北海道新聞 昔の名前(11月12日)
チェンナイ、ムンバイ、コルカタと聞いてぴんとくる人は、どのくらいいるだろう。かつてマドラス、ボンベイ、カルカッタと呼ばれたインドの都市だが、一九九五年以降、それぞれ現名称に改められた▼旧名は植民地時代からの英国式発音とつづりだったため、地元言語であるタミル語、マラーティー語、ベンガル語に戻したものだ。帝国主義支配の名残を一掃しようという考え方は、よく分かる▼今月一日には、たまたま訪れた情報技術(IT)産業都市バンガロールが、やはり現地語のカンナダ語に従って「ベンガルール」に改められ、同様に他の九都市も改名されるという発表があった▼翌朝の地元新聞を見ると、一面のトップに「おはよう。ベンガルール」の大見出しが躍っていた。ただ、復古主義的印象を持つ人もいるようだ。定着した名称の変更には混乱を心配する声もある▼テレビは新市名のつづりを市民に答えさせていたが、登場した五、六人全員が間違えていた。ムンバイにある国内トップの工科大学や証券取引所などは、なおその名に「ボンベイ」を冠している▼ふと、アイヌ語由来の地名が多い道内に当てはめ、例えば根室を「ニムオロ」、夕張を「ユーパロ」に戻そうということになったら、どんな議論になるかと考えた。奇想天外な話ではあるが、これまでこうした発想がなかったこと自体は問い直されていい。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?&d=20061112&j=0033&k=200611125414
チェンナイ、ムンバイ、コルカタと聞いてぴんとくる人は、どのくらいいるだろう。かつてマドラス、ボンベイ、カルカッタと呼ばれたインドの都市だが、一九九五年以降、それぞれ現名称に改められた▼旧名は植民地時代からの英国式発音とつづりだったため、地元言語であるタミル語、マラーティー語、ベンガル語に戻したものだ。帝国主義支配の名残を一掃しようという考え方は、よく分かる▼今月一日には、たまたま訪れた情報技術(IT)産業都市バンガロールが、やはり現地語のカンナダ語に従って「ベンガルール」に改められ、同様に他の九都市も改名されるという発表があった▼翌朝の地元新聞を見ると、一面のトップに「おはよう。ベンガルール」の大見出しが躍っていた。ただ、復古主義的印象を持つ人もいるようだ。定着した名称の変更には混乱を心配する声もある▼テレビは新市名のつづりを市民に答えさせていたが、登場した五、六人全員が間違えていた。ムンバイにある国内トップの工科大学や証券取引所などは、なおその名に「ボンベイ」を冠している▼ふと、アイヌ語由来の地名が多い道内に当てはめ、例えば根室を「ニムオロ」、夕張を「ユーパロ」に戻そうということになったら、どんな議論になるかと考えた。奇想天外な話ではあるが、これまでこうした発想がなかったこと自体は問い直されていい。
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