~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

雪、やんじゃった。。

2011年02月09日 | 日々徒然
朝、きーんと寒くて、はらはらと大粒の雪が降り落ちるのを見て、雪国でない呑気さに呆れるのですが、白い冬をようやく肌に感じた気持ちで、冷たい窓に手の平をあて、暫く眺めていました。

久しぶりのお気に入りのCMのごとく、浮かんできた詩は、
大好きな高村光太郎の「冬の詩」

ついつぶやいてしまいました。

  冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
  見わたすかぎり冬だ
  再び僕に会ひに来た硬骨な冬
  冬よ、冬よ
  躍れ、叫べ、僕の手を握れ~



実は、昨日、中学1年生に冬の詩人ともいえる高村光太郎の詩を語ったところでした。
昨年も呼んで頂いた小金井の中学校です。
『道程』『冬が来た』、『智恵子抄』からも3つ、私も教科書で触れてきた詩を紹介しました。

もちろん、『冬の詩』も。
今日、雪が降ってちょっと口ずさんだ子もいるかなぁ。。

とても有名な光太郎のブロンズ「手」の写真も紹介しながら、漲る生命力の強さ、厳しい自然と向き合う力、優しさ、智恵子との深い愛の絆と、時間押せ押せで賢治同様熱く語ってしまいました。

最後は、どうも、光太郎と賢治と一緒になって語ってしまうんですよねぇ

「寒い冬、大いに、沢山、真剣に勉強してください」と締めました

受験シーズンですから、中1生には、ほどよく聞えたかな。


中学生には、この時期は、語り作品の前に、高村光太郎の詩を朗読します。
『道程』や『冬の詩』は素語りします。

生徒と一緒に繰り返した『冬の詩』(四、五)です。




冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
高台も冬だ
馬車馬のやうに勉強する学生よ
がむしゃらに学問と角力《すまう》をとれ
負けるな、どんどんと卒業しろ
インキ壺をぶらさげた小倉の袴をはいた若者よ
めそめそした青年の憂鬱病にとりつかれるな
マニュアリストとなるな
胸を張らし、大地をふみつけて歩け
大地の力を体感しろ
汝の全身を波だたせろ
つきぬけ、やり通せ
何を措《お》いても生《いのち》を得よ、たった一つの生を得よ
他人よりも自分だ、社会よりも自己だ、外よりも内だ
それを攻めろ、そして信じ切れ
孤独に深入りせよ
自然を忘れるな、自然をたのめ
自然に根ざした孤独はとりもなほさず万人に通ずる道だ
孤独を恐れるな、万人に、わからせようとするな、第二義に生きるな
根のない感激に耽《ふけ》る事を止めよ
素より衆人の口を無視しろ
比較を好む評判記をわらへ
ああ、そして人間を感じろ
愛に生きよ、愛に育て
冬の峻烈の愛を思へ、裸の愛を見よ
平和のみ愛の相《すがた》ではない
平和と慰安とは卑屈者の糧だ
ほろりとするのを人間味と考へるな
それは循俗味《じゆんぞくみ》だ
氷のやうに意力のはちきる自然さを味《あぢは》へ
いい世界をつくれ
人間を押し上げろ
未来を生かせ
人類のまだ若い事を知れ
ああ、風に吹かれる小学の生徒よ
伸びよ、育てよ
魂をきたへろ、肉をきたへろ
   冬の寒さに肌をさらせ
冬は未来を包み、未来をはぐくむ
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、とどろかせ



冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見渡すかぎり冬だ
その中を僕はゆく
たった一人で――


私も、冬、コタツにいて、なまけ心が酷いと、語りの発声練習だ!と声をだします。


さて、やっぱり天気予報通り。
あっという間に、小鳥の声、そして、まぶしい光が降り注いできましたね。

空気はすっきりいい感じです。

玉川上水沿い散歩してきます










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2 コメント

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拍手~〓 (三毛乃介)
2011-02-10 15:11:52
この詩は、断片だけ漠然と記憶にありました。こんな大作だったのですね。
胸のすくような力強い言葉、すばらしいです。
返信する
三毛乃介さんへ (やえ)
2011-02-12 11:33:12
お久しぶりです!
そちらは、ほんとの雪景色ですか?

「胸のすく力強い言葉」

まさに、その通り。
冬の詩、すごい大作でしょ。
彫刻も大好きです。
返信する

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