アイヌ民族関連報道クリップ

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ピヤラ アイヌ民族の今 白糠の「ししゃも祭り」 豊漁と安全祈り30年 (2009/10/27)

2009-10-27 00:00:00 | アイヌ民族関連
ピヤラ アイヌ民族の今

 アイヌ民族の今を伝え、文化と歴史を考えるページ、「ピヤラ」は、北海道新聞釧路・根室版の夕刊で2006年7月から隔週火曜日に連載中の特集ページ。現在も、道東のアイヌ民族の取り組みや思いを発信し続けています。





白糠の「ししゃも祭り」 豊漁と安全祈り30年 (2009/10/27)

先祖を供養するイチャルパ=06年


奉納された古式舞踊=08年


 白糠町特産のシシャモの大漁と安全操業を祈願するアイヌ民族の伝統行事「ししゃも祭り」(道アイヌ協会白糠支部主催)が、今年で30回目を迎える。毎年、漁期の10月末から11月初旬に行われる「祭り」の歴史や人々の思いを探った。(渡辺佐保子)

人々を飢えから救った伝説も

 「盛大に第1回シシャモまつり」という記事が、町の広報誌1980年11月15日号に載っている。以来、回数を重ね、町内では秋のアイヌ民族の祭りとしてすっかり定着した。

 祭りでは、神々への祈りをささげる「カムイノミ」を実施、「イチャルパ」の儀式では供え物を燃やして先祖を供養する。また、古式舞踊の奉納なども行われる。

 時田岩吉エカシ(長老)は「シシャモ漁に携わるアイヌ民族が多かったし、事故もあった。漁の安全と豊漁を祈願しようという動きが自然に起こったような気がする」と振り返る。

 白糠のアイヌ民族にとって、シシャモは単に特産物というだけではない。シシャモが人々を飢えから救った伝説が残されている。

 それによると、町内の茶路川沿いの人たちは、ひどい飢饉(ききん)で餓死寸前にまで追い込まれたことがあった。コタンの人々が川の神様に救いを求めるカムイノミをすると、にわかに空がかき曇り、雨が降ってきた。

 雨に打たれて柳の葉は川に落下。雨がやんで静かになると、魚のはねる音が聞こえてきた。水面を見ると、柳の葉が流れに逆らって上って来た。その下には黒々としたシシャモが群れていた。人々はシシャモを捕り、命拾いをしたという。

 祭りにはこうしたシシャモへの感謝の気持ちが込められている。今年の白糠のシシャモ漁は24日から始まった。

 30回目の「祭り」は11月1日午前10時から、町内のアイヌ文化拠点施設「ウレシパチセ」と茶路川河畔広場で開かれる。カムイノミやイチャルパなどの伝統儀式のほか、2年前から始まり、好評の「シシャモのつかみ取り」なども行われる。

 道アイヌ協会白糠支部の高木津吉支部長は「大きな節目の年。できるだけ多くの人に参加してもらいたい」と呼びかけている。

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