **自分という他者に出会うことで、私たちは自分自身との相互作用の必要性が理解できる
 **協働性を促進していくばかりだと、知らないうちに同調性が強くなる状況が生まれる。そのため協働に埋め込まれた自己の発見や「気づき」ができる身体性の存在が重要になってくる
自己原因性:意味のグランドデザイン
 **自己原因性感覚:自分の周りの世界の出来事を「自分のこととして」捉えることができる感覚
 **他者原因性感覚:他者が自分の変化の原因であるという感覚
 **双原因性感覚:他者と出会い、相互作用を通して、「『相手が私を変える』『私も相手を変える』」という二つの原因性の感覚が一体となる実感」を得ること
 **双原因性感覚こそが、協働性を支えていく感覚であり、ワークショップなどの協同的な活動で培うことができる感覚


○自分が持っている「活動の対象」が、グランドデザインのどこと結びついているのかを意識することで、自分が持っている「活動の対象」がワークショップとしてどのような特質があるのかをイメージできる。


○「なぜ、ワークショップなのか?」この問いに自分自身で答えていくためには、グランドデザインを考えていく必要がある


◎ワークショップをデザインするときは、ワークショップの依頼者の目的や要望とワークショップという方法のフィット感を確認する必要がある。また、自分たちの企画でワークショップを実施するときも自分たちの活動のmissionとのフィット感を確認すべきである


○「マッチング」と「フィット感」は、ワークショップの実践中にこそ得られるものなので、実践者は、自分のマッチングしたデザインが、参加者にどのようにフィットしているのかを、観察し、実践しながら「フィット感」に対応した微調整(マッチング)に努める


○省察的実践は以下の2つの省察に基づく
 「マッチング」が「行為の中の省察」の場面
 「行為の中の省察」の場面を問い直すことで実践知につながる発見を生み出していく


◎ワークショップの現場でつねに全体を捉えて部分を見る、部分を見たことから全体を考えるという全体と部分の往還が何より重要であることを伝えたい


=====ワークショップの企画と運営=====
○「誰に、どうなって欲しいのか」もしくは「誰に、どんな時間を過ごして欲しいのか」これがワークショップの企画をたてる出発点


○「目的」は参加者にとっての到達目標ではなく、ワークショップを企画する人の「思い」や「願い」に近い


○企画書に記載する項目(例)
 a.タイトル
 b.趣旨目的
 c.具体的な内容
 d.参加対象者
 e.ファシリテータ、ワークショップリーダー
 f.スケジュール
 g.会場
 h.特筆すべきこと
 i.募集方法、申込み方法、申し込み先、参加費
 j.主催団体または主催者や後援、協賛団体
 k.問い合わせ先
 l.関係者、団体プロフィール


○ワークショップの主な関係者全員が、そのワークショップの目的と成功イメージをお互いに確認し、共有しておくことが重要。ワークショップに関わる人たちが別な専門家である場合、特に丁寧に行うべき


○参加者募集(例)
 a.開催日時と会場
 b.参加対象と定員
 c.内容
 d.参加費
 e.募集期間
 f.申込み問い合わせ先
 g.主催


○事前連絡(例)
 a.開催日時
 b.場所
 c.当日の服装や靴、持ち物
 d.着替えが必要な場合、更衣室の有無
 e.食事の時間帯を挟む場合、お弁当が必要か、会場の中や近くで食事をしたり、買いに行くことができるかなど
 f.子どもの場合、保護者の見学、送迎に関することなど
 g.子どもの場合、保護者が記録撮影を希望した場合に許可できるかどうか
 h.主催者側による記録撮影の許諾確認
 i.当日の連絡先と担当者名


○現場の環境を整えるだけではなく、参加者の状態を常に観察し、必要に応じたケアを行うことも重要である


◎観察のポイントは、主に参加者とファシリテータやワークショップリーダーとの間にコミュニケーションや参加者通しのコミュニケーションが、ワークショップの目的に合うように上手く行われているか、参加者一人一人が余計な緊張を感じることなく、楽しく参加できているかどうか、である


○目の前で起きていることに対して、早急に主観的な判断や結論付けをしないことが重要。すぐに良い悪いと判断するのではなく、なぜそう見えるのか、本当にそうなのか、理由や原因がなんなのかを、まず確認する必要がある


○「なにが見えているのか」、つぎに「どう見えるのか」、そして「なぜそう見えるのか」、を冷静に分析すること。その上でワークショップの内容や目的と照らし合わせ、「どうなればいいのか」、そのために、「どうすればいいのか」を判断すればよい。目的によっては、このままでもいい、なにもしないほうがいい、という場合もある


=====ファシリテーションのデザイン=====
○マックス・ブラウンの言葉「デザインとは橋の形を考えることではなく、向こう岸への渡り方を考えること」


○プログラムを工夫し、やったことのないものに対する恐怖心を興味へと変える工夫をしておけば乗り越えられることは多い


◎自分がその活動を行うことや、誰かが参加してくれた人が見せてくれたり、作ってくれたりすることに喜びを感じるような活動をすること


○演出家のパトリシアさんの言葉「私から出たエネルギーが目の前の彼らに伝わり、エネルギーは私の中に戻ってくる。だからエネルギーは枯れることはありません。


○火事は起こす前に消す


○姿勢、距離、表情、そういった見えていることを、見えているままにとらえていく。見えている状態を変化させるために次の手を打っていく


○目標ははっきりと。あの人をこちらに近づけようとか、あの人を笑わせようとか、そんな単純で具体的な目標だ。


○短い時間で自分の伝えたいことを体感してもらうためには、自分の使う言葉や言葉の順番などの条件を見直すことが近道。


○やれることから始めて、やったことのないことまでステップアップ出来るといい。


◎面白いこと。何よりもそれが一番の武器。笑っちゃうことばかりでなく、もっと知りたい、もっともっとやりたいと思わせることができたら、それが面白いということ


○他の人を褒める。目の前の誰かが、あなたのために何かを行っただけでも賞賛に値すると思う。発想も必要。
 :何をしていたか→それがどう見えたか→もっとこうなったものが見たい
 :私が全てを見ていたとつたえること


○笑顔でいること。参加している人を笑顔にすること


○フラットな関係を築く
 :出来るだけ反対意見が出やすい状態にしておくこと。出来るだけくだらない意見を取り上げること


○失敗することを楽しめるようにする
 :失敗しないように、うまく乗り越えられるようにする心持ちでいながら、失敗を許し、失敗を楽しみ、失敗の中からたくさんの学びを得られるように促していくことが必要


○参加している人がリラックスして意欲的に参加し始めたら、出来れば私たちはその場を離れていく


○『葉隠』
 やってみせ、言って聞かせて、やらせてみ、ほめてやらねば人は動かじ。


=====ワークショップのコンテンツデザイン=====
○ワークショップを作るには、「コミュニケーションを考える」共通点がある


○ここでいうコンテンツデザインとは、「ワークショップの活動の中に、多様なコミュニケーションの仕掛けを埋め込んでいくこと」であるとする


○活動の中に埋め込まれたデザイン
 1.関係性を固定しない
 2.新しい関係性を作っていく
 3.全員一緒であえて進めない
 4.思考の外化から試行錯誤へ
 5.多様な関係性を生み出す工夫
 6.見渡せる環境から生まれる協働
 7.制限から深める
 8.固定概念を崩すひと工夫
 9.不完全さが生み出す参加者主体の自主性
 10.プロセスの可視化

 

=====知のおもてなし時空間=====
○ミュージアムとして持ち帰ってもらいたい体験はもちろん「知」の喜び。「おもしろい」「どきどきする」「もっと知りたい」「わくわくする」「美しい」「かっこいい」といった「知」のポジティブなイメージ。愉快な「???」と「!!!」を持ち帰ること

○非日常的な行為が、ゲストたちの頭や体をほぐし、ミュージアム体験を充実したものとする


○「もてなす」という粋な姿勢が、より有機的に、より生き生きとした、ポジティブな「知」のプロデュースのヒントになれば幸い


=====ワークショップの分析ツールのデザイン=====
◎時間の流れに従って出来事が生まれ変化していく過程を観察することが不可欠。特にその中で創造的活動が起こっているであろう「活性化した場」に着目することが重要。それが生起するまでの、ある混沌とした状況からの経緯や文脈を捉えることがポイント。参加者の「表情や会話」「振舞い」の変化に着目し、参加者が集中して取り組み、表現を通して新しい自分に出会うまでの過程を捉える

○出来事が変化する「結節点」を捉える


○実践者の目で捉えていくことが重要。「全体で考えることと同じように、部分の中にどのように見ていくことができるのか」という目線で関わることが大事


○リフレクションの話し合いで、ファシリテータが「結節点」の段階で何を考えていたのかを時系列で追いながらディスカッションして出しあう。またこのリフレクションをメタレベルから捉えて構造分析することも効果的


○「活性化した場をどのように自然に作り出せるか」が全体を通した目標。


○ファシリテータ間の連携のためには、言葉やアイコンタクトによる「コミュニケーション」が要となる


○観察ツール CAVScene
研究論文 http://ci.nii.ac.jp/naid/110008662347


○観察ツール ATROF
ワークショップの構造をF2LOモデルのダイアグラムの構造として表示する


○振り返りのポイント
 :意味のある出来事の区切りを捉える
 :(ファシリテータの初心者)WSの手本となるような「活動が上手くいっている状況

を詳細に捉えていくことが効果的
 :(ファシリテータの経験者)何らかの「問題が発生し上手くいっていない状況」や「ワークショップとして崩れかかっている状況」を詳細にみることが効果的


◎観察者にとって重要なことは、それぞれのワークショップのもつ活動の個別性や多様性、また偶発性・開放性という特性に対して、ラーナーがどのような学びや意味を生み出していったか、自発的な場をつくることができたかを注意深く見つめることが重要である。


=====ワークショップの評価=====
○コミュニケーションプロセスの評価
 「目的」:評価結果の用途
   **客観評価とはワークショップが「達成することを目指した状態」が実際に達成されたかどうか、あるいはその程度達成されたのかということについて、何らかの指標を用いて表現することを指す
   **改善とは、ワークショップデザイン、実施した者が、その成果を確認し、問題点、改善点を抽出することを指す
   **振り返りとは、ワークショップの参加者が自身の参加体験を想起し、その意味

を反省的に吟味することを指す
 「主体」:評価を行い、その結果を主に利用する者
 「対象」:評価の対象となる現象
   **対象となるのは、「参加者の活動・体験」、「デザイン」、「ファシリテーション」
 「表示方法」:評価結果を示す表現のスタイル


○「達成することを目指した状態」とは、人がワークショップに参加することによって生み出すプロセスの何らかの特徴をさす。ワークショップにおいて「まなびほぐし」が生まれている状態。

 

 

 

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生涯学習支援のための参加型学習(ワークショップ)のすすめ方―「参加」から「参画」へ

2012年09月17日 | Workshop

生涯学習支援のための参加型学習(ワークショップ)のすすめ方―「参加」から「参画」へ 生涯学習支援のための参加型学習(ワークショップ)のすすめ方―「参加」から「参画」へ

 

 

 

とても分かりやすい文章で参加型学習(ワークショップ)について書かれています。
参考文献も、公共団体系のものが多数書かれていて、論文とはことなる引用の仕方をしているのが面白いです。

今は、絶版?になっているのか、中古でしか手に入らないのが、もったいない本です。

「参加」と「参画」の言葉のニュアンスについて、どう説明したらいいのかと思っているときに、タイムリーに届いてよかったです。

以下、抜粋■
○体験学習の特色
 :学習者(自分)中心の学習である
 :身体とすべての感覚を用いる学習である
 :学び方を学ぶ学習である
 :頭でわかることと行動がかわることをつなぐ学習である
 :自分と他者のかかわりを通して学ぶ学習である

○体験学習の効果
 :主体性
 :現実性
 :協働性
 :創造性
 :指向性

○参加型学習プログラムの3つの力
 :「企画・立案」力
 :「デザイン」力
  *起 導入 こころをほぐそう
  *承 展開1 ひきつけよう
  *転 展開2 未知との出会い
  *結 シェアリング 学習の統合と発展
  **ふり返りカードをつくる
   (1)活動活動を考えて答えやすい設問とする
   (2)質問の持つ意味が伝わるような表現で
   (3)学習者が興味を持って取り組める工夫を
   (4)学習者のニーズにあったもの
   (5)その場の状況にあったもの
   (6)多様な表現方法を取り入れる
   (a)日々の変化をかくにんするためのカード
   (b)目的達成度を数値で評価する者
   (c)文章を完成させるタイプ
   (d)設問にこたえるヒアリング形式
   (e)印象的なできごとを「絵」や「構造図」にして表現するもの
 :「運営」力
  *学習にふさわしい雰囲気をつくろう
  *できるだけの準備をしておこう
  *自分の準備を信じよう
  *計画を絶対視しない
  *学習者の自己判断の場を作ろう
  *学習者に対しては受容的に
  *時間を守ろう
  *お互いを尊重する互恵関係を維持する
  *学習環境を整備する
  *著作権に留意
  ◎シェアリングで気をつけること
   :仲間とわかちあう
   :個人のふりかえりも大切にしたい


○つくっておくとよい3つのプログラム
 (1)学習者のために提示するプログラム
 (2)運営者のための詳細なプログラム
 (3)実際に行ったものを記録したプログラム

○参加したくない、つまらないプログラム ベスト5?
 (1)専門用語で武装した基調講演で始まるプログラム(しかも、時間オーバー)
 (2)同一の学習方法が連続(講義または演習)のプログラム
 (3)前回と同じ、全く踏襲のプログラム
 (4)あれもこれも盛りだくさんで、知識詰め込み型のプログラム
 (5)共感は呼ぶが、教えてもらうだけの刺激のないプログラム

○参加学習型のルール
 :発言しやすい、良い雰囲気は学習者自身でつくる
 :豊かな人権感覚で、互いに相手を尊重しましょう
 :互いに学び合うことを大切にしましょう
 :相手の話をまず聞こう
 :できるだけ結論から先に言おう
 :表現しないと誰にも分からない 「分からない」ことは「分からない」という
 :相手を傷つけずに自分の考えを伝える

○20の手法
 (1)まちづくりWS
 (2)施設づくりWS
 (3)学校支援WS
 (4)問題解決WS
 (5)学習支援者養成・研修WS
 (6)団体活動開発WS
 (7)ディベード
 (8)KJ法
 (9)討議法(バズセッション、パネルディスカッション、シンポジウム・フォーラム、レクチャー・フォーラム、フィルム・フォーラム、インタビュー、ダイアログ)
 (10)ブレーンストーミング
 (11)ラベルトーク
 (12)ランキング
 (13)ゲーム
 (14)ロールプレイ
 (15)アサーティブトレーニング
 (16)フォトランゲージ
 (17)フィールドワーク
 (18)シミュレーション
 (19)ネイチャーゲーム
 (20)アイスブレイク

○学習を支える3つの役割
 ・プランナー
  :学習者の視点から講座に参加することで得られるメリットを明示したり、楽しい雰囲気が伝わるようにする
 ・ファシリテーター
  (1)学習者の主体性を尊重し、操作的な言動は慎む
  (2)講座全体が開放的になるような雰囲気づくりを心がける
  (3)現在の討議、状況に至るまでのグループプロセスを把握しておく、または理解しようと努める
  (4)問題の解答を教えるのではなく、解決は学習者自身に任せる
 ・チューター

○3ステージ・4エンジン
 Stage1:個人的学びのために「いあわす」だけの参集ステージ
  ↓学習者が個人という殻を破って、直接的、具体的、実際的に、”他者”と関わり合う行動変容が必要
 Stage2:グループの学びに「かかわる」参与ステージ(自立的に学びの場を企画・運営するノウハウを学習支援者から主体的に学び取ることが必要なステージ)
  ↓他者によるお膳立てから自立して、自らその学びの活動の場に参加して、これを担う
 Stage3:学びの場を組織的に「にないあう」参画ステージ
  
 エンジン1:学習者をひきつける「人格力」エンジン
 エンジン2:私を活かす「組織力」エンジン
 エンジン3:私を超えた「事実力」エンジン
 エンジン4:私たちを媒介する「情報力」エンジン

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おとなの学びを育む―生涯学習と学びあうコミュニティの創造

2012年09月12日 | Workshop

おとなの学びを育む―生涯学習と学びあうコミュニティの創造

ただ読むだけではなく、青山WSDに通っていた自分自身をリフレクションしながら考えさせられたので、読むのに時間がかかりました。でも読了できて良かったと思います。

どうして、このタイミングで青山WSDに通学しようと思ったのか?
青山WSDの授業で、どうしてリフレクションを重要視していたのか?
が理解できました。

青山WSDの授業を受けて、自分の中で変わったものは何かあるか?
多分あると思うけど、まだ分かってないし、変わり続けていくことが大事なんだろうなと思いました。 

以下、抜粋■

省察的実践とは何か―プロフェッショナルの行為と思考 省察的実践とは何か―プロフェッショナルの行為と思考



 

 


に多大な影響を受けている本であることを前置きします。

:省察を、グループでの学習活動における学習者相互の学びのなかに位置づけようとしている。

ⅺ:社会人や職業人は、職場において直感やわざを用いながら臨機応変に活動をしており、このわざを省察し、ことばに出し、明らかにしていくことも大事な大人の学びであるという考えにいきつく

P7:寺中作雄は、社会教育者の担い手を、戦争遂行に協力してしまった「臣民」としてではなく、各地域で自己教育と相互教育の担い手となりうる「公民」として描いていた。

P10:ラングトンは、堅固な学校制度が、現代社会における変化における障害になっているとして、生涯にわたる学習を踏まえたカリキュラムを主張。

P11:「生涯教育」から「生涯学習」に名称が変わっていく

P12:成人を「教え育てる」ためだけの生涯教育ではなく、主体的に学び習おうとする人々の生涯学習に目がいくようになった。

P14:臨教審が「生涯学習」を使用した理由。 「学習は読書、独学など自由な意思に基づいて意欲を持って行うことが本来の姿であり、自分にあった手段や方法によって行われるというその性格から、学習者の視点から課題を検討する立場を明確にするために生涯学習を用いた

P19:田中雅文は、ボランティア活動のなかでのコミュニケーション能力の育成、参加者同士の人間関係および自治に向けての豊かな学習活動と、生涯学習の成果をボランティア活動に活かすことなど、「学習活動とボランティア活動の相乗効果」がみられると主張

P21:家庭や地域社会が本来持っていた教育力を再生していく必要があること、子どもや青少年の教育は、学校教育のみに委ねるのではなく、家庭や地域社会が連携・協働して行う必要があること、そのためにも、学校と家庭、地域の連携が、あるいは学校を家庭や地域社会に開放し(学校を地域に開く)、地域社会を学校にも開放していく(地域を学校に開く)ことが求められている。

P23:地域基盤社会。ドラッカーが知識社会という表現で提言。情報は、人間が多様な行為を行う際に用いるとき、知識になる。知識基盤社会とは、新しい知識が、政治、経済、文化をはじめ社会のあらゆる領域で基盤となり重要性を増す社会である。このような社会では、「単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的、社会的なリソースを活用して、特定の文脈で複雑な問題に対応することのできる力」、いわゆる「主要能力(キーコンピテンシー)」が求められている

P32:一般に学ぶこと、学習することとは、「経験によってもたらされる思考、価値観、態度の持続的な変化」と定義。学習、学ぶこととは、何らかの経験を経ることを通して、みずからの試行、価値観、態度が継続的、持続的に変化することを意味している

P33:学ぶとは
  (1)・・・であることを学ぶ
  (2)・・・することを学ぶ
  (3)「わたしは」と主語とする自動詞として用いられる学び
  (4)より良く生きることを学ぶ

P34:おとなが学ぶこととは、「おとばが、思考、価値観や態度の持続的な変化をとおして、生きがいや自己実現につながるような能動的な情報や技術の獲得という経験を持つこと

P34:おとなの定義
  (1)法律上の成人の定義
  (2)社会的な成人の定義
  (3)心理的な成人の定義

P37:おとなの学びが、個人の学習者の自己実現をめざすことよりも「社会に開かれた自己実現」を志向しつつあるという点

P37:人びとは、他者や社会、公共空間へと開かれていく自己をめざして自己実現していく

P38:エミール・デュルケーム 社会の発展を、機械的連帯(似た者同士の連帯)から有機的連帯(各人の異質性を認め合った連帯)という図式のなかでとらえる試みを示している

P40:おとなの学びがこれまでとは異なる新たな地や学習感を創造している と考える

P41:社会人が学ぶ以上、経験知を学習資源として活用し、経験知を活かしていくような学習プロセスが必要になってきている

P44:分散型コミュニティが持続的になるためには、メンバー同士の人間関係や信頼の構築、合意の取りつけ、個々の実践コミュニティーの優先順位やニーズに折り合いをつけること、そう反する圧力に対処するといったコーディネート力が求められる。

P46:センゲの学習する組織とディスプリン
  (1)自己マスタリー
  (2)メンタル・モデル
  (3)共有ビジョン
  (4)チーム学習
  (5)システム思考

P50:おとなの学びとは、「おとなたちが、人間関係を含めた新しい社会の創造に向けて、多様なコミュニティを基盤にして行う、思考、価値観、態度の持続的な変化につながる一連の活動もしくは経験」

P57:パトリシア・クラントンの成人教育論の整理
  (1)デューイの経験主義の教育学や振り返りの概念
  (2)行動主義
  (3)人間性心理学
  (4)発達心理学
  (5)批判的理論
  (6)アンドラコジー

P57:メリアム&カフェレラ
  (1)行動主義
  (2)認知主義
  (3)人間中心主義
  (4)社会的学習
  (5)構成主義

P62:技術的関心 外的な自然環境をコントロールしたいという欲求から生まれ、ものごとを原因・結果の因果関係で考えようとする関心のこと

P64:実践的関心 他人を理解したい、他人から理解されたいという欲求。他人のためにも、自分や他人が所属する文化やその文化がもつ共通の社会規範や価値観を理解したいという欲求も含まれる

P66:解放的関心 現状維持にとどまらずに成長し発達したいという欲求を土台。

P75:公民館に求められるもの
  (1)住民の自己解放の場
  (2)集団的な学習と文化創造の場
  (3)継続的な政治学習
  が三段階の学習の構造化として求められる

P85:成人期においても、一番学ぶことができる「教育の適時期」が認められるようになってきている

P89:30~50代の中年期は、安定期ではなく、危機の時代、転換期である。体力や気力の減退、結婚と離婚、子どもの成長と自立、夫婦関係の変化、親の老化と介護、男性性や女性性の意識、社会的地位と責任の変化など多くのできごとが発生する心理的変容のある時期

P91:ユング「人生の正午」で、40歳以降の「人生後半」の個性化や自己実現の発達を強調している。人生前半は太陽が東から上っていく、太陽が人の頭の上を通過するのが40歳。そしてその後の人生の後半は太陽が沈んでいくことになるが、むしろ、意味を探究することを通して、自分の内面の声に耳を傾け、自我をより高度の次元で統合していくプロセスとなる

P97:アーノルドによる解釈のパターン
 ・パースペクティブ性
 ・ステレオタイプな表現
 ・もっともらしさ
 ・潜在性
 ・持続性
 ・幼児期経験の固執性
 ・相対的な柔軟性
 ・社会的媒介性

P103:コルプの経験学習4段階
 (1)具体的経験 具体的な経験をつむこと
 (2)省察的観察 経験のなかに現れる他者を観察すること
 (3)抽象的概念化 観察したことを説明する概念や理論を生み出すこと
 (4)実践的試み 得られた理論を問題解決や決断の際に用いること

P106:ユングは<外向的><内向的>パーソナリティの2つの態度と、4つの心理的な活動様式「思考」「直観」「感情」「感覚」を組み合わせた8つの心理タイプを定義

P112:固定受講者層の受講歴のタイプを8つにわけると・・・
 ・科目継続型
 ・継続+α型
 ・健康型
 ・社会型
 ・科学型
 ・語学型
 ・文学型
 ・マルチ型

P114:マイセルによる参加動機の分類
 ・動機 モチベーション
 ・モチーフ
 ・関心およびニーズ
 ・期待

P116:学習ニーズの個別対応
 ・学習機会の体系化、ネットワーク化
 ・多種多様なプログラムを用意して、おとなの学習者が自由に選択できるようにする
 ・各学習期待を尊重する方向で講義をすすめる
 ・これまでにきずきあげた学習スタイルへの配慮
 ・心理タイプに応じた学習方法を計画段階、実施段階で考える

P128:ノールズ 現実生活の課題や問題によりうまく対処しうる学習の必要性に、人びとは何かを学習しようとする

P138:クラントンの自己決定性
 ・自己決定性型学習は、他者とかかわりあうプロセスであり、個人学習と同じではない
 ・自己決定性型学習は、プロセスであると同時に結果でもある
 ・自己決定性型学習は、成人教育の出発点、当然の前提ではなく、学習者が獲得すべき到達目標である

P138:おとなは自己決定性型学習ができるという前提に立つのではなく、学習プロセスのなかで自己決定性型学習を少しづつ身につけることができるようになると考えるのが現実的

P139:クラントン 自己決定性型学習という新しいアプローチに対して、「とまどい・混乱」の状態を経験し、どこまで自分たちで行ってよいのかという「許容範囲の見きわめ」や「個人での探求と振り返り」をしながら、少しづつ自己決定性を身につけ、「新たな興味と熱意」を感じるようになり、自己決定性型学習を周りに勧め、「提唱」をしていく

P144:子どもの学習は形をつくること(forming)を重視するのに対し、おとなの学習では、すでにある経験や価値観の形を変えること(transforming)に重点がある

P145:子育てが一段落した女性が学ぶにあたって大事なことは、新しい知識を身につけるだけではなく、自分自身の家族観や夫婦観、女性観などの価値観に気づき、振り返り、それらを変容していくプロセスが求められる。

P148:変容のプロセス
 ・すでに自分の価値感や前提についての気づきがある
 ・新しい価値観についても検討をすすめている
 ・これまでの価値観と新しい価値観との比較をしたうえで、もとの価値観を選び直している

P153:行為の中の省察論は、おとなの学習者が、今までに身につけたものを意識化し、言葉にしながら明確にしていくことが意味を持つとする成人学習論であるといえる。

P164:学習支援者は教える役割よりは、自己決定性を引き出す役割が求められる

P165:講師が提供する知識を理解する学習から、自分の意見を相手に伝え、相手の意見を尊重することで多様な意見をとおして課題を協働で探求するプロセスを踏みながら自己決定性を獲得する

P165:省察的な学習では、獲得した知識や技能の量の確認よりは、「学び方を学ぶ」ことがどの程度進められていがのかをおたがい評価しあうようになる

P166:螺旋的な学習プロセス(実態の把握→課題の設定→暗黙知や実践知の明確化→意識変容の学習→自己決定性型学習→振り返り・・・

P222:ロジャースの考えるファシリテータの役割
 ・学習者の学習ニーズを尊重し受け入れることをとおして学習活動が容易にできるようにする
 ・学習者を主体とする学習活動を支援する

P223:森の考えるファシリテータ
 ・話し合いを容易にし促進する役割を担う人
 ・話し合いを通して、一人ひとりがみずからの生き方・あり方との関連で何かを発見し、気づきをもたらす役割

P226:ファシリテータの役割
 ・参加者の内なる声を聴き、聴こうとして待ち、参加者みずから学習課題を設定していくのを支援する消極的な役割ファシリテータの必要性

P232:中野民夫の考えるWS

ワークショップ―新しい学びと創造の場 ワークショップ―新しい学びと創造の場

 

 

 


P238:WSが特定の価値観の押しつけにならないようにするためには、参加者主体ということを最終の到達目標とするだけでなく、WSをとおして得られたさまざまな体験をめぐる参加者の意見を謙虚に聴きながら、支援者としての自分のねらいとは異なる意見に対しても胸襟を開いて受け止める柔軟性が支援者に求められる

P239:WSが参加者にとっても支援者にとっても、一番重要なのは、WSが終わった後の振り返りがどれだけ行われているかによる

P296:実践を省察するシステム
 ・問題状況をとらえ設定する際に枠組み(フレーム)を転換させる
 ・過去の経験を固有の状況に持ち込みながら枠組みを創る
 ・<管理された実験>とは異なる<現場での実験>をすすめる


 

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協同と表現のワークショップ―学びのための環境のデザイン

2012年09月02日 | Workshop

協同と表現のワークショップ―学びのための環境のデザイン 協同と表現のワークショップ―学びのための環境のデザイン

 

 

今まで読んできたワークショップの本で、一番厚く、読むのに3,4日かかってしまいました。精読に分類したので、読み通しました。歯ごたえ、読みごたえともに十分です。ワークショップ(プロセスを大事にする、必ずしもアウトプットは望まないタイプに分類する方)の評価が書いてあるほか、ワークショップに関する38の質問に丁寧に回答が書かれているのが、とてもお勧めです。

「このワークショップどれくらい準備したの?」と聞かれたら「all my life」と答えたい
「DW」は何の略と聞かれたら「Dream Weaver」よりも「Document Wall」といえるようになりたい
と思いました。

以下、抜粋■

ワークショップとは

・「参加型グループ学習」といい、一般的には学習の方法
・学びが人の序列化の装置になってしまっている状態から、学びを救い出し、学びの喜びという原点に立ち返らせる可能性がある
・関係性のデザイン(伊藤俊治氏 2003)の中では、ワークショップを「多様性な差異をどう自覚し、どう活性化し、どう編集していくのかの鍛錬の場」とし、希薄な日常に差異を生じさせ、かき混ぜ、集団全体の生命力を回復することの必要性を問いかけている
・ワークショップとは特定の部分的な問題解決を図っているようにみえて、実は「全体に配慮し/された学び」で、いわば「総合性の高い学習なのではないかと考えた
・ワークショップに参加した子供たちは自ら学び、表現する中で、その能力を伸ばすだけでなく、相互に学びあい、認め合う中で自己表現していきます。「学習者が知識を蓄積するだけではなく、社会や文化などに埋め込まれた学習を再構成する」社会文化的な学びの体験
・「つくって、かたって、ふりかえる」の、つくったものをナラティブに語ること、そして自分の体験を一度客観的に振り返り、客観的に見直すこと、それが次の創造、明日の私を作っていく
・広石英紀(2005)は「参加・協同型学習として、「意味生成の自由な学び」として定義し、その特徴として参加・体験・相互作用をあげている。ワークショップの学びは、参加者によって生起する相互作用=互いの違いが想像力を生むことを大切にするので、参加者によって常に変動し、あらかじめ学びのデザインを完全に記述しておくことは不可能で、参加者自身が能動的に意味づけを行いながら、学び自体を作っていく学び
・加藤、堀(2008)ビジネス分野では、会議や研修を能動的に進める手法としてワークショップを活用・「多様な人たちが主体的に参加し、チームの相互作用を通じて新しい創造と学習を生み出す場」として定義
・「生きることにリアルさ」「体験重視」「双方向的コミュニケーション」「創造性の探究」
・学習という活動を教員から学生への一方通行的な知識伝達ではなく、日常様々な活動における道具や他者との対話的な相互行為を通じて、学習者の考え方や振る舞い方が変化していく長期継続的なプロセスとみなす
・状況的学習論では、たとえ教員の意に反する結果となったとしても、学習者自身が主体的に変容していくこと自体が重要

ワークショップ企画の3つの出発点

  1. 人との出会い
  2. ものとの出会い
  3. テーマの醸成

創造的活動マップ

  1. 縦軸:可能性の軸 対象を知る/対象の可能性を感じる/対象の可能性を実現する
  2. 横軸:抽象度の軸 身体/心/頭

異文化連携の3段階モデル

  1. 始動フェーズ 始まりのデザイン
  2. 多様化フェーズ 継続のデザイン
  3. 意味づけフェーズ 発見のデザイン

TKFモデル

  1. 「つくる」 表現する
  2. 「かたって」 他者との相互交渉の中で自分の作ったイメージを説明しつつ、吟味する
  3. 「ふりかえる」 行為の後の省察

イタリアンミールモデル

  1. アンティパスト
  2. プリモ
  3. セコンド
  4. ドルチェタイム
  5. プリモ
  6. エスプレッソ

ワークショップで注意すること

ワークショップは、新しい自分を発見したり、何か今までの自分を変えようと思ってやってくる無防備な人に、「協同や表現」は利用の仕方によっては、自己の内面を傷つける可能性があることに注意を向ける

ワークショップデザインの流れ

  1. 条件の整理
  2. コンセプトメイキング (コンセプト→モチーフ・アイテム)
  3. WS詳細のデザイン

ワークショップの4要素

  1. 活動 a.企画の心構え b.準備
  2. 人 c.参加者 d.組織と役割 e.チームで共有する
  3. 空間 f.活動のランドスケープ
  4. 道具 g.マニュアル

ドキュメントウォールにかかれるもの

  1. 準備
  2. ワークショップ実施中
  3. 終了後の振り返り

リフレクションムービーの撮影者に求められる視点

  1. 全体を眺める視点
  2. メタ視点
  3. 近接視点

ワークショップのレポート

  1. 経験のパッケージング
  2. プロセスの中にある光を捉える
  3. 目的を明確にする
  4. 緩やかに構成をイメージする
  5. スタッフの認識の共有化
  6. レポート素材の収集と記録
  7. メディアを吟味する

ワークショップを評価する観点

  1. 目的と方法の適合性 : ワークショップのねらいと方法がうまく合っていたかどうか
  2. 活動のプロセスの力動性 : 参加者がねらいを理解し、十分楽しんでいたかどうか
  3. 参加者同士の相互作用性 : 参加者同士の関わり、コミュニケーションが十分高められたかどうか
  4. 感覚・身体による積極的関与性 : 体験性の観点から、感覚・身体を十分活かすものであったかどうか
  5. 参加者の活動全体に対する満足度 : 活動終了後に満足度が高まり、リピーター意欲につながったかどうか
  6. 企画自体の社会的貢献性 : 社会的にもモデル化できるようなものであるかどうか

ファシリテータとは

・お節介のレベルのバランスを考えていくこと
・ともに取り組む姿勢が大切。参加者と同じ立場に立って、活動に参加していくという意識
・ファシリテータ同士もカバーしあうことが大切
・ファシリテータが意識していきたいこと ・人と出会い、仲間を作ることについて、基本的に前向きだったり、自分にとって必要と考えていたりする。何か面白いことに常に興味を持っている人

  1. 答えは君(参加者)の中にある
  2. (参加者や主催者の立場に)なってみる
  3. 伝えたことより、伝わったこと



社会教育 で述べられている特徴

  1. ワークショップに先生はいない
  2. お客さんでいることはできない
  3. 初めから決まった答えなどない
  4. 頭が動き、心も動く
  5. 交流と笑いがある

ワークショップの分類 中野:2001

http://blog.goo.ne.jp/aki-nagi-kae/e/89f6325e9a3620f4a264e1b3f6830217

  1. アート系
  2. まちづくり系
  3. 社会変革系
  4. 自然・環境系
  5. 教育・学習系
  6. 精神世界系
  7. 統合系

ワークショップの分類 中西:2006

  1. 自己啓発系
  2. 身体開放系・身体表現系
  3. 社会的合意形成系
  4. 想像力開発系

ワークショップの分類 堀・加藤:2008

http://book.akahoshitakuya.com/b/4532314038

  1. 組織の問題解決や発展を目的とした組織系
  2. 社会が抱える課題について考える社会系
  3. 個人の教育、学習、成長と目的とした人間系
  4. これらの3つを合わせた複合型

ワークショップの歴史

・ジョン・デューイ 1859-1952
 :(1)理論化、(2)実践、(3)観察、(4)反省を指摘しながら、よりよいものを求めていく反省的思考
・1960年代 ハルプリン
 :RSVPサイクル Taking Part Process Workshop
  (1)資源 resources
  (2)スコア score
  (3)価値評価 Valueaction
  (4)実行 performance

レッジョエミリア

「文化的意味を生成し与えられる空間」としてのアトリエ

  1. 全体としての柔軟性
  2. 関係性
  3. 浸透性
  4. 多感覚性
  5. 操作可能性
  6. 共同体
  7. 生成
  8. 物語
  9. 豊かな規則性

 


元気になる会議-ホワイトボード・ミーティングのすすめ方

2012年08月28日 | Workshop

元気になる会議-ホワイトボード・ミーティングのすすめ方 元気になる会議-ホワイトボード・ミーティングのすすめ方

 

 

 可愛らしい装丁なので、アート系か子ども関連のワークショップに役立つものかと思いましたが、思った以上にビジネス向けでした。人間関係がうまくいっていない職場、計画通りに事業が出来ていないなと思ったら、さくっとホワイトボード・ミーティングするといいかもしれません。
会議ファシリテーションチェック度25チェックシートも、とても的をついています。ファシリテータ・参加者の心得は、黙読ではなく3回音読してみました。たしかに、すとんと頭に入ります。

以下、抜粋■
(チェックリストなどに興味がありましたら、是非本を買ってください☆)

○主体的に自分らしく生きるためには、「心の体力」が必要

○心の体力をしっかりと温めて、自分が本来もつ力を発揮して生きることを「エンパワメント」といいます。

○集団の中に良好なコミュニケーションがあると、権利と権利の衝突が激しくても、お互いに力を合わせて乗り越えることができる

○クオリティの高い聴き合う活動は、学び合う、高め合う、つながり合うことに直結。ファシリテータは常にゴールを照らし共有しながら、メンバーとともに歩くパートナーであり協働者。その関係は「中立」で「対等」

○人が集まって、情報共有と役割分担をしながら、共にゴールを創り出す。一人一人がイキイキと力を発揮する集団にはファシリテータが不可欠。

○ファシリテーターは、参加のハードルを低くすることから始める
 :好意的な関心な態度を向けにくい 「利害関係がある」
 :「好意的かどうかは相手が決める」

○ホワイトボード会議は、メモをとらずに顔をしっかりあげるのが基本

○ファリシテータは、つぶやきを拾う

○発散は、具体的な情景を共有できるところまで

○深度の深い情報共有は、具体的なアドバイスの引き出しを促進する

○選ばれなかった意見にも価値はある

○ファシリテータは引き出しすぎない

○まとめるときは、自分でまとめようとせず、参加者に「どのようにまとめましょうか」と聞いてみる

○ファシリテータが動きやすい条件
 1.聴き合う関係(ルール)が生まれ
 2.場が温まり
 3.何のために(目的とエンドユーザー)
 4.何を話し合うか(テーマ)
 5.その方法が明確で、納得でき
 6.役割分担の根拠が明確、もしくは公平性が保たれている

◎ほっとする言葉
・いつもありがとう
・忙しそうだけど、大丈夫ですか?
・頼りにしているよ
・焦らないようにね
・失敗は誰にでもある
・やればできる
・ありがとうございます
・お疲れさま
・あなたらしくやりなさい
・大丈夫
・時が解決するよ
・心配ないよ
・忙しい時は手伝うよ
・がんばりすぎるな
・お帰りなさい
・ご苦労さま
・心配しなくていいよ
・いけてますか
・手伝いましょうか


七色いんこ

2012年08月26日 | Workshop

七色いんこ (1) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)七色いんこ (1) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

 

 

七色いんこ (5) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)七色いんこ (5) (秋田文庫―The best story by Osamu Tezuka)

 

 

考具の中で、”七色いんこ”になってみましょう と書かれていた本。考具を読んだ後、買ったのではなく、通勤の乗換駅の近くに古本屋さんで、全巻セットで売られていたので、とりあえず購入して、1年以上??そのままにしていた本。考具をきっかけによんでみました。思った以上に、内容がシビア&濃いため全巻読破ではなく、まずは1巻と最終巻の5巻から。

七色いんこは、どんな代役でも限られた時間内で台詞を覚えこなすことができる達人。
ただ、裏の顔は泥棒なので、演目中に何らかを盗むことも忘れない・・・
ハムレットなどの名作もありますが、なにげに、ベトナム戦争の帰還兵の話や、政治の裏側をえぐるような話とかもあり、火の鳥・ブラックジャックとはテイストが異なります。

書評は、
1巻:野田秀樹
2巻:寺脇康文
3巻:大鶴義丹
4巻:斎藤由貴
5巻:熊谷真美
が書いています。この名前にピンとくるかこないかで世代がばれるかも・・・

考具 ―考えるための道具、持っていますか?考具 ―考えるための道具、持っていますか?