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アイヌ文化、人形で伝えたい 苫小牧の吉度さん、札幌で来春個展(北海道新聞)

2014-11-08 16:00:00 | アイヌ民族関連
アイヌ文化、人形で伝えたい 苫小牧の吉度さん、札幌で来春個展(11/08 16:00) 札幌の個展で展示する人形を手にする吉度さん
札幌の個展で展示する人形を手にする吉度さん
 【苫小牧】苫小牧市樽前の吉度(よしど)厚彦さん(79)が、使用済みの紙おしぼりなどを使った人形の創作を続けている。アイヌ民族の物語を題材に熊送りの儀式イヨマンテの場面などを表現、市内の展示会で発表し、評判を呼んできた。来年3月には札幌市中央区のかでる2・7で個展を開くことが決まり、「自然と共生したアイヌ民族の考え方を人形を通して伝えたい」と意気込んでいる。

 吉度さんは厚真町生まれ。室蘭の高校を卒業後、20歳の時に東京の石こうメーカーに就職した。40歳で独立し、石こうを使ったアクセサリーやひな人形の顔などを作る職人として活躍した。東京や千葉で計3回、和紙や石こうを使った作品の個展を開いている。

 体調を崩すなどして70歳で苫小牧に戻り、樽前の軽費老人ホームに入居。食事前に手をふく紙製のぬれおしぼりや、洗面所に設置してあるペーパータオルなどが無造作に使い捨てられている状況を見て、「自分が使ったものだけでも再利用できないか」と人形制作に使うことを思い立った。

 段ボールや石こうで形を造った後、新聞紙を巻き付けて肉付け。使い終わった紙おしぼりなどを乾かして水彩で色を付け、のりで貼り付けて作る。1体の高さは40センチほど。素朴な味わいが特長だ。アイヌ民族を題材にしているのは、子供のころに交流があったことから。苫小牧駒沢大の聴講生として、アイヌ民族の文化や伝承を学びながら創作に励んできた。

 イヨマンテは大切に育てた子熊を送る時、悲しそうに泣く子供や、輪踊りをする女性など人形70体で構成する大作。飾るには6畳ほどの広さが必要といい、伝統儀式の様子を細かく表している。紙の再利用も効果を発揮。特にペーパータオルには凹凸があり、「サケのうろこや服の文様に見える」という。

 札幌の個展に向け、2年前から準備を進めてきた。草原を駆けるシカや川を上るサケなど北の大地を表現した作品など15点を展示する予定。吉度さんは「自然を大切にしたアイヌ民族の物語を通し、環境問題を考えるきっかけになれば」と話している。(阿部里子)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/573291.html

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